○● 読書感想記 ●○
2008年 まとめ

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 2008年、感想をアップした本の数は、120冊。
 そして感想をアップできなかった作品が21冊の、計141冊を読了いたしました。
 うーん……。
 年を経るごとに読了数が減ってきてしまっていますねぇ……。
 そして反対に積読冊数は増えていっているという(現在20冊強?)。

 んでも読書時間が減っているかといえばそうでもなく、気に入った本を読み返すことが増えたような気がします。
 ちょっと時間が取れたので本を読みたいのだけれど……そんなとき新しい本に手を出すのは躊躇われるのですよー。
 確実に、絶対に、良い気持ちになりたい!ということでもあるので(苦笑)。


 でもって読了した本について認定をしたのが、49冊(著者数 28名)でした。
 2008年は有川浩センセと樋口有介センセを読みあさりましたね〜。
 林トモアキせんせと三浦勇雄センセは安定して読み応えを感じましたし、新しい人では深山くのえセンセと出会えました。

 そんな2008年を評してみると、WEBとの関わりが深まったラノベ界隈ではないかと。
 WEBサイトを作中に取り上げる作品が目立ったり、WEBで発表した作品が話題を呼んだり。
 WEB小説に関してはようやく?というカンジでもありますか。
 携帯小説の方向ではなく、書籍媒体のフォーマットでの作品という意味ですが。

 ラノベ原作のアニメ作品も目立った年でありますし、ニュースサイトがその原作であるラノベというジャンルへ注目し出すというのも当然かなと思います。
 またラノベのほうでもここまで多種多様に作品が上梓される中で埋没しないようにするためには差別化できる色を持つことが考えられたのではないかと。

 でも、です。
 個人ニュースサイトと関わりを持ったり、同業者同士の横のつながりをパロディ化したり、「萌え」文化のエッジだったり最先端だったりする部分を材料にするのも面白いのかもしれませんけれど、それって楽屋オチに落ちてしまう危うさもはらんでいるなぁ……と思います。
 目新しい奇抜さや、知っている人だけ笑ってくださいというような限られた世界へ向けてのアピールは、長い目で見たときライトノベルの業界にとって良い傾向ではないなーと。
 そうでなくとも各出版社が催しているグランプリには、「商品化への布石の有無」が昨今重要視されているような気がしてならないので……。
 面白さとはなんなのか。
 それはエンターテインメントにおいて永遠の課題なのかもしれませんけれど、少なくとも限られた人にしか享受できないようなものではないと、わたしは思うのです。


 で、2008年にとしたタイトルの中で、さらにLOVE!な本を挙げるとすると……
 

『とある飛空士への追憶』 犬村小六 著
『ブルースカイ・シンドローム』 一の倉裕一 著
『太陽で台風』 はむばね 著
『戦闘城塞マスラヲ Vol.5 川村ヒデオの帰還』 林トモアキ 著
『武士道セブンティーン』 誉田哲也 著

 ……以上の5冊でしょうか。

 誉田センセは得意の警察小説の分野でもその地位を確実なものにしてきていますし、そこへきて女の子を主人公にしたジュブナイルを描けるという可能性も見せてくれました。
 今年は何か大きな賞を取ってくれたりするのではないかな〜と期待しています。

 そして2008年で印象に残った台詞をひとつ挙げるとすれば――

「舐めるなよ帝国三番姫!!」
(『ミスマルカ興国物語T』 林トモアキ 著)

 ――です。
 台詞に限らず林センセの筆致はホント好みです。
 『戦闘城塞マスラヲ vol.5』は2008年でいちばん泣いた本かも。
 次点で『とある飛行士への追憶』かな?

 2009年も、そんなふうに感情を揺さぶられる素敵な作品と巡り会えますように。
 

■■ 2008年 My Favorite! ■■

林トモアキ
『戦闘城塞マスラヲ vol.3 奇跡の対価』
『戦闘城塞マスラヲ vol.4 戦場にかかる橋』
『ミスマルカ興国物語T』
『戦闘城塞マスラヲ Vol.5 川村ヒデオの帰還』

三浦勇雄
『聖剣の刀鍛冶』
『聖剣の刀鍛冶2』
『聖剣の刀鍛冶3』

片山憲太郎
『紅 〜醜悪祭〜(上)』

小川一水
『妙なる技の乙女たち』

犬村小六
『とある飛空士への追憶』

早狩武志
『群青の空を越えて Gefrorenes Ideal』

沖田雅
『オオカミさんと毒りんごが効かない白雪姫』

壱乗寺かるた
『待ってて、藤森くん! 4』
『放課後トロイメライ』

萬屋直人
『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』

有川浩
『図書館内乱』
『図書館危機』
『レインツリーの国』
『阪急電車』
『別冊図書館戦争U』
『ラブコメ今昔』
『クジラの彼』

舞阪洸
『鋼鉄の白兎騎士団Y』

元長柾木
『荻浦嬢瑠璃は敗北しない』

似鳥鶏
『理由あって冬に出る』

扇智史
『塔の町、あたしたちの街2』

樋口有介
『ぼくと、ぼくらの夏』
『枯葉色グッドバイ』
『林檎の木の道』
『ともだち』
『海泡』

足塚鰯
『ピクテ・シェンカの不思議な森 王都の夜と婚約者』 
『ピクテ・シェンカの不思議な森 ひねくれ執事と隠者の契約』

柏葉空十郎
『桜田家のヒミツ 〜お父さんは下っぱ戦闘員〜』 

辻村深月
『名前探しの放課後 上』

誉田哲也
『シンメトリー』
『武士道セブンティーン』

三浦しをん
『仏果を得ず』

本宮ことは
『掲げよ、命懸ける銀の剣 幻獣降臨譚』 

一の倉裕一
『ブルースカイ・シンドローム』 

深山くのえ
『舞姫恋風伝』 
『舞姫恋風伝 〜廃城の反乱〜』
『舞姫恋風伝 〜花街の迷走〜』
『舞姫恋風伝 〜花片小話〜』

海堂尊
『ジーン・ワルツ』

枡田省治
『ハルカ 炎天の邪馬台国』

桜庭一樹
『私の男』

はむばね
『太陽で台風』

森田季節
『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』

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