戦慄のグアム!

それは2003年の12月始めの事だった。
株価も暴落し、景気の底も全く見えないこの世の中で、私の会社はナント、
社員旅行として、
遠くの沖縄より近くのグアム!
に行ける事になったのです。

みんなからは、「この不景気の時代にスゲーな」「会社儲かってんだな」「いいな〜」
などの羨ましがる言葉を頂き、それに対し、「そんなに会社儲かってないよ」
「たまたまだよ」と言葉では謙遜する管理人、しかし心の中では、


「ヘヘッ、い〜だろ〜!」


と腹黒い面も一部チラつかせる管理人。
仕事以外で海外に行けるのがホント久しぶりの私は、数ヶ月前から
ウキウキウオッチン状態でした。

グアム到着したらまずあれやって、これやって、あそこ行って、あの店であれ食べて、、、
と十分な下調べをして出発の日を待っていた訳です。

早起きしなければならない出発の日の朝も、
海外に行ける事を思うと自然と目覚ましセット5分前には起きてしまう。
目覚まし君よ、悪いが今日は私の完勝だ!

空港に着いても落ち着かない私は、ヒーリーズを装着し、空港ロビーを疾走する。
30歳間近にしてローラースニーカーを履いて空港でではしゃいでる男なんて滅多にいない。
でも他人のやや冷たい視線なんてじぇんじぇん気にならない。
そんな頭の中完全海外モードの管理人を搭載させたNW73便はごく自然に日本の地を飛び立っていった、、、

そう、ここまでは管理人のハイテンションぶり以外におかしな事は何ら無かった。

でも到着したそこには。。。





↓こんなヤツが我々を出迎えていたのです!(管理人撮影)





彼の名はPongsona(ポンソナ)、最大風速66.7m/s、非公式の瞬間最大風速が
117m/sのグアム史上最強最悪最大台風さんでした。


知らんぞこんなヤツ、そんな情報全く聞いてないぞ!


そこからは"楽しいグアム旅行"⇒"最強台風体験ツアー"と名前が変わりました。
初日は風が強いだけで雨はなく、まだましだったものの、翌日からが最悪。。。
ホテルから外に出れません、出たら確実にお隣サイパンまで飛ばされます。
加えてこのPongsonaさん、動きがメチャ遅い!
日本に来る台風は、偏西風に流されスピードアップし、次第に形を崩して
抜けて行っちゃうんだけど、赤道直下で生まれたての彼(男なのか?)は
まだ赤ちゃんハイハイしか出来ないらしく、数時間毎に更新される衛星写真見ても
ほっとんど動いていませんでした。
「どうせ数時間で抜けちゃうんだからちょっとだけ我慢しよーぜ!」
なんてそれでも楽観視していたうちらは全く持って甘チャンだった、、、

以後は、台風直撃中のホテルの様子を、台風突撃リポーターに取材してもらい、
ゲットした得ダネ画像です。

台風パワー65%の頃です。
(当然窓越し撮影)
外出禁止令が朝から出ています。
風が強いので部屋の内側の壁
ヒビ入ります。
風が強いので、部屋の壁
屈曲してます。
(この時、常に震度2程度の揺れが永遠に、、、)
廊下の天井なんて
もちろん剥がれ落ちます。
扉ですか?
そりゃぶっ倒れます。
廊下(部屋も)は水浸しで照明が
反射します。
さぁ、どうやって向こう岸まで渡ろうか?
部屋のじゅうたん。
雨水浮いてんのわかります?

この取材中の直後、ホテル側から非難命令が出て、数百人の多国籍さんが、
大広間で6時間余りにも渡る非難生活を余儀なくされました。
(パニック状態で非難したので写真ありません)

うまく文章で表現で出来ないけど、

この体験が一番辛かった、、、

泣き叫び続ける子供、
ひたすら祈り続ける人
お互いを励まし合う人
様々な光景がそこにはありました。

幸いにも大きな混乱やケガ人もなく、ナントか自部屋に戻ることが出来たのですが、
当然部屋だって床びしょ濡れですよ。
床から浮いてるベッドの上が唯一自由が利くところ。
でも油断すると下に垂れたかけ布団が床に接触し、寝ている間に水が染み込んで来る始末。
あー寝小便ごまかせて良かった!
天気の良くなった翌日、ようやく外出禁止令も解け、
我々は外の被害状況を確認してきました。

そこには更に驚くべき光景が次々と!(ガチンコ風に呼んで下さい)

ここに吊るされてた巨大シャンデリアが、、、
見事に落下!
電柱は曲がり、
車でさえも風に飛ばされ、、、
どうやら"青信号"だけが生き残ったみたい。
昨晩行こうと思ってたスト○ッ○劇場がぁ!
ココ、何屋だよ!⇒
判りにくいかもしれないけど、
このピンクの物体は、逆バンジーの鉄塔です。
こやつも倒れます。
ずぶ濡れ商品、激安セール中!
あの部屋に宿泊した人、無事生きてますかねぇ?
(右の崩壊はエレベーター)

写真だけでは現場の様子をなかなか感じ取れないかもしれませんが、いかがでしたか?
結局出発前に企画してた事は何も出来ず、空港閉鎖により帰国も1日延び、
滞在中、部屋の中でトランプをした時間が一番長かったという悲しい旅行となりました。
でも、無事に帰れた今だからこそ書けますが、めったにない貴重な体験が出来て
ある意味ラッキーだったかもしれません。(もう二度とこんな体験はしたくないけど)

あー、せめて出迎えてくれたのがポンソナじゃなくて、





ユン・ソナだったらどんなにハッチャケたことか、、、
どぉ?うまくオチた?