◆◇◆ 年間フェイヴァリットゲームランキング ◆◇◆

その年に遊んだゲーム作品を勝手にランキング。
あくまで個人評価なので、その辺りは御容赦下さい。
同年内に発売された新作タイトルを基本としますけれど
旧年のタイトルも遊んだのが同年なら許容の範囲ということで〜。

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【2006】
1位:この青空に約束を─       (2006年3月24日)
2位:グリンスヴァールの森の中   (2006年6月16日)
3位:遥かに仰ぎ、麗しの       (2006年11月24日)
4位:めいどさん☆すぴりっつ     (2006年1月27日)
5位:Re:                (2006年2月3日)

 プレイした本数が少なすぎ……。
 こんなにプレイしなくなっていたのか、自分。
 いちおう、年前半は『RO』をプレイしていたのですけれど、年後半はそれすらも。
 ちょっと余裕がなくなってましたね。反省。

 んでも、そんな状況だったからこそ、プレイした作品の印象は強かったように思います。
 単純に良作だっといったこともあるでしょうけれど(笑)。
 なかでも印象深かったのが1位に挙げた『この青空に約束を─』(戯画)。
 昨今の流れのひとつである、「細部に至るまで重厚に設定している」「読み応えある文章量」といったものからは離れたところに位置していると思います。
 むしろ現状の主流派であるそうした流れとは逆行するかのように、作中ではいろいろと「抜け落ちている」部分があったり。
 ただ、そうした足りない部分は、なにも工程上のミスで作り込みをしなかったのではなく、意図して穴を残しているように思えたのですよ。
 受け手であるユーザーの想像する余地として。
 もちろん、余地があるというのは「未完成」であるという意味ではありません。
 展開や演出など、非常に練り込まれた作品であることは言うまでもなく。
 ことにグランド・フィナーレ「約束の日」でのつぐみ寮寮生会合唱団の歌声は、見事と言うほか無くて。
 「歌」を用いるアイディアはなにも特別なものではありません。
 その一般的なアイディアを、しかし「歌声」を用いるというトコロまで昇華させたことにスタッフの心意気を感じるのです。
 作り手の主義主張を作品に投影することは大切なことかもしれませんけれど、それも過ぎれば毒にしかならず。
 作品とはユーザーのもとで完成されるモノであるということを表現して見せてくれたような気がしています。

 2位の『グリンスヴァールの森の中』(ソフトハウスキャラ)は、仕様書をキッチリと作ってその枠の中で精一杯に作り込んだというカンジがしました。
 まさに「システムの『ソフトハウスキャラ』」らしい作品だったかと。
 シミュレーション部分が主であるために、物語の部分がなおざりになりかねない不安定さがこれまではありましたけれど、今作では物語部分への力の入れ具合もしっかりと感じられました。
 甘さはまだまだ残っているかもしれませんけれど、それでも優しさを貫く作品姿勢は非常に好感です。
 初の起用となったG・むにょさんの絵も丁寧に描かれていて良かったと思います。
 2007年も2タイトル発売されることを考えられているようで、『王賊』の佐々木珠流さんの次はどなたが原画として起用されるのか楽しみでもあります。

 3位の『遥かに仰ぎ、麗しの』(PULLTOP)は、期待していた通りに良作でした。
 がしかし、いかんせん本校系と分校系というシナリオライターの別による展開の違いが、作品としての統一感を欠いたカンジは否めませんでした。
 うーん……。
 「どちらも好き!」という感想は見てないかなぁ……。
 結局、ふたりのライターを起用したら、「どちらが好き?」という命題に至ってしまうと思いますし、その問いにどちらか一方の名を挙げて答えてしまったら、残る一方のかたのお話を切り捨てることと同義……なのかも。
 ユーザーに「選ばせる」状況を作っているだけで、すでに損をしているような気がしてなりません。
 そんなわたしは本校系のお話のほうが好きでした。
 主人公主導の物語が途中からヒロイン主導の物語へ変化することで、お話に関わった人すべてが成長していくことを描いた物語であったからです。
 成長する過程にしても、偶然や成り行きで進むのではなく、何かを捨てる覚悟を持って新しい道を選ぶ姿を徹底していたことが好感でした。
 気持ちを曖昧なままに置き忘れたりせず、問題解決に際してはきちんと心と向き合って答えを選ぶ、その事実が次のステップへと続いているのですよね。
 最後にひとつ、残念といえばこの作品でも「歌(合唱)」が用いられているのですけれど、『この青空に約束を─』と違ってアイディア止まりだったのですよね。
 演出として、もう一歩先へと進んで欲しかったところです。
 CDに収録される「歌」と、作中のシチュエーションで歌われる「合唱」は、似て非なるものだと。

 4位は『めいどさん☆すぴりっつ』(Sirius)。
 世界がどうの、人の命が、生き方がどうの……などなど、重いテーマは扱わなくても物語はちゃーんとできるんだよということを証明してくれるブランドになってますねSiriusさんは。
 日常的な生活のなかでも、泣いたり笑ったりできる物語はあるのだと。
 今回は一つ屋根の下で生活することになった面々が中心の物語であったことで、仲間の絆が扱われていた点が好感でした。
 疑似家族モノって好きなのでー(ちと違いますけれど)。
 これまでよりゲームシステム面に凝った見せ方をしていましたけれど、そこはあまり機能していなかったような……。
 わたし的には、もっとゲームシステム面ではシンプルで良いブランドだと思ったりするのですが。

 5位はタイムループを扱った『Re:』(S.M.L)。
 タイムループものでは、繰り返される時間の中で本当に大切なモノはなにかに気付くという物語ラインが基礎になると思うのですけれど、今作でもそれはきっちりと押さえられていて。
 物語当初では浮ついていた感情も、時間を繰り返すごとに純化されていって──。
 そうした気持ちが精製されていく過程──過ちに気付き、良き未来をつかみ取ろうとする姿勢と覚悟──が劇的に描かれていて物語の質を高めているなぁ……と思うのです。
 タイムループという物語の本質を見間違えず、そのために必要な舞台を用意する。
 全体のボリュームは多くなくても、やるべき仕事はきっちりと果たされている。
 そんなカンジを受けました。


 プレイした作品数が少ないので2006年の傾向がどうであったのか、ちょっと判定できなかったり。
 んでも、ねこねこソフトやKIDの活動停止に代表されるような栄枯盛衰と、一部の大手ブランドに人気があつまる一極集中といった動きが顕著になってはいまいか……という感じを受けたり。
 あまり、こう、中小や新規ブランドが元気だったなぁ……とは感じられない年でした。
 まぁ、どこのソフトハウスもツンデレツンデレ言っちゃっては、そりゃ大手に流れるでしょうって気もします。
 たしかにツンデレなどはブームとして見逃せないキャラクター像でしたけれど、所詮キャラクター像はキャラクター像。
 キャラクターの一設定でしかありません。
 そのキャラクターは物語で動いてこそ魅力を発揮するものだと思うので、設定の部分でのみ喧伝されるような作品の作り方はこれ以上は大きくなって欲しくないと願っております。
 ……まぁ、最近はシナリオライターの名前でソフトが注目されたりする時代でもありますし、そんなに酷くはならないとは思いますけれど。
 ファンの付いているライターさんは、ツンデレなどキャラ設定の有無で評価が揺らぐような仕事はされていませんし。
 2007年は、原画家さん以上にライターさんの動向が気になる年になっていくかも……ですね。
 

【2005】
1位:群青の空を越えて       (2005年9月30日)
2位:Fate/hollow ataraxia     (2005年10月28日)
3位:ぱすてるチャイムContinue  (2005年6月17日)
4位:処女はお姉さまに恋してる   (2005年1月28日)
5位:ToHeart2 Xrated       (2005年12月9日)

 今年はゆとりができたので、かなり遊んだつもりだったのですけれども、存外、例年にくらべて微増というペースに落ち着きました。
 時間は有限ですし、個人のペースは変わらないってことなのでしょうか。
 それでもランキング結果を見ると、1年を通して遊んでいたなぁ〜ってことが発売日からわかりますね。

 わたしの2005年ベスト作品は『群青の空を越えて』です。
 軍事モノという特異なジャンルながら、骨太の筆致や詳細に作り込まれた世界設定など、ひとつの作品として業界のベースから大きく踏み出してしまっているのではないかと。
 もちろんただのミリタリーもので終わるものではなく、平和を渇望しながらそれを許されない若者たちの群像劇としても秀逸な作品です。

 2位は『Fate/hollow ataraxia』
 『Fate/stay night』のファンディスクという位置づけですけれど、既存のファンディスクという概念を越えてしまった作品ですね。これひとつで作品としての体を成しているわけで。むしろ続編といってよいかと。
 前作で描かれなかった部分──例えばサブキャラなどを活かすシナリオが用意されただけではなく、メインキャラの言動にもさらに掘り下げて描写を施すなど、作品に対するクリエイターの愛というか執念のようなものを感じます。
 そこまでできるということは、それだけ誇りを持って制作しているってことなのでしょうね。

 3位は『ぱすてるチャイムContinue』
 繰り返し作業をさして厭わないわたしとしては、ダンジョン探索型のゲームってハマりやすいんですよね〜。
 食事で言うと「ゴハン」みたいなもの? 毎日食べても大丈夫、みたいな。
 各キャラごとのシナリオは若干ボリュームに物足りなさを感じるところかもしれませんけれど、全体を通しての雰囲気は大変に素晴らしいものだと思います。
 この世界は穢いモノで溢れているのかもしれないけれど、その中にも守るべき美しいモノはあるのだよ。
 そんな大切なことを教えてくれているようで──。
 優しさを忘れていない作品作りは、ファンディスクの『ぱすチャC++』でも表れています。こちらは全編通して幸福感に包まれていますので、本編を好きになったかたには本当にオススメです!

 4位にランクインは『処女はお姉さまに恋してる』。通称『おとボク』です!
 いや、もう、2005年は愉しませてもらいました。
 疑似恋愛、百合モノっぽい雰囲気を漂わせながら、その実、正統派な恋愛絵巻を描いております。
 また学園モノとしての方向性も備えており、学園生活ならではのイベント面にも注目です。

 5位は『ToHeart2 Xrated』。PS2版の『ToHeart2』も2005年にプレイしているのですけれど、あえて『Xrated』版を。つまりは、追加されたささら先輩のお話を高く高く評価している次第。
 もともと三宅さんのシナリオが好きという部分もありますけれど、主人公・貴明の臆病さ、弱さを、恋愛という面だけではなく現実と向き合う姿勢までに昇華させている点を評価したいのです。
 自分という個人のみを考えて生きていた子どもの時代から、愛しい人を見つけてふたりで生きていくオトナの時代への変化とでもいいましょうか。
 通過儀礼がそこで描かれたわけではないのですけれど、三宅さんのシナリオには確かに「幼年期の終わり」があると思うのです。だから、切ないのですよね。


 作品ランキングとは別に、印象に残ったシーンを挙げるとするならば──。
 ・『群青の空を越えて』 バンカーバスターのシーン。若菜の悲壮な覚悟に涙が……。
 ・『Fate/hollow ataraxia』 最終決戦時のサーヴァントたち。特にセイバーの毅然と立つ姿に感動。
 ・『処女はお姉さまに恋してる』 エルダー投票時の紫苑さま。このシーンのために第1話をスキップできない(笑)。


 昨年感じた「新たな表現方法を模索した」流れというのは、2005年にさらに加速した感がありますね。
 ランクには入りませんでしたけれど、『PEACE@PIECES』などはSDキャラでイベント絵を用意したりして、メリハリの効いた展開を巧く演出していたと思います(2004年末発売の作品ですけどー)。
 またファンディスクが大きく取り上げられた年でもあったなと思います。
 俗に「勝ち組・負け組」の二極化が進んだ年とも言われていますが、ゲーム業界でも「勝ち組」となった作品に連なることで、安定した収益を見込むという手法が取られるようになってきたということでしょうか。
 厳しい業界ですものねぇ……。それも仕方がないことだとは思いますけれど、短編を用意しただけのファンディスクというのは、いかがなものかと思ったりもします。
 購買層の意識が攻撃的になり、いわゆる「祭り」状態が激しく乱暴になってやいまいかと心配する状況も。
 初回限定版などの入手に難民が出るという事態そのものは以前からありましたけれど、怒りの矛先がメーカーに向けられることが少なくないように思います。
 もちろんメーカー側が数量を用意するという努力の部分はあるにしても、ユーザーというだけであまり傲慢になるのも考えものかと。
 限定版・特典が欲しいのか、それとも作品が欲しいのか、ココロに問いかけ落ち着きたいトコロです。
 

【2004】
1位:CLANNAD    (2004年4月28日)
2位:Monochrome   (2004年8月26日)
3位:Fate/stay night  (2004年1月30日)
4位:巣作りドラゴン   (2004年6月25日)
5位:Quartett!    (2004年4月23日)

 今年後半は忙しくなってあまり遊べなくなってしまったため、年前半に発売された作品がメインとなってしまっています。
 それでもトータルで見れば、ひと月あたり1作品は遊んでいたことになりますので、まぁ良しとしましょう。
 来年はもっと遊びたいです。自分への経験値にもなりますしー。
 そんな中でわたし的本年ベスト作品に選んだのは『CLANNAD』です。
 待ち続けた甲斐のあった作品だと思います。
 『Kanon』『AIR』とヒット作が続いてプレッシャーもあったでしょうに、よくこれだけの作品を作り上げてくれました。
 方向性の好き嫌いは人それぞれあるかと思いますけれども、その表現力は着実に過去の2作を上回っていると感じました。語るべき物語を、スタッフの中でちゃんと整理・昇華できているのだなぁ……とカンジさせられます。
 ヒロインの多さは少し難ありな部分なのかもしれませんけれど、振り返ってみることで考えさせられる部分は各人にあると思います。「いなかったほうが良かった」と思わされるヒロインはいないでしょう。
 2位は『Monochrome』と続きまして、18禁ゲームではない作品のワン・ツーという結果に(笑)。
 というか、この作品を今年のランキングに挙げる人って少なそう……。
 人との距離、倖せの定義など、物語の主たるテーマがかなりわたしにはツボだったんです。
 天使のお話とか割と小難しい部分もあって決して多くの人に好かれる作品ではないと思いますけど、自分に迷っている人、誰かのために何かをしてあげたい人、そんな人たちにはオススメしたいです。
  語り人が必ずしも固定されていないところなど、昨今のライトノベルの風潮でしょうか。
 頻繁に視点が変わるため、ゲームという意識より、読み物の意識が強かったように思います。
 それだけに各人の心情などが分かりやすくなっているわけで。
 3位は今年大ブームを巻き起こした『Fate』
 とにもかくにも、この作品を抜きにしては2004年のゲームシーンは語れないでしょう!
 必ずしも立ち絵とイベント絵にとらわれない、これまでの業界作品より能動的・視覚的に練られた演出は、物語を盛り上げることにかなりの意識をされているとカンジました。
 お話そのものも既存の作品を越えた位置に達しているようにも感じました。奈須きのこサンがブレイクしたせいもありますけれど、今後の業界を見据えたとき、ひとつの転換点になった作品なのではないかと思います。
 4位は『巣作りドラゴン』を。
 ソフトハウスきゃらは安心して手を出せるブランドになったと思います。
 昨今はお話ばかりに注視してしまっている作品が多い中で、きちんと遊べるという部分を意識した「ゲーム」を作り上げるブランド様ですね。
 もちろんそんなゲームシステムを支えていくお話の部分も、丁寧に作られているところは好感なのです。
 今後とも、システムとお話を両立させた作品を作ってくれることを楽しみにしています。
 ちなみに、ノベライズの方も必見です。ゲームを補完する以上に、作品の感動を深めてくれると思います。
 ランキング最後は『Quartett!』です。
 こちらの作品もシステムとインターフェース面を高く評価します。
 とくにFFDシステムは、既存の作品を過去のものとしてしまうくらいに意欲的なシステムだと思います。
 「見せる」という意味では、現状、これ以上のシステムを目にしておりません。
 作り手側から強く働きかける演出として、多様な可能性をカンジさせるシステムでした。
 ゲームというメディアは、もっともっと表現力を成長させることが出来るんだ……と。

 今年は番外編は無しで。
 『ひぐらしのなく頃に』とかあったかもしれませんけれど、2004年末のところでは、あのタイトルについての評価はしない方向でおります。

 そんな2004年を総括すると、物語として深みを持つ大作指向の作品が主流を張ってきた上に、新たな表現方法を模索した作品が多くなってきたなぁ……というカンジです。
 どんなに物語が優れていようとも、テキストだけ、あるいは簡素な演出だけでは今後は評価を取れないのかも……と思ったりします。
 テキストメッセージ表示についても、さらに考慮する部分があるのかもしれません。
 もう、固定ウィンドウへ表示するだけでは怠惰と取られる時代に入ってきたのでしょう。

【2003】
1位:プリンセスブライド    (2003年9月26日)
2位:天使のいない12月   (2003年9月26日)
3位:こころナビ         (2003年6月27日)
4位:After...          (2003年6月27日)
5位:ブラウン通り3番目   (2003年3月28日)
番外:ダカーポ.P.S       (2003年10月30日)

 6月と9月、同日に買い求めた作品がそろってランクイン。
 未プレイですけど評判の高い『CROSS†CHANNEL』も9月26日発売なんですよね。
 そんな激戦9.26の中でわたしが選んだ作品は『プリンセスブライド』です。
 女の子は誰もがプリンセスだとするコンセプトは分かりやすくて、そして恋愛作品としても好感でした。
 登場人物も生き生きと描かれていて、1人の王子に選ばれる姫はたった1人という現実を前にしても、5人のプリンセス達はひるむことなく正々堂々と挑んでいきます。
 このプリンセスゲームの中で互いのプリンセス達はライバルなのですけれど、ただ引きずり落とす敵とは描かれず、互いを認め合う「好敵手」――真の意味でのライバルという描かれ方も良かったです。
 あとOP曲ED曲は必聴です。
 『天使のいない12月』は、ちょっと評価が難しい作品でしたね〜。
 倖せになる物語ではなく、通過儀礼の物語なのだと思いました。だからこそ、痛みをともなうというか……。
 非常に文学的薫りがする作品です。
 アコギを中心にしたBGMも素晴らしいです。心に詰まる切なさのような情緒を表現しているBGMだと思いました。
 『こころナビ』は昨今のWEB社会を、ちょーっとだけ皮肉っていながら、それでも夢のある物語に仕上げているところがスゴイと思いました。
 なんといっても、各キャラ倖せなEDが用意されているのが素晴らしいです!
 あのEDは、本当に嬉しくなるというか……。
 この作品もOPが良かったですね〜。何かが始まるといった、ワクワク感を呼び起こさせるといいますか〜。
 『After...』は、実は2度はプレイしたくな作品だったりします。正直、辛いんです。気持ち的に……。
 だけど香奈美の雪山ED(?)だけでも、この作品をプレイする価値はあると思います。
 あの雪山ED(というか香奈美ストーリー?)は、物語の構造的にすごく練られているというカンジがするのです。葛藤があって、そしてプレイヤーの意表を突く展開があって、それでもラストはこれしかない!というトコロに着地している……。とても良い物語だと思います。
 あの物語を記憶に留めることが出来るだけでも、評価する価値はあると思います。
 『ブラウン通り3番目』はシステム面を高評価してます。さすがソフトハウスキャラ様です!
 もっとストーリー的に分岐していたら良かったかな〜と思います。

 2003年の番外はPSで発売された『ダカーポ.P.S』を。
 というのも、わたし、PC版登場キャラしかクリアしてないんです(笑)。
 なので『D.C.P.S.』としては評価できかねるというかー。


 2003年を総括すると、当たり前といえばそうなのかもしれませんけれど、人との関わり方を考えている作品が多かった(良かった)のかもしれません。

【2002】
1位:Ever17          (2002年8月29日)
2位:こみっくパーティー    (2001年8月9日)
3位:RAGNAROK Online   (2002年12月1日)
4位:みずのかけら       (2002年1月26日)
5位:ロケットの夏        (2002年10月11日)
番外:月姫            (2000年冬コミ初売り)

 02年はこれまで考えられていた頒布/流通を越えた作品が目立ってます。
 がしかし。作品として1番に評価するのは『Ever17』になりました。
 んー……。この作品の物語性というか奥深さはかなり学習能力を必要とする気がします。
 システムは特徴少ない(言い換えれば安心感ある)テキストリードの形式ですが、2人の主人公を扱った意図がちゃんと物語に組み込まれている点が興味深い驚きを与えてくれました。
 『こみパ』はPC版プレイ済みのかたには今更な感はありますが、DC版はDC版で味わい深いものがあるですよ? あの操作は(笑)。自分の技量が上がっているんだなぁ……と直視的に感じさせてくれます。アイディアの勝利。
 DC版オリジナルキャラのすばるも破壊力バツグンでした。
 で、ようやく3位の『RO』でオンラインゲームが。
 プレイ時間なら上の2作品以上かもしれないのですが、正直オンラインゲームは辛い点数を付けざるを得ませんデス。1つのパッケージング、1つの商品、そして1つの物語としては未完成どころかそうですらありませんので。難しいところですけれども。
 ところで、これ、来年もプレイしますが、ランク入りさせるんですか?(笑)
 『みずのかけら』の発売日は、オンライン配信開始日です。CD版の発売は8月9日。
 ともあれ、これだけの質の作品が1000円という破格の値でオンライン配信されたことには衝撃を受けました。
 『RO』もそうですけれど、オンラインというのがこれからの流れの1つになったことは間違い無いですね。高いだけでヘタな流通作品にはこれまで以上に厳しい評価が下される時代になってきました。
 『ロケットの夏』は題材的にスマッシュヒット?
 SFって敬遠されがちな題材だけに、それに取り組んだ作品というだけでもわたくし的には「買い」なわけで。そういえば1位の『Ever17』も、サイエンスつながりではありますね。
 まあ、しかし、そうした科学考証重視という姿勢は感じさせず、それよりは人間関係に重きを置いた物語に仕上げているのも好感触でした。
 で、今年の番外は『月姫』を。
 同人作品を他の商業作品と同列に扱って良いのか分からなかったのですが、それも今年までですね。もう『月姫』が引っぱっていった同人ソフト市場は、質の面では商業のソレと変わらないところまで成長してしまいましたから。
 それにしても00年発売だったんですか。
 自分、去年、一昨年は同人誌で楽しんでいたクチです(笑)。

【2001】
1位:家族計画           (2001年11月2日)
2位:AIR              (2000年9月8日)
3位:サモンナイト2        (2001年8月2日)
4位:逆転裁判           (2001年10月12日)
5位:サクラ大戦3         (2001年3月22日)
番外:HAPPY★LESSON   (2001年4月26日)

 ようやくPCソフトも抵抗無くプレイしはじめてますね〜。
 そんな中でプレイした『家族計画』は、もうメチャメチャ感動しましたデスヨ!
 テキストの秀麗さには驚きます。娯楽としての文章の意義を心得ているのだと思います。
 あと、各ヒロインルートに分岐したあとでも、他のヒロインの生き方が丁寧に描かれているのも良かったです。
 昨年の『Kanon』の流れで、『AIR』を年初にプレイ。
 な……泣かされた……。切なさでは他の追随を許さない完成度です。
 けど、各ヒロインをきちんと消化しきってないので、2位に。
 『サモンナイト2』はキャラが可愛いですよねー。システムも単純なだけに、何度遊んでも飽きが来ないというか。
 画面の色合いとか、シナリオのつなぎ方とか、とても完成された作品だと思います。
 そしてGBAの『逆転裁判』! キターッ!てカンジですよ、このシステムというか、ノリというか(笑)。
 「異議あり!」を出したときは爽快ですよね〜。全シナリオ4話というのも、適当なんでしょう。
 シリーズ中、システム面では一つの完成に至ったカンジがあります『サクラ大戦3』
 プレイしている中での煩わしさはほとんど無かったですし、やりすぎな感じもしないでもない演出の一本調子も、これはこれで定番と言えるのではないでしょうか? 安心して体験することができるというか。
 番外は『HAPPY★LESSON』を。『シスプリ』より電波具合は飛び抜けていると思います(笑)。

【2000】
1位:ガンパレードマーチ        (2000年9月28日)
2位:Kanon               (1999年6月4日)
3位:夕闇通り探検隊          (1999年10月7日)
4位:デュープリズム          (1999年10月14日)
5位:WorksDOLL           (1999年2月25日)
番外:メタルスレイダーグロウリー   (2000年11月29日)

 99年発売作品が多いですね……(笑)。
 何はともあれこの年は『ガンパレ』でした。
 他に類をみないゲームシステムや、奥深い世界観、魅力的なキャラクターたち……。ウェブ上でプレイヤーが謎を語ることで「何か」が広まっていく感覚を得られました。
 『Kanon』は友人から借りていながら放置してあったものを、気まぐれでインストール。そしたら見事にハマりまして、自分でもソフトを買い求めてました。
 PCゲームの見方が変わりましたですよ。
 『夕闇通り探検隊』は、雰囲気がすごく良いです。
 誰もが体験したことがあると錯覚できるような中学生の頃の描写が。
 あと、ウワサを辿っていくというシチュエーションも、わたくし的に◎です。
 小粒ながら『デュープリズム』も良かったですよ!
 演出としてのカメラワークなど、実験作(?)ということもあってか斬新。
 こういう演出って、後に活かしてほしいです。あと音楽はマイベスト・スクウェアです。
 『WorksDOLL』は人形を育てるというシチュエーションがっ。
 画面上をピョコピョコ歩いているドールたちが可愛いです。オート進行なのも技術的に高評価します。
 番外はかつて91年にHAL研から発売された『メタルスレイダーグロウリー』を。
 ローソンの書き換えでディレクターズカット版があらためて発売されたのですよ〜。