2005.2.2〜25 エンジン組立 その1

シリンダーとクランクが工場で修理中にガスケットを作っておく事にした。
ガスケット紙は 、近所のバイクパーツショップでデイトナ製の0.4mmのものを購入してきた。
取り外したガスケットを原本に鉛筆でトレースし、はさみとカッターで切り出した。ガスケット紙を効率良く使うように注意する。

クランクケースは灯油でざっと洗浄した後「花さかじじい」という洗浄剤をお湯で薄めて漬け込んだ。
暫く時間をおくと、汚れが浮き出してくるので歯ブラシなどでこすって汚れを落とす。

前オーナーも油漏れには手を焼いていたようで、シール剤を塗りたくった跡がある。
これは、歯ブラシでこすった程度では落ちないので、へらでこすり落とさねばならずなかなか手間がかかる。

 

クランクケースは洗浄しても新品のような輝きを取り戻すわけではないので、リュータで真鍮バフを掛けて見た。

写真左がバフをかけたもの。

シリンダ取り付け面もキレイに磨いておく。本来ならシリンダ取り付けボルトを外して面出しするべきなのだが、今回は磨きのみとした。

なお、クランクケース外面は磨き面が酸化してしまうのを防ぐためにクリアー塗装で仕上げた。

ベアリングを打ち込んだ所。

ベアリングは冷凍庫で冷却し、クランクケースは暖房用の蓄熱ヒーターで暖めておいて、古いベアリングなどを使って打ち込んだ。もちろん取り付け面にはあらかじめオイルを塗布しておく。

シリンダーとクランクが帰ってきた。
シリンダーは0.75オーバーサイズピストンに合わせてボーリングし、クランクは大端ベアリングとコンロッドを取替えて、芯出しをしてもらった。
シリンダー内面仕上げはプラトーホーニングという技術で、ほとんど慣らしが必要なくフリクションロスも少ないというものだ。

今回作業をお願いしたのは埼玉県の井上ボーリング(株)で、個人からの依頼にも快く応えてもらえるという、私のようなアマチュアレストアラーには駆け込み寺のような存在である。DT1系は部品の入手が困難であるが、コンロッド、大端ピン、大端ベアリングはここでお世話頂いた。

社長の井上さんは、2st大好き、エンジン大好きという人で、いろんな新技術にも積極的だ。社長日記というブログも公開中なので、ぜひ一度ご覧になったらいかがでしょう?


クランクはまず左側のケースにセットする。
このとき、クランクを叩いたりするとせっかく芯出ししてもらったのが台なしになってしまうので、引きずり込むようにしてセットする。

今回は木片と金属プレートで台座を作り、マグネット取り付け用ナットを締め込んで嵌合させた。ボルトを締めて行くとパキパキっというような音がして嵌合に成功した。

クランクをセットしたら、洗浄しておいたミッションを左側ケースにセットする。

ミッションの組み込みには少しコツが必要だが、ああだこーだとやっている内に何とか収める事が出来た。

クランクケースの合わせ面には、液体パッキンを塗布しオイル漏れやクランクケースの気密破れに万全を期す必要がある。

右側のクランクケースは、左側ケースにセットしたクランクに左側と同様木片と金属片を使って、ケースをあわせボルトがかかるまで、押し込んで行く。ボルトがかかるようになったら、すべてのボルトを取り付けて徐々に締め込んで行く。
くれぐれも片締めにならないように慎重に締め込んで行くと、パキパキっというような音がして嵌合 される。このとき締め込み過ぎると、クランクの回転抵抗が大きくなるので、クランクの回転抵抗を伺いながら慎重に進める。

その後オイルシール類を取り付けた。

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