1月10日OEK第359回定期公演PH

1月10日オ−ケストラ・アンサンブル金沢第359回定期公演PH
指揮:井上道義、歌:島田歌穂
石川県立音楽堂コンサートホール

酢谷琢磨

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 オ−ケストラ・アンサンブル金沢のニューイヤコンサート。マエストロ井上道義も回復したとのことで、今年も元気なOEKに期待し て石川県立音楽堂へ出掛けた。

   ロビー・コンサートは弦楽四重奏による、ヨハン・シュトラウスU:ポルカ「観光列車」。エドワルド・シュトラウス:ポルカ「あまえんぼうの猫」。ロウ:マイフェアレディ「踊りあかそう」の3曲。私は 途中入場したため始めの2曲は聞いていないのだが、弦楽四重奏の「踊りあかそう」は、第1ヴァイオリン・ソロもあり、綺麗であった。
 コンサート1曲目は、ワルトトイフェル:ワルツ「女学生」。舞台の花あしらいも年々増えてきて綺麗。OEKの弦楽5部は8-6-4-4-2のコントラバスを舞台向かって左に配した通常配置。尚、舞台向かって右に コントラバス1台が置かれていたのだが、最後まで奏者が現れず意味不明であった。金管はトロンボーン、チューバも入り力感あり。マエストロ井上道義の指揮は従前と変わらず華麗で、安心。カスタネットが効 果的で、フィナーレで盛り上がる。2曲目は島田歌穂さんによるO. ハマーシュタイン2世/R. ロジャーズ:「サウンド・オブ・ミュージック」メドレー。島田歌穂さんはオペラ歌手ではなく、清楚な歌いっぷり。 これが却って新鮮。「一人ぽっちの羊飼い」、「My favorite thing」もあり、以前ザルツブルグで「サウンド・オブ・ミュージック・バスツアー」に参加した時のことが思い起こされた。続いて、OEKによるL. アンダーソン:「ワルツィング・キャット」。猫の鳴き声を模倣したフレーズが印象的。4、5曲目は再び島田歌穂さん登場で、L. ウェーバー:「アルゼンチンよ、泣かないで」、「メモリー」。島田歌穂さん にスポットライトが当たり、パイプオルガンのカラー照明も綺麗。イントロはピアノ伴奏のみで始まる。両曲とも良い曲なのだが、アンコール時にマエストロ井上道義も言っていたように、フィナーレがpの曲で、 しっとりと終了。6曲目は今年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートでも演奏された、J. シュトライスU:ワルツ「酒・女・歌」。OEKの演奏も中々のもの。但し、バレーが挿入されなかったのは、Tvとは 異なるのだから仕方がない。

 休憩を挟んで7曲目は、E. カールマン:喜歌劇「チャールダーシュの女王」序曲。チャールダーシュに合わせたマエストロ井上道義の「踊り」が復活。次いで、真っ赤なドレスにお色直しした島田歌穂さんに よる、J. レノン&P. マッカートニー:「イン・マイ・ライフ」、R. ラヴランド:「ユー・レイズ・ミー・アップ」。前者の歌詞「忘れられない場所がある・・・」が印象的。後者には「ロンドンデリーの歌 」が挿入され、何れも抒情豊か。10,11曲目はOEKによる、J. シュトラウスU:ワルツ「楽しめ人生を」、ポルカ「特急」。後者のテンポ訂正は正解で、超特急となった。最後は、灰色のドレスにお色直しした 島田歌穂さん登場で、L. ウェーバー「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」、C-M. シェーンベルク:「オン・マイ・オウン」。後者では、オーボエのソロが綺麗。島田歌穂さんの熱唱もあり、盛り上がりの後フィ ナーレはp。即ち、切々たる名曲となった。

 アンコール1曲目は、OEKによるお馴染みのワルトトイフェル:「スケーターズ・ワルツ」。2曲目は島田歌穂さんによる、ハロルド・アーレン『オズの魔法使い』から「Over the Rainbow」。島田歌穂さんの歌唱力が発揮されたアン コールであった。帰りに、恒例の金沢市弥生(有)茶菓工房たろう製「どら焼き」を頂いた。今年はイチゴジャム餡で、これもおいしかった。ごちそう様。


Last updated on Jan. 10, 2015.
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