150505

5月5日ラ・フォル・ジュルネ金沢2015公演番号K311
コンチェルト・ブタペスト、指揮、ヴァイオリン:アンドラ−シュ・ケラー
ヴァイオリン:セルゲ・ツィンマーマン
石川県立音楽堂コンサートホール

酢谷琢磨

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図1 鐘馗
 今日は子供の日。先ず、子供たちへの魔除けである、鐘馗様の画像を紹介しよう。上海で購入したもので、どうも京劇の鐘馗様らしい。
 さて、ラ・フォル・ジュルネ金沢音楽祭2015公演番号K311は、コンチェルト・ブタペストとセルゲ・ツィンマーマンによるバッハのヴァイオリン協奏曲。 ツィマーマンという名前はピアニストで聞いたことがある。しかし、名ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマンの息子としてのセルゲ・ツィンマーマンは初めて。彼に期待して石川県立音楽堂出掛けた。

 コンサート1曲目は、J.S.バッハ:二つのヴァイオリンのための協奏曲ハ短調 BMV1060。この曲は、二台のチェンバロのための協奏曲第1番ハ短調をヴァイオリン用に編曲したものである。第1楽章は、バ ッハの几帳面さが滲み出た、全く同じメロディのカノン形式での繰り返し。しかし、中々綺麗。コンチェルト・ブタペストの弦楽5部は6-4-3-3-1、即ち、オーケストラ・アンサンブル金沢を一回り小さくしたサイズ。第2楽章は、イントロ部の2台のヴァイオリンDuoが非常に綺麗。オーケストラはピッチカートに終始する。第3楽章は急、怒涛の演奏。 分かり易くフィナーレ。石川県立音楽堂コンサート・ホールではボリューム不足かと心配したが、杞憂。
 2曲目は、バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番。第1楽章(Allegro moderato)は、ツィンマーマンさんのテクニック冴える楽章。第2楽章Andanteは、オーケストラ主導の緩徐楽章。第3楽章Allegro assaiは、 お馴染みの舞曲ジーグ。スピード感有る演奏裡にフィナーレ。
   3曲目は、J.S.バッハ:二つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BMV1043。第1楽章Vivaceは、二台のヴァイオリンによるカノンが綺麗。第2楽章はLargo, ma non tanto。2台のヴァイオリンDuoによる高音と低音の対比が綺麗。
図2 ラ・フォル・ジュルネ金沢2015
第3楽章Allegroは急のカノン。張り切り過ぎたのか、コンチェルト・ブタペストの指揮者マエストロ・アンドラ−シュ・ケラーがソロの為オーケストラの統制が難しかったためか、少々リズムの合わな い箇所もあったようだ。しかし、余り聞けない二つのヴァイオリンのための協奏曲をじっくり聞けた点は収穫と言えるであろう。

 アンコールは無し。しかし、バッハの几帳面さ、及びバッハはヴィヴァルディの影響を受けていたことを感じさせるヴァイオリン協奏曲3曲であった。やはり、バッハもバロック時代の作曲家である。アンケー トにおける来年の希望作曲家は?との問いに、私はチャイコフスキーと書いた。金管楽器咆哮するチャイコフスキーで、ラ・フォル・ジュルネ金沢音楽祭2016を盛り上げて欲しいものである。帰りに桜丘高校ブラ スバンドの演奏を聞き、余計その感を強くした。来年にも期待したい。


Last updated on May 05, 2015.
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