5月4日風と緑の楽都音楽祭2018C22

5月4日風と緑の楽都音楽祭2018C22
指揮:リッカルド・ミナーシ、ピアノ:モナ・飛鳥、ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団
石川県立音楽堂コンサートホール

酢谷琢磨

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 ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団(Das Mozarteum Orchester Salzburg)が石川県立音楽堂で演奏する。室内オーケストラとしてオ−ケストラ・ アンサンブル金沢(OEK)と如何に違うのかの探究を目的とし、GW後半の中日石川県立音楽堂へ出掛けた。

   コンサート1曲目は、モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番。DMOSの弦楽5部は8-6-4-4-3。即ち、OEKに比較してCbが一人多く、しかも舞台向かって左に配置。第1楽章Allegroのイントロは古楽器を用いたような出だし。トランペットの 形状が古楽器的だったのかもしれない。続いて白いドレスで登場のモナ・飛鳥さんのピアノが開始。ピアノとオーボエとの対話は完璧。中間部では、ボリューム感、切れ味感が冴え渡り、弦楽のハーモニーも綺麗。ホルンのボリュームも中々のもの。カデンツアは誰のものかは 不明だが、モナ・飛鳥さんのアルペジオが綺麗。指揮のマエストロ・リッカルド・ミナーシは体を大きく使っての指揮。但し、pに抑えるところはきっちりと指示。第2楽章Romanceは、モーツァルトの名旋律。モナ・飛鳥さんの聞かせどころ。同じメロディーが3度繰り 返される箇所では、f、f、pと強弱を付ける。Attacca気味に第3楽章Rondo: Allegro assai。オーケストラのボリュームと切れ味が冴える。吾等がOEKもボリューム感では負けてはいないが、ボリューム感プラス切れ味ではDMOSには及ばないようだ。落ち着いたカデンツアで締 めくくり、終了。聞きごたえのある協奏曲第20番に仕上がった。

 2曲目は、モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」。第1楽章Adagio - Allegroは優雅に開始。Allegroではボリューム感とスピード感がマッチ。第2楽章Andanteは適度なスピードとボリューム。第3楽章Finale. Prestoはボリューム感溢れるプレスト。フルート・ソロ、及び フルートとオーボエのDuoが綺麗。フィナーレ近くではフーガとなり、切れ味鋭く終了。

 さて、OEKと同規模の室内オーケストラDMOSを聞いたのだが、ボリューム感ではOEKも負けてはいない。しかし、ボリューム感プラス切れ味とffからpに音量をを落とした時のハーモニーの綺麗さでは、DMOSに軍配が上がるようだ。OEKも彼らの長所を学び、更に飛躍して欲しい ものだ。


Last updated on May 04, 2018.
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