12月10日OEK第370回定期公演PH第1夜

12月10日オ−ケストラ・アンサンブル金沢第370回定期公演PH第1夜
指揮:マルク・ミンコフスキ
石川県立音楽堂コンサートホール

酢谷琢磨

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金沢駅東口フォーラス横イルミネーション

 マエストロ・マルク・ミンコフスキ、プリンシパル・ゲストコンダクター就任披露公演「シューマン全交響曲を聴く」の第1夜。オ−ケス トラ・アンサンブル金沢(OEK)とどのようなシューマンを聞かせてくれるか、及び第2番のフィナーレを楽しみに石川県立音楽堂へ出掛けた。

 プレコンサートは、ハイドン:弦楽四重奏曲第78番「日の出」第1楽章。カノンの部分は第1Vn、チェロ、ヴィオラ、第2Vnと進行。コンサート前の優雅な雰囲気が醸し出される。
 コンサート1曲目はシューマン:交響曲第1番「春」。OEK弦楽5部は8-6-4-4-3の対象配置。コントラバスは後部中央。トロンボンーン3、ホルン4の布陣。第1楽章Andante un maestoso - Allegro molto vivaceは、 プレトークで池辺晋一郎さんが言っていた様に、Introは珍しい金管楽器。マエストロ・ミンコフスキはぐんぐんOEKを引っ張る精力的な指揮。音は少々「硬く」感じたが、中間部の高揚も堂々とし、弦の綺麗さも「春」 を思わせるに十分の内容。第2楽章Langhettoは、緩徐楽章。弦の綺麗さが目立ち、情緒たっぷり。尚、休憩時ロビーへ向かう時、マエストロ・井上道義とぱったり。第2楽章の話をすると、彼は「バランスが・・・」 と言っていた。この「バランス」については翌日明らかになる。第2夜のコンサート・レビューて書こう。さて、Attaccaで続く第3楽章はScherzo(Molto vivace)。マエストロ・ミンコフスキは、pの時身を屈めて 指示。OEKの反応は敏感では無かったのが悔やまれる。今後の課題である。第4楽章Allegro animato e graziosoもattaccaで続く。プログラム・ノートにあるように中間部でホルン、フルート・ソロがある。特にホ ルン・ソロはJ. シュトラウスの「美しき青きドナウ」(1867年作曲)を連想させる。シューマン交響曲第1番「春」の作曲は1841年だから、勿論シューマンが先。次いで第1楽章の主題が回想され、堂々たるフィナーレで終了。
 休憩を挟んで2曲目は、シューマン:交響曲第2番。OEKのホルンは何故か3人となる。第1楽章Sostenuto assai - Allegro, ma non troppoは、抑制的なトランペットによるintro。Codaは壮大で第4楽章が楽しみ。 第2楽章Scherzo. Allegro vivaceは、これもプログラムにある通り無窮動風。第3楽章はAdagio espressivo。第1Vnとフルート、トランペット、クラリネット・ソロが綺麗。pppのフィナーレ。一転第4楽章Allegro molto vivaceは、交響曲第1番の主題で始まる。クラリネット・ソロ、ストリングスの妙を経て壮大なフィナーレ。と思っていたが、やや大人しい。これも翌日解消することになる。

 アンコールはシューマン:交響曲第4番第2楽章。マエストロ・ミンコフスキは「アンダンテ」といったように聞こえたが、Twitterによると第2楽章に間違いはない。さて、第1夜は少々硬かったようだが、第2夜 はどうなるか、硬さの解消を期待したい。尚、金沢駅への帰り道フォーラス横のイルミネーションが綺麗だったので撮影。その画像を添付する。Merry Chistmas!


Last updated on Dec. 10, 2015.
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