『ジョン・カサヴェテスは語る』

著者:ジョン・カサヴェテス
編者:レイ・カーニー
訳者:遠山純生、都筑はじめ

編集:郡淳一郎
発行者:定井勇ニ
発行:有限会社ビターズ・エンド
発売:幻冬舎
2000年2月26日第1刷発行
定価:3000円(税込)


『アメリカの影』『ハズバンズ』『こわれゆく女』など、映画会社に所属することなく、自らの魂の声を映画に撮り続けて、インディペンデント映画界の父とも目される俳優兼監督のジョン・カサヴェテスの発言を、映画批評家レイ・カーニーが構成した"John Cassavetes: In His Own Words"の邦訳。

カサヴェテスは、そのキャリアの初期から、映画を定められた娯楽の枠の中にはめこもうとする会社の圧力と戦い、やがてシステムからはじき出されるが、めげることなく自らの力で映画を撮り続ける。常に資金難に悩まされつつも、魂や感情の声に耳を傾け、自らに真摯な作品を作ってきた。演出においては、役者の通り一遍の演技は許さず、俳優が自らの感情でそれを感じ、掴んだものをファインダーの前に提供することを求め続けた。そんな彼の求めに応えた役者たち−女優で実生活ではカサヴェテスの妻だったジーナ・ローランズ、甘いマスクの名優ベン・ギャザラ、『刑事コロンボ』のピーター・フォークなど−の協力も、カサヴェテスの作品には欠かせない存在だ。カサヴェテスにとって、映画製作は仕事ではなく、人生そのものだったと言ってもよい。彼は語っている。「関心があるのは、自分が信じる映画を作ることだけだ」「ハリウッドのやり方には染まりたくない」「映画を作っている時は、それが人生だ」と。映画人のインタビューだけでなく、自らに忠実な真の自由人たる一人の男の真摯な生き様をこの本は提供してくれる。

翻訳は、遠山純生氏と細川晋氏と都筑が分担し、都筑は第2章から第6章までと第10章の訳を担当。また全作品のスタッフ/キャストとあらすじ、解説も都筑が執筆した。


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2001年7月20日改訂