○● ゲーム日記帳 ●○
2008年【1】

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5月12日  そんなこんなで『PrincessFrontier』 クリア〜。

 全体的にイベントのテンポはとても管理されているな〜という印象。
 1イベントのワード数って70前後に落ち着きませんか?
 PCゲームというより、コンシューマーのギャルゲをプレイしているカンジを受けました。
 システムは時折選択肢が現れる一般的なAVGですけれど、このイベントのテンポであればユーザーに移動先を指定させるような(例『To Heart』)システムでも十分成り立つように思います。
 コンシューマ化のあかつきには、思い切って変更してしまうと吉かもとか思ったりして。


 えーっと、で、まぁ、都から遠く離れた辺境のポルカ村で巻き起こる日常的な事件の数々はそのようなテンポで小気味良く進むワケですけれどもー。
 小気味よく進みすぎて、それぞれに重みみたいなものはあまり感じなかったかなー。
 「面白いイベント」ではあったけれど、「引き込まれるイベント」ではないっちうか。
 どこまでいっても日常的という世界の枠を越えてくれない平凡さ――退屈さと言い換えられるかも?
 それが持ち味かもしれないですけれど、あまりに抑揚に乏しい世界ではなかったかなぁ……。
 「辺境の村」「田舎暮らし」といったキーワードに振り回されすぎてないかなーと。


 がしかし、その「辺境」とか「田舎」という部分については疑問も残ったりして。
 アルエもそうですけれど、都から割と人の往来は頻繁に描かれていたりしますし、なにより商人が訪れて市まで立ってしまうのですから、あまり「辺境」だとか「田舎」だという地理的デメリットが描かれていたようには感じられないのですよー。

 これら「辺境」という位置づけも含めて、各所の設定が中途半端に持ち込まれているなーという印象も受けたりして。
 物語の展開で都合良く設定が持ち出されるっちうか。
 んー……。
 統一感が希薄だったってことなのかなぁ……。


 そして日常的イベントを経て各ヒロインルートに入ってからのまとめかたについてはさらに疑問。
 結末に向けての主人公の基本的スタンスが「ヒロインのことを信じて待つ」なんですもん。
 えー??
 いや、まぁ、それも忍耐力が必要とされる立派な試練かのかもしれませんけれどー。
 でも基本「待ち」の姿勢って、むしろヒロインの側じゃないの??
 ふたりを結ぶ最終的事態に対して戦っているのがヒロインっていうのはどうなのかなー。
 主人公は事態打開に対して積極的に動いてこそなんではないの〜???

 そんな中で主人公が積極的に動く数少ないルートでは、反則ワザを繰り出す敵に対してこちらもそれを上回る反則ワザを繰り出してゲームを成立させなくするという手法で解決っていうのも納得いかないっちうか。
 脱獄から逃亡、密輸、密入国。
 そういうアウトローな手法で解決しても、わたしは全然誇らしくないんですけれど。

 相手が卑怯で卑劣な手で主人公たちを追いつめるのは当たり前。
 だって、それこそが「悪」の存在理由なんですから。
 でも、だからといってこちらも法を犯して「悪」をぶっつぶして、それでなにが正義?
 つまりですね、たとえば「国境を守る警備隊の隊長」などという矜持も「ヒロインのため」という理由で都合良く改編されてしまっているワケですよ。
 うーん、うーん、うーん……。
 ことさらに正義を謳っているワケではないにしても……なぁ(TДT)。



 そんなところで恒例のヒロイン好感度、いってみよっ。

 ミント > ロコナ >> レキ >> アルエ

 ミントは恋心を認めるまでの経緯が可愛かった〜。
 人生の目的があるからと自分の気持ちを縛っていながら、実はそうなのかも!?と気が付いてあわてふためく様が。
 そういう気持ちの移ろいを描くのって、ほんっと物語してるって思うわ〜。
 ふたつあるエンディングについても、他のヒロインに比べて悲壮感が少ない……っちうかほとんど感じられないところも好感。
 少なくとも、未来へ向かってマイナスには動いてないなーと感じられたので。


 ロコナも意識し始めてからのヤキモキした展開が微笑ましくて◎。
 でもラストに向かっての流れは先述のとおりでどうにも納得いかないのデスヨ……。
 一方のエンドでは「あなたが選んだ道ならわたしは応援するわ」的に問題と向き合っていたとは思えないですし、もう一方ではみんなが団結して解決しようとする積極策は好感できてもそれがルールを犯す方向で団結するだもんなぁ……。
 ラストのロコナが可愛かったから良かったものの、そのあと待ち続ける主人公の姿勢にはイラチ。
 ふたりはそのまま出会えずに年月が過ぎて老いて死ぬ……という結末もあり得たわけですよ、主人公が動かなかったせいで。
 その選択と結果が、どうにも緩すぎないかなぁ……と。


 レキのあたりまでいくと、カップル成立してからの浮かれっぷりについて微笑ましく思うところを越えて周囲の見え無さにイラチ。
 最終的問題について、突然襲ってきた災難というより起こるべくして起こったというか自業自得というか……。
 そういう意味で同情できない事柄に対してあわてふためく様を見せられてもなぁ……という印象が。
 恋人同士になったふたりが浮かれるのもわかりますけれど、レキはレキで人生において大事な時を迎えているわけでしょう?
 そこで相手のことを思いやれず欲望に身を任せてしまうようなアホさ加減は救いがたいっちうか。
 そういううわべの気持ちで物語を転がすのって、つまりこのお話って「王道」ではなく「ベタ」なのだと思うー。

 ところで神官が結婚してはいけないっていうルール、どこかで出てきてましたっけ?
 そこが最大の難関であると言い出すなら、そもそもレキと結ばれるその最初に心に留めておくべき問題だったような……。
 ここでも都合良く設定が浮上している感があるんですよねぇ……。


 アルエは……んー……んんん??
 結局、ふたつあるエンディングのどちらにおいても問題は解決されていないのだと思うのですよ。
 盗んだバイクで走り出す、で終わるのは若さでしかないと思うー。
 そういう刹那的な行動で終わらせて、未来に対しての閉塞感を抱かせるというのもアリかとは思いますけれど、たぶん、きっと、そういう方向では無いと感じるんですよねー。
 作品全般に通された緩やかさにおいて。

 この作品が『PrincessFrontier』であり、そしてアルエが王女という立場であるなら。
 でもって不幸な出来事による左遷から始まった物語であるなら、少なくとも凱旋を果たすくらいの「成果」を挙げて王女を迎えるべきでは?



 コンシューマー的な気軽さでイベントを消化できても、ラスト、物語としてのカタルシスを備えていないのであれば、それはやはり手法を間違えているのではないかなーと思った次第。
 物語はたしかに、その中で生きる主人公ほか登場人物のものかもしれないけれど、でも作品として見せるのであれば「読み手」への意識をもっと払うべきなのではないかなーと。
 それがエンターテインメントってことだと、わたしは思うのです。

 良かったところは「日常」という名の「普通っぽさ」ですけれど、悪かったところも同じところにあるような。
 なんともモヤモヤした気持ちが残ってしまった作品でした。
 

4月19日
 
 感想記すまでに時間かかってしまいましたけれど、『キラ☆キラ』 CLEAR!

 もうねもうね、さいっこうにクソッたれでファッキンなロックンロールでした!

 若さでしか動けない時間を生きるオトコノコとオンナノコたちが世間という現実にぶつかって思い悩む厳しさを描いているワケですよ。
 そこには優しい奇跡も都合の良い魔法もなくて。
 主人公の鹿之助たちは、望もうが望むまいがその現実を認めるしかないんですよ。
 そこに歴然として立ちはだかっているんですもん。
 たとえそれを見ないことにしたって、そんな現実の周りをウロウロとするだけ。
 だったら真っ直ぐに見据えて、正面からぶち当たってみたらいいんじゃないの? つーか、ぶちあたっていけよ。そして死ね! FUCK! ……みたいなお話?(笑)


 辛くて大きすぎる問題の前には、鹿之助たちは無力で小さな存在なんですけれども。
 でも「無力であること」と「力を出すこと」は全然相反しないことなんです。
 結果なんて考えないで。
 いま、今日この日を生きる自分を誇れるように。
 明日のことや、まして1年後10年後のことなんて知ったことではないのです。
 ノーフューチャー!

 楽しければいい……って言葉がありますし、そういうニュアンスを含んでいる部分もあるとは思うのですけれどもー、けっしてそれだけではないような気もするのです。
 楽しくても怠惰であってはいけないといいますかー。
 声がかれるまで叫び、足が棒になるまで高く高く遠く遠くへJump!
 はいつくばって泥水をすすろうとも、過去を引きずりながら生きようとも、いまこの一瞬に輝きを求めるっちう。

 うひゃー。
 シリアスでヘビーな文脈で貫かれていたのも、昨今の作品には珍しかったような。
 都合の良い真実とは袂を分かって、不都合でも誠実な(そして厳しい)現実を大切にしていたといいますか。
 オールハッピーではないですけれど、でもハートに刻みこむだけの想いが詰まっているっちう。
 ここで描かれていることから目を背けては、人間として負けてしまう気がして。
 どれだけツライことだとしても。


 全体の構成も好きでした。
 廃部が決まっている部のメンバーでバンドを作って、きたる学園祭で最後の花火をあげよう!という出だしからして、もう。
 そのあと、なりゆきで全国ツアーに行くことになってしまうというのも面白いっちうか。
 そこから人生が動き出していると第三者の目からは見えるのですけれど、それでも結局は「自ら動かなければドラマは始まらない」ということですし。
 そういう意志があるから、わたしもワクワクしちゃうんですね〜。



 でもって恒例のヒロイン好感度〜♪

千絵 >> きらり ≧ 紗理奈

 ほかのふたりに比べると物語のスケールでは千絵姉は若干引いてしまっているようにも思うのですけれどもー。
 それでも千絵姉の人柄や雰囲気の良さは、そんな物語の規模の差をおぎなってあまりあると思ったりして。
 年上の女房は金の草鞋を履いてでも探せとはいいますがー。
 もちろんそんな「1年の経験差」だけが千絵姉の魅力ではないと思います。
 持って生まれた人格だと。

 鹿之助と付き合うようになって見えてくる「わがまま」な部分も可愛く思えてしまう罠(笑)。
 こういう心情の変化?機微?が好ましくかつさりげなく描かれているのですよね〜。


 きらりはやぱしメインストーリーとして成立する重厚さが印象深くて。
 彼女の身に重大なことが起こってしまう「きらり エンド1」こそが今作で描きたかったことではないかと思うのです。
 それは彼女も、そして鹿之助にも、とても大変なことを強いるお話ではありましたけれど。
 だけれども、その重さから逃げることも目を背けることもせずに、果敢に立ち向かっていった印象が素敵すぎ。
 奇跡も魔法も無いけれど、苦難を乗り越えることはできるのだと。
 そんな鹿之助の姿がまぶしくてまぶしくて。

 いっぽうの「きらり エンド2」は、そこで満足いくことのない「ハッピーエンドをエンターテインメントの基本ライン」だと考えている向きへ贈られた用意されたモノだと思うのですがー。
 だからこそ、むしろシニカルな目線が入ってしまっているっちう。
 主人公は自助のみで苦難を乗り越えることができず、代わってヒロインが閉じこもっていた殻を脱却して高みに届き、そこから主人公の手を引いて導いていってくれるという。

 このエンドを迎えたとき、はじめは主人公ではなくきらりに変革が訪れたことに強い違和感をおぼえていたのですよ。
 物語の軸がシフトされてしまったといいますかー。
 でも、エンド1との関係を考えてみると、ああ、これはアンチテーゼなのだなぁ……と。

 だいたいですね、数年後に学園を訪れてみたときに後輩たちから「先輩たちは伝説になってます!」て言われて悪くなく思っている時点で終わってるっちうか。
 ロッカーが伝説になるのは死んでからだっつーの! つーの!(><)
 言い換えればこのときすでに鹿之助は死んでいると思うのですよ!
 三流大学の学生は就職のために人付き合いを大切にしないと……なんて、全然パンクスじゃないよ!

 ……まぁ、そこまでカンジさせることを含んでいるこのエンドはこのエンドで、「存在価値」として意味あるものだったなぁ、とは思いますけれどー(苦笑)。


 紗理奈っちうか、かっしーのお話も、正直悪くは無いと思うのです。
 明確な答えをつかんだというワケではないあのラストも、少なくとも鹿之助が少しずつ世界の有り様を感じ取りながら成長していっている姿を描いていると感じられるので。
 その過程は鹿之助に対して「甘い」処置なのかもしれませんけれど、そこは「優しさ」であると受け取るべきなのかなーと。
 鹿之助がかっしーのために全てを賭けているからこそ、手が届いた優しさという意味で。

 たとえば『TH2 AD』でのささらシナリオでの貴明は、あのラストで諦めを見せていたように感じるところがわたしには不満なのですよねー。
 それは現実を理解したとも言い換えることができるかもしれませんが。
 その点、鹿之助は諦めてないとハッキリわかるので、そこが……ね。
 もちろん貴明の例と比べるまでもなく、それはいまだあの段になっても現実を理解できていないと言えるのかもですけれど。
 でもツマラナイ現実を受け入れることでしか大人になれないのなら、子どもとレッテル貼られても甘受しようって気になりませんか?ということで。
 むしろ、そんな大人にはなりたくねー!ってことで。
 うわ、ロック!(笑)



 簡単に幸せな気持ちになれる作品ではなくて、むしろ重い気持ちを背負わされてしまう作品でした。
 んでも、だからどうなのと問いかけっぱなしでもなく、答えを探すために一緒に歩こう!と誘ってくれている。
 クソッたれな世の中を力強く生きていくための、パワーをね、もらえるような。
 負けるもんか!
 そんな気持ちにさせてくれる最高にファッキンな連中でした。
 大好き!(≧▽≦)
 

1月28日
 
 『こいびとどうしですることぜんぶ』 CLEAR!

 甘いっ……んだけれども、人を愛したことの責任ってことを考えてしまったわー。
 「好き」というだけで世界が許してくれるハズもなく。
 であるならば世界に認めてもらうためにはどうすればいいのか。

 さらにはその世界を生きるのは愛し合う自分たちふたりだけではなく。
 自分たちと、自分たちにつながる人々すべてを含めて世界なのだと。

 もちろん愛する人がそばにいてこそ、世界は素晴らしいものに思えるワケで。
 愛する人がいる世界。
 だから、どこまでもいとおしく思うのかなーって。


 「甘い」というのは、愛し合うふたりに対しての言葉じゃないような気がするのです。
 「甘い」の、この世界。
 そんなに都合良いことばかり起こるはず無いのに、二人は困難を乗り越えていってしまう。
 それを「甘い」と思うのです――けれども、ね。
 「甘く」て良いのではないかとも思うのです。
 世知辛い世の中、夢や希望を見失いがちな現実。
 それを描くことが本旨ではなかったでしょう。
 むしろ、愛があれば、愛する人がいれば、そんな世の中も薔薇色に映るし、満ち足りて生きていける。
 そういうメッセージがあるのではないかと思うのですよー。


 まだまだ社会人としては幼いふたり。
 どうしても足りない部分が出てきます。
 そうしたとき、自分たちだけで無理することなく、他者からの助力を仰ぐことの恥を受け止める覚悟をふたりは持っていて。
 その姿勢が立派だと思うのですよー。
 恥をかくことよりもなによりも、ふたりが一緒にいられるためになにをすべきなのか。
 その優先順位をきちんと理解できているところが。
 それを「覚悟」と言うのだと、わたしは思うのです。


 ……余談ですけど『CLANNAD』の汐編での朋也は、そうした覚悟がわかっていなかったのではないかなー。
 あのお話で汐が傷つかなければいけなかったのは、もう、全面的に朋也の責任。
 玖羽が倒れたときに陽介がとった行動を目にして、そんなふうに考えてしまいました。



 当初は玖羽とイチャイチャするだけってのはツライかも……と思っていたのですけれど、いやいや、そんなことはまったくなくて。
 愛し合うふたりが経験していく数々の困難が、丁寧に物語となっていて。
 いま時分、1年間を通して描く作品って少なくなっていると思うのですけれど、それが出来てしまうのも今作の特徴ではないかなー。
 愛するふたりが経験するイベントは、1ヶ月やそこらの時間で収まるようなものではないですし。
 夏なら夏の、冬なら冬のイベントがあるわけで。
 そうした折々の出来事を描ききった保住さん田中さんの筆致……大好きさ!(≧▽≦)



 えっと、それで、恒例のヒロイン好感度なのですけれどもー……

玖羽

 ……しかいないのですよねぇっ!(笑)
 でも、一般的なヒロイン像と照らし合わしても、かなり良かったと感じております。
 がんばるオンナノコが好きー!

 脇を固めたキャラも好感度高し。
 つかちーとかとどちゃんとか、玖羽と陽介を見守るスタンスが素敵すぎ。
 あと航路もね。
 男主人公に対して、気の置けない男友達が登場する作品って好きかも。
 うーん……。
 女友達しかない男主人公って、どこか嘘くささを感じてしまうのですよー(^_^;)。


 と、まぁ、そんな次第で満足できた作品でした。
 ほんっとSIRIUS作品との相性、いいなー(笑)。
 次回作も期待してまっす!
 

1月11日
 
 『世界でいちばんNGな恋』 CLEAR!

 うは〜。
 人情味にあふれた素敵なお話でした。
 ヒロインがそれぞれに「NG(ダメ)な恋」にのめり込んでしまうわけですけれどもー。
 ダメだからダメなんて切り捨ててしまっては、それこそ社会は冷たく暗い場所でしかありえなくなるわけで。
 ちうか、あまりにNG恋すぎて見るに見かねて手を貸してしまうというカンジ?

 いろいろとダメなのはわかります。
 でも「社会的にダメ」であるからといって「恋することすら許されない」ワケではないと。
 キーヒロインである美都子ちゃんの中間エンドでのご隠居の台詞が泣けるわ〜。
 「いつかあのふたりだけではどうにもならないことがある。そのときはあっしらがあのふたりの助けになってやりましょうや」……だっけかな?

 本当なら諸手を挙げてふたりを祝福してあげたい。
 だけれどもご隠居たちにだって「世間体」や「倫理観」がある。
 それでも、本当にふたりが二人で居続けて、それでも八方ふさがりになってしまうようなことがあれば、そのときは自分たちも覚悟を決めようという気概。
 それを損得勘定だとか人間の弱さだと言ってしまうのは簡単だけれど、そんな弱さがあるからこそただの脇役以上の人間味が描かれるのではないかなぁ。


 派手さが無い?
 違う違う。
 それは見方が逆。
 世のエロゲのどれだけが、設定でドラマを作っているかということ。
 設定に頼らず、人の心の動きでドラマを作る。
 そういうことなのですよ〜。



 で、恒例のヒロイン好感度ですがー。

美都子 >≧ 姫緒 ≧ 夏夜 >>> 麻美

 もう、美都子ちゃんを抜きにしては『NG恋』は語れないでしょう!ってくらい。
 彼女のためのお話であったというのは、二段階のラストを用意されているところからもわかるかなー。
 『ダメ恋』という意味が彼女だけ「世間が許しはしない」というところにかかっている点もお話に重みを与えているのかも。
 でも、それだけ障害が大きければ、当然、物語の深さも相当なものになるワケで。
 最終エンドの怒濤の展開は、これまでの流れで約束された結末なのかもしれないけれど、ものすごく感動できました。
 そのラストは予想できたとしても、期待までも叶えてくれたというのであれば言うことありません。
 彼女が倖せにならなきゃ、嘘だよね……ってくらい!(≧▽≦)


 姫緒さんシナリオは会話のテンポがほかのヒロインに比べて絶妙だったという印象が。
 これはもう姫緒さんの性格に依るところが大きいかな〜(笑)。
 加えてお話の規模の大きさが桁違いなところもワクワク。
 「笑ってない。目が笑ってないよねえ芳村くん!」
 課長(部長代理だっけ?)、心痛、お察しいたします(笑)。

 理くんは自分にできることできないことを区別しないで他人が困っているなら「やらなければいけないこと」として受け止めて突っ走る。
 そんなまぶしい真っ直ぐさが際だっていたお話だと思います。


 夏夜さんは、シナリオ展開よりはその男気に惚れた〜。
 ヒロインの中ではいちばん世間と道理を知っている人だと思うー。
 だからこそ、誰かのフォローに回ったときの言動が頼もしいったらないね!
 ……そういう人が結局は貧乏くじを引いてしまうのも世の常なのですけれども(T▽T)。


 麻美さんはー……。
 まぁ、美都子ちゃんの当て馬っていうかー(^_^;)。
 でも彼女が持つ秘密こそ、このお話の根幹に触れるところでありますし、彼女の存在が無ければお話がスタートしなかったのですよね……。
 いえ、そういうスタンスにいるから、彼女は中心にはなれなかったとも思うのですけれどー。



 当初は主人公・理くんのダメっぷりが自分に跳ね返ってきてしまって凹んだりもしましたけれど、ああ、しかし彼はすごいです。
 わたしなんかと同じダメ人間なんかじゃなかったです。
 他人のために自らを犠牲にできて、大切な人を倖せにするためなら世界だって敵に回す。
 そんな彼であったからこそ、ヒロインだけでなくわたしも好きになれたんだなぁ……。
 彼のような人間になりたい、そう思えるくらいに。

 世界に倖せはある。
 それはきっとわたしにも見つけられる。
 そんなことを信じられる作品でした。

 丸戸さんと企画屋さんたちの次の作品を楽しみにしています。