090502
5月2日ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭公演番号124
モディリアーニ弦楽四重奏団、ヴィオラ:ジェラール・コセ
石川県立音楽堂邦楽ホール
酢谷琢磨
今年もラ・フォル・
ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭が、主に石川県立音楽堂で開催される。モーツァルトの弦楽五
重奏曲は滅多に聞けないので、高度に洗練された演奏を期待して石川県立音楽堂邦楽ホールへ出掛けた。
コンサート1曲目は、J.S バッハ/モーツァルト編:フーガ K.405。モディリアーニ弦楽四重奏団は若い団員であり、モーツァルトがバッハの平均率クラヴィーア曲集第2巻から5つの
フーガを弦楽四重奏用に編曲した難しそうな曲を新鮮に演奏。成る程、1-1はバッハの雰囲気もあり、モーツァルト的でもある。1-2はチェロがイントロを軽快に演奏。チェロの音色も若々
しい。1-4は第2ヴァイオリンがリード。1-5は小気味いいフーガ。無難な演奏であったといえる。
2曲目はモーツァルト:弦楽五重奏曲第5番。第1楽章はLarghetto - Allegro。ジェラール・コセさんは先生格でJoint。ジェラール・コセさんが加わったことで演奏も安定し、イントロ
のチェロのリードも的確。中間部では、第1ヴァイオリン奏者フィリップ・ベルナールさんが素晴らしい演奏を披露。第2楽章Adagioは、綺麗であり、チェロのピチカートが効果的。第3
楽章Menuett. Allegrettoは滑らかであり、第1ヴァイオリンおよびヴィオラとチェロのピチカートの掛け合いが絶妙。第4楽章Allegro(2.Finale)は、切れ味鋭い演奏で、私には
素敵なフーガに聞こえた。フィナーレは力感溢れた演奏で、分かり易く終了。熱演であった。
アンコールは無し。さて、コンサートを聴いた印象だが、若々しい奏者ながら、テクニック的、情感的に非常に上手な演奏であったといえる。尚、楽章中、楽章間にノイズが多
かった。鼾まで聞こえたのは興醒め。これをフィリップ・ベルナールさんが窘めているような感じがした。ノイズは極力避けるよう注意したいものである。
Last updated on May 02, 2009.