2003/9/5 有峰湖ツーリング
今年の夏は本当に変な夏だった。北陸地方では肝心の真夏には暑くならずに、8月の終わりからようやく暑い日が続いていたかと思うと、9月に入ってすぐに梅雨に逆戻りしたように雨ばかり。ようやく今日になって、朝から青空がまぶしい久々のさわやかな好天がやって来た。
そこで、5月の山陰ツーリング以来火を入れていなかったCBXを久々に連れ出すことにしたのだった。今日はそんなに遠くに行くわけじゃないから途中やぼ用があるとはいうものの、10時に出かければ十分だとのんびりしていたが、直前になってエンジンがかからない!。バッテリー液は十分入っているが5月から一度もエンジンに火を入れていないので、ご機嫌が悪いようだ。仕方なく充電器をつないで30分ほど充電し、ようやく始動に成功。けれど、ブリッピングしてもボソボソと失火して排気の色も優れず、なかなか機嫌が回復しない。何とかなだめすかして出発したのが10時45分。途中大沢野町でやぼ用を済ませたら12時を回ってしまった。

薬師岳を望む

R41号から神岡町でR471へ分岐し、神岡町内でガソリンを補給し昼飯を仕入れる。R471は高原川に沿った美しい道路で、各集落ごとに美しい花々が歓迎してくれる。難点は追い越し禁止区間が多いことだ。遅い車の後ろに追いついた車がずらっと並ぶ光景が繰り返される。
途中、双六川の合流点で林道に分岐すると、車はほとんど走っておらず、適度なアップダウンと、緩やかなコーナーが連続するライダー天国となり、有峰林道の料金所までは全くの一気走りとなる。紅葉シーズンともなれば渋滞がつづくこの料金所も今は暇そうだ。

料金所を過ぎて少し行くと1車線で小さな半径のコーナーが連続するようになるが、そこはバイクのことスイスイと距離を稼げる。ただなぜかアスファルトに浮き出したピッチのようなものに乗ると、ズルッと滑るのが少し気持ちが悪い。

有峰ダムが近づくと薬師岳の姿が目に飛び込んでくる。夏の終わりのこの季節にはさすがに山頂付近にも残雪は無いようだが、青空にそびえるその姿はとても美しい。

有峰ダム展望台で

ダムの堤体を望む

誰もいない焼き肉広場

有峰湖は北陸電力有峰第一発電所を始めとする多くの発電所群に水を供給するための貯水池で、常願寺川水系和田川に昭和35年に完成した。標高1000m、冬季間は交通が途絶するこの地でのダム建設はさぞや大変だったろうと想像する。また、有峰第一発電所は水車1基の出力が26万kWと、一般水力発電所用単機出力としては我が国最大だ。
現在では、ダムの周辺には記念館、レストラン、運動公園、キャンプ場などが整備され、富山県民のレクリェーションの場として活用されている。

管理人は、本来ならこの公園で昼飯を食べようと仕入れてきたのだが、この日は駐車場で何か工事が行われていて、コンクリートをはつるブレーカーの音がやかましい。しかたなく少し離れたビジターセンターの焼き肉広場を借用して遅い昼ご飯にする。焼き肉広場といえば、富山県民はバーベキューが大好きで、シーズンともなればあちこちの河原や、水辺、公園で盛大に焼きまくっているのだが、今日は平日ということでさすがに誰もいなかった。
下界と違いここはもう秋の気配が近づいて、日差しは強くてもすがすがしい空気に包まれて昼飯をぱくつくのはなんとも気持ちがいいものだ。ただ、林道料金所で貰ったパンフレットによると熊などの野生動物が出没するらしく、誰もいない焼き肉広場で昼飯をぱくつく管理人が、絶好の餌に見えるかも知れない。武芸の心得が無い管理人は死んだふりしか対抗する術を知らないのだ。
そんなことを考えて、早々に退散することに・・・。

途中の牧場で

管理人はツーリングに出て同じコースを走って戻るということを極力避けているのだが、今回ばかりはあまりに快適な道だったので、今来た道をまた戻ることにして今度はひゅんひゅん走りを楽しむ。
途中には小さな集落や牧場があって、飛騨牛がのんびりと草を食べている。彼らの運命を思えば少し胸が痛むが、元気に育ってくれよと祈る管理人だった。
R471に出て、道の駅「奥飛騨温泉郷上宝」でお土産を仕入れ、家に着いたら6時前だった。

本日の走行距離294km

温故知新

R1100がやって来てCBXに乗る時間が少なくなってしまい、もうCBXは無用の長物になるのではないか?と思っていた。しかし今回久しぶりに乗って見ると、やはり20年間付きあってくれたこのおんぼろバイクが愛しいものに思えてならない。往年のパワーはもうないし、ブレーキはもうちょっと効いてくれた方がいいけれど、思ったように加速して曲がってくれる。老骨にむち打って走ろうとするその姿は、まるで老いた馬が騎手の期待に応えようとするようだ。

R1100を乗りこなすためのヒントはまだまだこいつが与えてくれる。ちゃんとレストアしてまだまだ一緒に旅を続けなくては・・。
そんなことを強く感じた一日だった。

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