●著作権とは

ものすごくおおざっぱにいえば、「これは私の表現物なんだから勝手につかわないでよねっ!」といえる権利です。
もうちょっと丁寧にいうと、表現物が「著作物」と認められた場合に、その表現者にみとめられる、人格権と財産権の総称です。

雑誌やホームページで、他人の著作物を使用するときは、著作権を侵害しないように配慮する必要があります。
基本的に著作権者の許可があれば問題は無いのですが、「いちいち許可を得るのは煩雑な場合もあります。
以下の場合は、許可無くして他人の著作物を利用できますので、参考にしてください
(問題になりやすそうなところをピックアップして、おおざっぱに書いてます)。


1. そもそも「著作物」として保護を受けていない場合(単なる事実の利用など)。
2. 保護期間を経過している場合(古典歌舞伎の台詞など)。
3. 許される「引用」の範囲である場合(判例の基準と出所の明示が必要)。
4. 「私的利用」として複製する場合(家でビデオをとって見る場合など)。

著作権法では、もっと細かく規定されています。
もっと詳しく知りたい方は、このページ末のサイトをご覧下さい。

●「著作物」とは?

著作物とは、
思想または感情
創作的
表現したものであって
文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの
です
(著作権法2条1項1号)

*著作物とは認められないものの具体例
・「市川猿之助が宙乗り5000回達成してギネスブックにのった」ということは
事実であって、「思想または感情」ではないので、「著作物」ではありません。
模倣や盗作は「創作的」なものとはいえません。
しかし、他の作品を参考にして、別のものを作り出すことはOKです。
結果的に類似する作品が生まれても、著作権侵害とはなりません。
単なるアイデアや独特の作風は「表現したもの」ではありません。
有名な書道家の作風を真似ても著作権侵害にはなりません。
どうしたら習字がうまくなるかのアイデアは、「表現したもの」ではないけれど、
そのアイデアを解説した文章は「表現したもの」といえるでしょう。
工業製品は「文芸、学術、美術または音楽の範囲」ではいので「著作物」ではありません。

●著作物の種類(赤字は歌舞伎関連のサイトを作るに当たって問題になりそうなものです)


言語の著作物:小説、論文、脚本、詩歌、講演
音楽の著作物:楽曲および楽曲をともなう歌詞
舞踊、無言劇の著作物:振り付け
美術の著作物:絵画、版画、彫刻、まんが、舞台装置
建築の著作物:建造物自体。設計図は図形の著作物。
地図、図形の著作物:地図と学術的な図面、図表、模型など
映画の著作物:劇場用映画、テレビ映画、ビデオソフトなど
写真の著作物:写真、グラビアなど
プログラムの著作物:コンピュータ・プログラム

*二次的著作物:著作物を翻訳、編曲、変形、翻案して作成した物
*編集者著作物:百科事典、辞書、新聞、雑誌、詩集などの著作物
*データベースの著作物

●著作者の権利


◆著作者人格権(人格的利益を保護)
→著作者だけの権利であって、譲渡や相続不可。
・公表権(公表するか否か、するとしたらいつ、どのような方法で公表するかを決める権利)
・氏名表示権(著作者名を表示するか否か、するとして実名にするかを決める権利)
・同一性保持権(自分の著作物の内容やタイトルを勝手に改変されない権利)

◆著作権(財産的利益を保護)
→譲渡や相続可。
・複製権
・上映・演奏権
・上映権
・公衆送信権
・口述権
・展示権
・頒布権
・譲渡権
・貸与権
・翻訳権・翻案権
・二次的著作物の利用権

●著作権の保護期間


原則:著作物創作時から著作者の死後50年まで


・実名(周知の変名を含む)の著作物:死後50年
・無名・変名の著作物:公表後50年(死後50年経過が明らかであればその時まで)
・団体名義の著作物:公表後50年(創作後50年以内に公表されなければ創作後50年)
・映画の著作物:公表後50年(創作後50年以内に公表されなければ創作後50年)

*ただし、旧法下では保護期間が30年と定められ、改正&延長された結果、
2000年現在で著作権が存続しているものを簡単に整理すると以下の通りです。

・実名の著作物
(1)1950年以降に死亡した著作者の著作物
(2)1949年までに死亡した著作者の著作物のうち、1962年から1970年までに公表されたもの。

・無名・変名の著作物
(1)1950年以降に公表され、かつ、1949年までに死亡したことが認められない著作者の著作物。
(2)未公表の場合は、1949年までに死亡したことが認められない著作者の著作物。

・写真の著作物
(1)1947年から1956年までに創作されたもので創作後10年以内に発行され、その発行が1957年以降の著作物
(2)1957年以降に創作された著作物

●「引用」が許される場合

著作権法32条1項は他人の著作物を許可なく引用できる場合について定めています。

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、
その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、
報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。

この「公正な慣行」「正当な範囲内」というものが具体的にどのような基準によるのかは、
この条文からははっきりしません。最高裁が出した基準をまとめると以下のようになります。


(1)自分の書いた部分と引用する部分を明確に区別できること。
   eg,引用部分の前後を1行あける、引用部分を「」でくくるなど
(2)自分の書いた部分が主で、引用部分が従という関係があること
   *分量だけの問題ではなく、質的にもこのような関係が必要。
(3)引用文の出所を明示すること(著作権法48条1項)

<参考・最高裁判旨>
引用とは、紹介、参照、論評その他の目的で自己の著作物中に他人の著作物の
原則として一部を採録することをいうと解するのが相当であるから、
右引用にあたるというためには、引用を含む著作物の表現形式上、
引用して利用する側の著作物と、引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別することができ、かつ、
右著作物の間に前者が主、後者が従の関係があると認められる場合でなければならない。

●著作権法に違反した場合の措置


1.民事上の請求
(1)侵害行為の差止請求
(2)損害賠償の請求
(3)不当利得の返還請求
(4)名誉回復などの措置の請求

2.罰則
3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
*ただし、被害者が告訴しなければ処罰sれません(親告罪)

●もっと詳しく知りたい方はこちらのサイトをどうぞ。

渡辺格個人ホームページ
http://member.nifty.ne.jp/itaru_watanabe/
著作権の基本概念、内容、著作物利用上の留意点などはこちらのページに詳しくのっています。
トピックスも充実しているので、より詳しく知りたいかたはこちらをどうぞ。

著作権情報センター
http://www.cric.or.jp/
著作権情報センターの「著作権Q&A」の、はじめての著作権講座、マルチメディアと著作権等がわかりやすいです。

上野達弘ホームページ
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/ueno/index.html
法令、判例などはこちらにあります。