○● 読書感想記 ●○
2007年 まとめ

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 2007年、感想をアップした本の数は、160冊。
 そのうち【My Favorite!】認定をしたのが、50冊(著者数40名)でした。
 予想はしていましたけれど200冊越えは無理でした……。
 それでもなんとか100冊を目指して、そこからさらに150冊を目指して……というふうに読み進めて、なんとか160冊。

 読書に割ける時間が減ったというのはありますけれど、新人さんに手を出さなくなったところがありますので、そのあたり、総数の減った理由のひとつなのかもー。

 とある本によれば2007年にデビューした新人ライトノベル作家さんは90名にものぼるそうで。
 新規レーベルも増えましたし、むべなるかな。
 しかし、そうなると、うーん……すべてはさすがに追っていけないといいますか……。

 そんなラノベ戦国時代にあって、わたしが2007年新人賞をあげたいセンセは、電撃文庫から『扉の外』でデビューした土橋真二郎センセです。
 一昨年の片山憲太郎センセも同様に言えるのかもですけれど、ラノベでありながら社会性に通じている部分を組み込んだ作品を好みに思う傾向がわたしにはあるみたいで。
 それも多少の「毒」をはらんだ社会性を。
 裏返した物言いになってしまうかもですけれど、そうした「毒」が描かれるからこそ、普段は見えていないこの社会の中の「倖せ」が浮き上がってくるように感じるので。


 ほかに2007年を振り返ると、文庫サイズ以外でのラノベ作家さんを見かける機会がやはり増えてきたなー、と。
 もはや越境というだけではくくれない動きのように思うのですけれど。
 桜庭センセなんて文学賞に名が上がることが当たり前になってきているくらいですし。
 これを「ライトノベルからの卒業」ととらえるのではなく、相互の垣根が取り払われつつあると受け止めるほうが精神的に良いのかなー、とか。


 で、2007年に【My Favorite!】とした以下のタイトルの中で、さらにLOVE!な本を挙げるとすると……
 

伊東京一 『バード・ハート・ビート 夜姫天炎!』
中村九郎 『神様の悪魔か少年』
三浦勇雄 『サクラサク上等。』
アサウラ 『バニラ A sweet partner』
枡田省治 『ハルカ 天空の邪馬台国』
 

 ……以上の5冊でしょうか。
 うっ。
 恋愛モノばかりだわ(笑)。

 それにしても年間FAVORITEに中村九郎センセを選ぶ日が来ようとは(笑)。
 作品の批評についての書き方やスタンスについて論じられることが周期的に起こっていますけれど、批判されても認められても「話題」にならなければこの世界、終わりなのではないかなーと思います。
 批判にさらされても中村センセはここまで生き続けています。
 それだけは、誰にもくつがえすことのできない事実です。


 新人さんが大量に現れる時代、ベテランが追われる時代。
 批判されようがされまいが、業界に残る人は残りますし、残れない人は残れない。
 素晴らしい作品――わたしが、あなたが好きな作品――を紡ぐ人が残るというワケでは必ずしも無いですけれど。
 悲しいけれど、それは真実。
 でも、だからといってなんだというのでしょうか。
 わたしは本を読み続けますし、きっとあなたもそう。
 読み続けていく中で、2008年もまた、素敵な作品に出会えますよう。
 

■■ 200 7年 My Favorite! ■■

桑島由一
 
『ポイポイポイ』

ウェン・スペンサー

 『ようこそ女たちの王国へ』

本宮ことは
 『走れ、真実への細き途 幻獣降臨譚』

橋本紡
 『彩乃ちゃんのお告げ』

あすか正太
 『総理大臣のえる! 歴史を変える大勝利』

三雲岳斗
 『少女ノイズ』
 『アスラクライン7 凍えて眠れ』

伊東京一
 『バード・ハート・ビート 夜姫天炎!』

片山奈保子
 『リトルガーデンへようこそ』

中村九郎
 『神様の悪魔か少年』

土橋真二郎
 『扉の外V』
 『扉の外U』
 『扉の外』

うえお久光
 『悪魔のミカタ666B スコルピオン・デスロック<上>』
 『悪魔のミカタ666 スコルピオン・オープニング』
 『シフトU』

米澤穂信
 『遠まわりする雛』

池端亮
 『あるゾンビ少女の災難』

小林めぐみ
 『食卓にビールを 6』

日比生典成
 『海をみあげて』

青木祐子
 『ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと運命の輪』

伏見つかさ
 『十三番目のアリス 4』 

海堂尊
 『ジェネラル・ルージュの凱旋』
 『螺鈿迷宮』

佐野しなの
 『リヴァースキス』

林トモアキ
 『戦闘城塞マスラヲ vol.2神々の分水嶺』

三浦勇雄
 『サクラサク上等。』
 『サクラ上等。』

沖田雅
 『オオカミさんと“傘”地蔵さんの恋』

新井輝
 『私の愛馬は凶悪です』

アサウラ
 『バニラ A sweet partner』

萩原麻里
 『カタリ・カタリ トキオカシ2』

梶尾真治
 『ムーンライト・ラブコール』

谷瑞恵
 『伯爵と妖精 ロンドン橋に星は灯る』
 『花咲く丘の小さな貴婦人 寄宿学校と迷子の羊』

野梨原花南
 『占者に捧げる恋物語』

小手鞠るい
 『ふれていたい』
 『エンキョリレンアイ』

枡田省治
 『ハルカ 天空の邪馬台国』

森見登美彦
 『夜は短し 歩けよ乙女』

仁木英之
 『僕僕先生』 

紅玉いづき
 『ミミズクと夜の王』

森橋ビンゴ
 『ラビオリ・ウェスタン』

桜庭一樹
 『赤朽葉家の伝説』

中村航
 『100回泣くこと』

市川拓司
 『恋愛寫眞 もうひとつの物語』

定金伸治
 『ユーフォリ・テクニカ 王立技術院物語』

加納朋子
 『ささらさや』
 『てるてるあした』

誉田哲也
 『月光』

 

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