110503213
English
PC版へ

5月3日ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2011公演番号213
オーケストラ・アンサンブル金沢、指揮:井上道義
ソプラノ:森岡紘子、テノール:志田雄啓、オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団
石川県立音楽堂コンサートホール

酢谷琢磨

English
PC版へ

 ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2011公演番号213としてオ−ケストラ・アンサンブル金沢(OEK)がシューベルトの合唱曲「キリエ」を演奏する。これに期待して石川県立音楽堂に出掛けた。

 金沢駅東口周辺では金管5重奏、ブラスバンド、エーデルワイスカペレ等の演奏が目白押しで、雰囲気は盛り上がっていた。コンサート1曲目は、シューベルトの交響曲第5番。第1楽章 Allegroは、出だしスムーズ。OEKの弦楽5部は8-6-4-4-2の対象配置。金管はホルンのみでトランペット、トロンボーンは無し。井上道義マエストロは平服で、緑のスニーカーという出 立ちで、踊るような指揮は健在。第2楽章Andante con motoは、優雅。第3楽章Menuetto:Allegro molto:Trioは、力強い楽章。中間部では第2楽章の変奏曲のような箇所も出現。第4楽 章Allegro vivaceは軽快。フィナーレも盛り上がり、堂々と終了した。

 2曲目は、シューベルトの合唱曲「キリエ」ニ短調。プログラムによればシューベルト少年期の作品。井上道義マエストロは黒の正装に着替えて登場。この「キリエ」は力強い合唱曲で、 オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団も好演。特に、ソプラノ、アルト部門が熱演であった。中間部でソプラノ:森岡紘子とテノール:志田雄啓さんのデュオ。但し、デュオは僅か過ぎ て、もう少し聞きたいと思ったところで終了してしまった。続いて、「キリエ」ヘ長調。この曲もシューベルトの若き日の作品とのことで、トランペットが入り、ヘンデル風の綺麗な旋律。 女声合唱も柔らかく、優雅であり、トランペットも熱演であった。

 さて、シューベルトの「キリエ」については、私の手元にアーノルド・シェーンベルグ合唱団によるシューベルトの没した1828年に書かれたミサ曲第6番「キリエ」変ホ長調がある。 この曲は素晴らしい。従って、本日のニ短調とホ長調の内の一つを変ホ長調に変更した方が良かったのではと思う。如何だろうか?


Last updated on May 03, 2011.
2011年コンサート・レビューへ