100505334
5月5日ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2010公演番号334
ライプツィヒ弦楽四重奏団、金沢市アートホール
酢谷琢磨
白山市大嵐山と七尾市青柏祭の安近短黄金週間の締め括りは、ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2010である。
公演番号334はライプツィヒ弦楽四重奏団によるメンデルスゾーンとシュ−マンの弦楽四重奏曲。2曲ともAm(イ短調)だ。日本の演歌でヒットするのはAmらしい。従って、公演番
号334は日本人向きといえる。Amの楽しみ、シューマンの弦楽四重奏曲は中々聞けないこと、並びに先だってのコンサートに行けなかったライプツィヒ弦楽四重奏団に期待して、
金沢市アートホールに出掛けた。
コンサート1曲目は、メンデルスゾーン弦楽四重奏曲第2番。第1楽章Adagio-Allegro vivaceのイントロは重厚。即ち、金沢市アートホールは低音、チェロおよびビオラの音が
良く響く。テンポはやや遅めであった。しかし、これが優雅に聞こえる。クレッシェンドも上手く、ffの頂点で一旦pに落とすアクセントの付け方も絶妙。第1ヴァイオリン奏者の
腕も確かである。第2楽章Adagio non lentoは音が深い。CDで聞くのとは深さが違う。チェロのピッチカートの後第2楽章イントロが戻り、終了。第3楽章Intermezzo. Allegretto
con motoは軽快。このテンポでも上手い。第4楽章Prestoは華麗。フーガも的確で、第1ヴァイオリン・ソロも綺麗。第1主題が戻り、消え入るように終了。やはり、ライブは素
晴らしい。
2曲目は、シューマンの弦楽四重奏曲第1番。第1楽章Introduzione. Andante espressivo-Allegroは、第1、第2ヴァイオリンで始まる。これにヴィオラとチェロが加わると、
厚みが出て優雅。中間部でテンポ上がるも乱れ無し。ヴィオラ・ソロも立派である。第2楽章Acherzo. Presto-Intermezzoは、スピード感有り。第3楽章Adagioは、チェロ・ソロが
秀。チェロの音色は深くて心に響く音色である。オ−ケストラ・アンサンブル金沢(OEK)のカンタさん
も金沢市アートホールでリサイタルを開けばと思わせる、チェロの馥郁さであった。第4楽章Prestoは、迫力有るイントロ。コーダには、バグパイプのような音色が挿入されてい
るが、これは、第2ヴァイオリンで演奏されたようだ。フィナーレは分かり易く、華やかに終了した。
さて、名門ゲヴァントハウス管弦楽団の元首席奏者で構成されたライプツィヒ弦楽四重奏団。その実力を遺憾なく発揮したといえる。尚、彼等の衣装は、模様の入ったベストを
織り込んだようなお揃いのシャツを着ていた。これはライプツッヒの伝統衣装なのだろうか。音楽の実力と共にヨーロッパの伝統を強く印象付けられた演奏会であった。
Last updated on May 05, 2010.