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5月3日ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2013公演番号122
モディリアーニ弦楽四重奏団、石川県立音楽堂邦楽ホール

酢谷琢磨

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ラ・フォル・ジュルネ金沢2013
 ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2013公演番号122。モディリアーニ弦楽四重奏団のラヴェルとドヴュッシー。3 月、4月の定期公演PHは、最後の町会長会議と台北、上海、蘇州旅行に重なって聞けなかったので、久し振りの音楽堂。しかも、フランスの作曲家ラヴェルとドビュッシーの弦楽四重奏 曲は中々聞けない。これに期待して石川県立音楽堂邦楽ホールへ出掛けた。

 コンサート1曲目はプログラムと逆で、ドビュッシーの弦楽四重奏曲作品10。第1楽章Anime et tres decideは、イントロの不協和音も決まり、若いメンバーにも拘わらず、柔らかで、纏 まった感じ。中間部のドヴォルザーク風の箇所もスムーズ。クレッシェンドすると力感もある。第2楽章Assez vif bien rythmeは、ピチカートで始まる。中間部は抒情的で、コーダは 再びピチカートで静かに終了。第3楽章Andantino - doucement expressifは、第2ヴァイオリンとヴィオラによるイントロ。緩徐楽章であり、中間部ヴィオラ・ソロが綺麗。第4楽章 Tres modereではチェロのイントロ。フィナーレ近くでは主題を回想し、終了。ドビュッシーの弦楽四重奏曲は少々メランコリー過ぎるきらい。次のラヴェルに期待する。

 2曲目は、ラヴェルの弦楽四重奏曲。第1楽章Allegro moderato - tres douxは、色彩感豊かに始まる。しかし、同じメロディーが変奏曲風に繰り返され、やや単調。第1ヴァイオリン の高音、ヴィオラとチェロのピチカートで終了。第2楽章Assez vif - tres rythmeは、ピチカートで始まる。中間部は抒情的でフィナーレもピチカートで終わる。第3楽章はTres lent。 中間部におけるチェロの先導で日本的メロディー。第1ヴァイオリン・ソロも綺麗。コーダは第1ヴァイオリンの高音で終了。第4楽章Vif et agiteは、荒々しく始まる。しかし、これも すぐ抒情的となる。中間部の第2ヴァイオリンは存在感を示し、颯爽と終了。但し、もう少し色彩感があればと思う。しかし、音楽的には上品で、完璧である。

 アンコールは無し。ドイツ的アルバンベルグ弦楽四重奏団と比較すると、彼らの丁々発止までには至っていないが、将来性ある弦楽四重奏団であることは間違いない。今後に期待 したい。


Last updated on May 03, 2013.
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