○● ゲーム日記帳 ●○
2006年【1】

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11月26日
 
 およそ半年ぶりのゲーム日記。
 日記と言うより、来年初に今年を振り返ったときへの備忘録。

 『この青空に約束を─』のクリアのあとには、『グリンスヴァールの森の中』をプレイ。
 面白かったー。
 数値成果型のシミュレーションはわたしの好みにあっているみたいでー。
 ヒロインの攻略順に一定の条件がある点は納得できませんけれど、それもゲームへの理解度にあわせての進行を図るという主旨であるとわかりますので、許容範囲かなー。
 ソフトハウスキャラらしいといえばらしいですし。

 ヒロインではヴィヴィが好みでした。
 物語の全体を通しても、全てヴィヴィのお話に集約されていく感があったあたりもポイントですか。


 夏の頃はあまりゲームをプレイしてなかったですね。
 で、ようやく積みゲーを崩していこうという気になったのが今月なのですけれどー。
 今年の汚れ、今年のウチに……って、大掃除ではありませんけれど(苦笑)。

 とりあえずコンシューマー化が予定されている『ななついろ☆ドロップス』を初めてみたのですけれども……セミ・リタイア(TДT)。
 わたしには合わないですね、この作品……。

 キャラクターの性格付けに合わせているとはいえ、会話文で
 「あ……」とか
 「ち、ちがうの……その……」とか
 感嘆を示す吐息のたぐいやら、指示語だけで言葉が途切れる台詞が多すぎ。
 キャラ同士の掛け合いも状況説明が多くて、感情に踏み込んだ部分が見えないあたりで、キャラクター性っていうのも表現されないし。

 音楽もなぁ……。
 統一性がある楽曲……と言えるのかもしれないけれど、どれも同じ曲調に聞こえてきてメリハリが無いと、わたしには聞こえてしまふ。
 そういうシーンばかりだから、曲の法からの必要性は皆無だ……という理由は分かるのですけれど。
 でも、もちっと変化させたほうが良いと思ったりして。


 というカンジでプレイは中断中。
 代わって『遥かに仰ぎ、麗しの』をプレイ始めました。
 ……先に『ななついろ』をプレイしていたせいか、はっきりと違いを感じます。
 物語を動かそう、展開させていこう、多少強引でもエンターテインメント、観客を引き込んでナンボ!……っていう「動」の意識を。
 『ななついろ』は、受け入れられることを待っている、環境型の作品かなぁ……。
 そうした手法が必ずしも間違いではないにしても、即時性の快楽に乏しい、退屈になりがちなものではあるような……。
 存在それ自体は、高尚な部類に振り分けられるとは思うんですけれど。

 台詞によってキャラクターの性格を表現しようって意識も、この類のノベルゲーでは重要なファクターだと思ったりして。
 わたしたちが普通に使う日常会話を書いても、それは意味のないことであって。
 ゲーム作品にはゲーム作品に相応しい会話文ってあると思うのですよ。

 んー……。
 この辺りは、制作者の嗜好になるのかなー。
 リアルの「日常会話」をそのままに持ち込むことで共感性を得ようとする、あるいはリアルとの一体性・連続性を持たせるのが好きか……。
 それとも、ユーザーに受け入れられる共感性を表現するための文章を作品に沿うかたちであらためて構築するのか……。

 後者はルール作りを徹底しないと世界が崩壊するので、作業としては重くなりそうな気がしますが。
 んでも、それを徹底した作品は、創造した世界にまとまりがあって、製作サイドと情報と感覚の共有もできるので、わたしは好きかなー。


 まぁ、そんなカンジで『はるかに』プレイ中です。
 年内にクリアできるといーな(^_^;)。
 
5月24日
 
 『この青空に約束を─』 クリア〜。
 プレイ開始当初は「特に……ないかなぁ」ってカンジだったのですけれど、先を進めていくごとにズブズブ深みへと。
 クリアした今なら言えます。良かったよ♪

 自己解析するならば、ヒロインのクリア順が良かったのかな〜と。
 もちろん個人差あるでしょうから、これはわたしの場合ってことで。
 あー。
 わたしは美味しいモノはあとで食べた方が良い人間なのねー。
 この順番でクリアした奇跡へ感謝♪(実はただのOP登場順)


 んで、全体的な感想なんですけどー。
 気になったのは2点。
 ひとつ。
 もっと行数を割いて掘り下げるべきイベントの少なくないものが淡泊に扱われてしまっているというトコロをどう評価するか……。
 もひとつ。
 寮の存続と恋心の成就というふたつの目的が、展開によってはどちらか一方に偏りをみせてしまっていること……。

 イベントが淡泊……というのは、反面、展開に良いテンポも与えているんですよね。
 先へ先へと読み進めやすいという。
 んでも、要所においては感情の振幅が小さく抑えられてしまうというか、盛り上がった気持ちに水を差されたカンジになるというか……。

 どうなのかな、こういう描き方……。
 わざと脇を甘くして、ユーザーに想像の余地を残しているってカンジもしますけどー。
 でも、やっぱり……ちょっとモヤモヤした気持ちが残りました(^_^;)。

 目的の偏り……ですけど、これはそれぞれのヒロインの特色なのかなぁ、とも。
 ふたつの目的のうち、どちらにより深く関わっているキャラクターなのかという点において。
 その辺りも含めて、ヒロイン別の感想など〜。
 クリア順にいきまーす(笑)。


 まずは海巳ちゃん。
 ふたりの関係が「ロミオとジュリエット」になぞられたりして、「むこうは1週間、こっちは10年。年期が違う」みたいな主張をされてるのですけれどもー。
 あちらは1週間という長くない期間だからこそドラマ性が高くなったようにも思えたりして。
 というのも海巳との関係は、ゲーム内期間が及ぼす影響があまりにも小さいものではないかと。
 ドラマがあったのは半年以上も昔のことで、ゲームに入った中ではすでに終わり……決着の兆しを見せ始めているという。

 終盤も「島民全員に受け入れられる」という恋の成就のための目的と、「共同体のシンボル」という寮の存続という目的がバラバラなカンジ。
 寮を存続させるということが、どうして海巳の精神的成長につながるのかわからなかった……。
 「島民全員に受け入れられる」という目的にしても、エピローグで「俺は頑張ったんだぞ」という言葉で過去のモノとされてしまっているし……。
 大きな障害をどうやってクリアするかにカタルシスがあるのではー?

 海巳ちゃんのお話は、寮というシンボルに偏っていたと思うのデスヨ。
 あとで恋の成就につながるとしても、そこは描かれていないワケですし。

 でも、やっぱり幼なじみというポジションは強いなぁ……と思ったりして。
 どれだけ面倒なオンナノコだとしても、それを負う責任が主人公・航にあると思わされてしまうというかー。


 次が宮穂ちゃん。
 先述の海巳ちゃんとは逆に、恋愛面での目的達成は分かりやすかったかなー。
 ふたりのあいだに立ちはだかる障害に対して、走って走って走りまくって乗り越えようとする努力こそが主人公の役割たらんと考えるわたしにとって。
 その障害が社会的身分差というあたりもわかりやすさかなと。
 身分違いの恋って、やぱし王道〜♪

 ただ、そちらの話を強くした反面、寮の存続に関してはあまり触れられていなかったような……。
 ちうか、お話の流れとしては切り捨てられている……?

 宮ちゃんが「囚われのお姫様」然しているというのも、ちと減点ポイント。
 彼女自身にも、そこから抜け出す、自分を成長させる勇気を見せて欲しかったー。
 あの海巳ちゃんですら、そこはクリアしたんですし。

 キャラ的にはけっこう好きです。
 んでも、個人ルートよりも他のヒロインで登場しているときの宮ちゃんのほうが好きかもー。
 海巳ちゃんルートで本音をポロッと漏らしてしまうところとか、さえちゃんルートで厳しい態度をみせるところとか。

 あと、CVの草柳さんの魅力は大きかったかなー。
 最近、かなり好きなんですね、草柳さんの声。
 どうしてこんなにイジラレ役が似合うんでしょうか(笑)。


 その次は静ちゃん。
 キャラとしてはあまり惹かれない……というか、どうしても保護者意識のほうへ共感してしまうですよ〜。
 娘という立場として見てしまうという(苦笑)。

 でもお話としては、ここで初めて「寮の存続」と「恋愛の成就」というふたつの目的が重なったように感じました。
 障害に対してふたりが取った行動が、静はハンスト、航は体調を押してその説得という、かなり内向きなものでしたけれど、互いを想う気持ちみたいなモノを感じ取れて。

 互いを想う……というのは、なにも航と静のことだけではなくてー。
 静ルートのクライマックスでは寮生みんなの優しさが描かれててー。
 ここでの海巳ちゃんは、彼女のルートでは見られなかったような強さがありましたよ!


 でもって奈緒子さん……ちうか、会長?(笑)
 恋愛方面ではいちばんドロドロしてたような……(ヘビーだったのは海巳ちゃんのほうですけれど)。
 そちらに配分が寄せられると、寮の存続に関してはなおざりにされるのも仕方ないのかな〜と、このころには思うように。

 くわえて、会長の魅力って「強さ」にあるように思うのですよ。
 それが、こと恋愛と向き合うとき、(仕方がないとはいえ)「弱さ」を見せられるワケで……。
 そうなると魅力半減……。
 「強さ」を魅力にしたキャラは、サブキャラであるときこそ光ってる……と。
 『CLANNAD』の杏ちゃんとか……。

 ラストもちょっと不満……。
 恋愛モノとしては綺麗にオチていると思うんですけれど、寮のことだけでなく、南栄生島のことすら忘れてしまっているかのようなラストは受け入れがたい……。
 忘れて……とは違うのかな。
 あの場所の名前のこともありますし。
 ……過去のモノとしているようなカンジを受けるのが嫌なのかもしれません。


 んで、沙衣里せんせいこと、さえちゃん。
 この人のルートも静ちゃんと同じく、ふたつの目的が見事に並立されたお話だったかと。
 さらには、静ちゃんのお話が内向きだったのに比べると、かなり外向き。
 対決する「敵」が外にあるため、ふたりの戦いっぷりに惹かれていくのですよ!
 感情移入度が高いというか!

 ほかのオンナノコに比べると航との絆が薄いさえちゃんですけれど、むしろこういう普通っぽさが好感。
 人を好きになるのなんてなにも特別なことは必要なくて、ちょっとしたことで始まってしまうんだよーって。
 ふたり一緒に行動するようになって共犯意識が高まる中で、おもわず雰囲気に流されちゃって……みたいな!
 さえちゃんダメ女言う無かれ。
 思いっきり純情なの!(≧△≦)
 じつは宮ちゃん以上のお嬢様なんじゃないかって気が……。

 「ごめん、さえちゃん」
 「優しくするって言った〜っ」

 ──のあたりの会話なんて、バカ可愛い(笑)。
 歳上の女性との恋は、女性のほうの可愛らしさを強調するところにあるのかなぁ。

 個別ルートだけでなく、航とさえちゃんは、来年以降もこの島に残ることが決まっているという共通意識があって。
 残される者にしか分からない気持ちなども、ふたりが惹かれ合う要素なのかなーって。


 いちおうのラスト、凛奈ちゃん。
 Part.1のマラソン大会の印象が強すぎてどうなることかと(笑)。
 見え見えの展開とはいえ、やぱし熱くなりますよ〜。

 で、Part.3、個別ルートに入ったところでも、ちゃーんと盛り上がりがあったわけで。
 学院祭の劇「ピーターパン」は、共同体幻想に囚われそうになる寮生たちにはまさに痛烈。
 べつに凛奈ちゃんだけが思っていたことでなく、みんなが感じていたこと。
 いつまでも、そのぬるま湯に浸っていたいという──。
 そこからの決別、新世界への飛躍を、見事に描ききった〜♪
 ここでも海巳ちゃんが強さを見せてくれて!
 ……いちばんの弱さを抱えていた海巳ちゃんが、じつは誰よりも強く成長することができたのかなぁ。


 そしてグランド・フィナーレ、「約束の日」。
 や……やばかったー。
 つぐみ寮寮生会合唱団の歌声、かなりヤバかったー。
 みんながどういう気持ちで歌詞をつくって、そして歌ったのかと思うと……(TДT)。

 だから、「さよならのかわりに」「この青空に約束を─」。

 わたし的にはサビ部分よりBメロのところがグッときます。
 あそこにこの作品の核心が込められているような気がして。


 でもって、本気でラスト。茜ちゃん。
 各ヒロインルート、あるいは「約束の日」を引き継いでは……いないんでしょうね。
 冒頭の展開、どのヒロインと結ばれたあとでも、起こりえないヘタレっぷりだなーと。
 ちうか、わたしの中では完全に別世界。
 茜ちゃんルートというか、ハーレムED?

 起こりうる事象のひとつとしては受け入れられても、この世界は苦手〜。
 茜ちゃんは好きなんですけど。
 転入初日のインパクトが強すぎですよ、茜ちゃん(笑)。


 ひと通りまとめてみて思ったことなんですけどー。
 18禁ゲームですし、そういう展開あるし、「恋愛」要素に気を配ったりしてきたわたしなんですけれど。
 恋人を求める……というよりは、仲間、群像劇の意識のほうが強いんでしょうか?
 仲間の特別形が恋人でー。
 あー、そりゃわたしが好きになるワケだー(笑)。

 テキスト内容にも遊び心が多いですよね。
 イベント名「さえ、ちゃんとしようよ」とか、砂浜にたどりついたところで「ゴール」と言わせたあとで「演技でもない」と突っ込んだりして。
 オタ心をくすぐる配慮(笑)。

 この手の遊びも丸戸さん辺りの実力者がやると、それなりに受け入れやすいのかなー、なんて。
 実績に乏しい人が扱うと、単に才気走っただけの嫌味にしか見えないのですヨー。


 最先端に位置する作品ではないのかもしれませんけれど、現状の市場と、そこを作り上げた土壌とに親和性が高い作品なのかなぁ……と。


 いつものヒロイン好感度はー……。

沙衣里 >> 海巳 = 凛奈 > 宮穂 ≧ 奈緒子 = 静 ≧ 茜

 さえちゃんが頭ひとつ抜け出していたりします。
 あの可愛さには骨抜き(≧▽≦)。
 茜ちゃんは個別シナリオの展開が……。
 でも、全体を見渡しても、さほど差はないような印象。
 この辺りも、各イベントの短さに関係しているのかも。


 総合的には満足感が高い作品でしたけれど、不満がないワケでは……。
 特にイベント絵を並べただけのOPは……。
 もっと、こう、加工して活かしていってほしいかなぁ……なんて。
 そのイベント絵も使える素材としては数が足りなかったのか、灯台や水面の3DCGで間を持たせているカンジ。
 灯台なんて、さえちゃんルートでしか関係ないじゃーん。
 Part.2への入りで用いられたサブOPのほうでは、立ち絵を動かしたりして「仕事をしている感」を感じたのですけれども。
 でも、メインOPと同じイベント絵が使われていたり、やっぱり素材の数の少なさを印象づけられるのです。

 もともとイベント絵が多いとは言えませんし、無理があったのかなぁ……。


 派手さが無いどころか、小さな共同体を守っていくという地味な作品。
 でも、消費することばかりに目が向きがちな現代で、昔から大切にされてきた変わらない気持ちを描いた良作デシタ。
 忘れない気持ちって、やっぱりあると思います。

 丸戸センセと企画屋さんたちの次回作、楽しみにしてまーす。

 ……うーむ。
 『ショコラ』とか『パルフェ』とかもプレイしてみるべきか……。
 

4月20日
 
 『めいどさん★すぴりっつ!』 クリアしました!
 日記のほうへ書いたことをくりかえしますけれど、 善性に基づいて作られるお話には弱いっていうかガード不能。
  人の強さについて語る物語は大きな感動を呼び起こすのですけれど、人の善さについて語る物語は感動こそは小さくても静かに心に浸みてくるというカンジなのですよ〜。
 とにかく、どのキャラも人が良いっていうか、性根が腐った悪人がいないっていうのが心地よくって!

 倒すべき明確な敵を配置すると、それは越えるべき対象として認知もしやすいですし、またカタルシスへも導きやすいかと思います。
 んがしかし!
 敵を外へ求めるのではなく内面へ配することで、人間的成長を丁寧に描くことが可能になっているのではないかと思うのですよ。
 成長することの意味について考えることもあるわけで。
 成長って、なにかを越えた瞬間におとずれる変化ではなくて、瞬間をつないでいって書かれた時間という線を振り返ったときに感じ取れるものではないかなぁ……と。

 なーんて。
 それでも簡単に言えば、やっぱり、心温まる良いお話でした、なのですよ〜♪

 ヒロインとの関わりで主人公が成長する「女性主導型」と、主人公との関わりでヒロインが成長する「男性主導型」というふたつの型があるならば、この作品は後者、「男性主導型」ですよね。
 主人公ペックの年齢って28……でしたっけ?
 比較的歳が上な設定の主人公ですけれど、その年齢にあった落ち着きをもっているところがイイですね!
 大人の余裕ってカンジで。
 ミヤスリサさんが描かれる主人公の格好良さは、わたしがプレイした作品の中では1、2を競うほど!

 べらんめぇな江戸っ子喋りっていう口調もゲーム作品では珍しいと思いますけれど、気っぷの良さと相まって、ペックの人柄を描くことに大きな役割を果たしてました。
 単に個性として扱われていたのではなく、それが彼の生き方までも示しているような。
 「ちゃきちゃきの王都っ子」という表現も面白いですね〜。


 お話の全体像はそんな次第で良かったのですがー。
 エピローグに入ってからが長いという構成はどうなのかなー。
 たしかに、ひと山を超えてエピローグに辿り着いてはいるのですけれど、そこからさらにもう一つ山を迎えるっていうのは……。
 それも、想いが通じ合ったふたりにおいては、最大の試練ともいってもいいくらいの山が。

 このエピローグをクライマックスとして、その山を越えたふたりを正真正銘のエピローグとして欲しかったな〜と思うのです。
 その点では、フィエナのお話がいちばんわたしが望んだ形には近かったです。


 んで、個々のヒロインの感想ですと……。

 やぱしメインとなるフィエナのお話がいちばん強い印象を残しました。
 OPにテロップで流れる──
 「家を買った
  ひとりのメイドがそこにいた
  ぼくは彼女のご主人様になった」
 ──が、全てかなと。

 あと、彼女が初めて画面に登場する際の表情。
 立ち絵の中でも、照れながら眉をつり上げて緊張している風のフィエナ。
 普通もっと自然体の様子で登場させるモノじゃないかな〜と思うので、しゃちほこばった表情で登場されたのは、ひっじょーに印象深かったというか。
 ようやくご主人様になってくれた人を前にして緊張しちゃっているんだな〜って伝わってきて、可愛く思えてしまったのですよ。

 サブタイの「わたしの中のあなた」というのは、ほかのヒロインでも精神的な意味で通じるのですけてど、はたしてイチバン相応しいのはフィエナなわけでー。
 ひとつの家を通じて主人公とつながっていく彼女の不器用なさまが、とても愛らしいのです。
 もちろん主人公とだけでなく、店子でもある他のヒロインたちとの関係も大切にしていこうとする姿勢が微笑ましくてー。
 横のつながりを描かれると、作品にも深みが増しますよねー。


 警護隊を目指す剣士・リーチェは、天真爛漫さが手に余るカンジもしましたけれど、真っ直ぐに成長してくれたことがなによりです。
 ほんと、初めの頃の世間知らずさ加減にはどうしようかと……。
 でも、人を好きになるということをひとつずつ知っていったあとでは、もう可愛くて可愛くて!
 警備隊の制服を着たリーチェ、もう、めっさカワイイ!(≧▽≦)
 入隊するという目的を果たした彼女ですけれど、その後も正義を見失わなかったことが嬉しかったです。
 リーチェの心意気に奮い立たされて、他の隊員が立ち上がる展開は熱くなります。
 それだけのパワーを、リーチェの心は伝えていたんですよね。


 料理人を目指しているアヤリは、困った愛らしさかとー。
 ひとり突っ走っちゃう性格には笑わせてもらいましたけど、正直、疲れるって感じてしまったこともあったりして(苦笑)。
 フィエナがいるせいで、世話好きという設定が活かされにくかったせいかも。
 ちょっと割を食っちゃった感が……。
 それでも憎めないって思えちゃうあたり、やっぱり可愛いんですけどね〜。
 声優さんのテンポ良い声とかも良かったのかなと思います。
 とくに自爆系の発言が楽しいったら(笑)。


 シャロは、わたしのターゲットから、ちと外れてたカンジ。
 主人公があまりに大人な態度を保っていたことも関係するのかも……。
 意識に差がありすぎるような。
 愛弟子としては良い印象を残しているんですけどー。
 ちと、ゴメン!ってカンジですか(^_^;)


 クオは「人を愛すること」を知るという展開、リーチェに近いものがあったかなー。
 それだけに、主人公のことを意識したあとの展開は同じように笑ってしまうくらいにラブラブで(笑)。
 そういうトコ、可愛いなって思いました。
 んでも、彼女が帝都にやってきた理由とか、立ちはだかる障害に対しての言動に違和感をおぼえてしまったりして。
 んー……。
 もっとやりようがあるんじゃないかなぁ……という。
 障害となる事件の有り様も納得いかないというか……。
 「囚われのお姫様」ってモチーフはきわめて好きな部類なんですけどねぇ。


 いつものヒロインの序列となると──

 フィエナ > リーチェ > アヤリ = クオ >シャロ

 ──でしょうか。
 フィエナ、LOVE!(≧▽≦)


 OPにしか歌もムービーも付かなかったですけれど、ステキなOPムービー&歌でした。
 ムービーなんて、曲のテンポと同調させての演出とか、さすがRMGってカンジ。
 サビ直前のつぶやきとか、緊張感を高めますよね〜。
 もちろん演出の元となる曲のほうも、シンコペーションきかせて素晴らしい仕上がりになっていると思うのですよ〜。


 なにか大きなムーブメントを起こすような問題提起をしているわけではないと思います。
 それでも、気持ちの良いお話であったと。
 なんというか、きっと幸せになるんだろうな〜って、安心感があります。
 主人公とヒロインたちの未来、そして読み手であるわたしの感情も。
 保住サンのシナリオ、次も楽しみにしてよーっと。
 
4月4日
 
 積みゲーが溜まっていく状況は今年も変わりません。
 購入本数は間違いなく減らしているのですけれども、プレイしない状況が変わらないと減るわけもないですよねぇ。

 いちおう一ヶ月に一本ペースで積み崩せればってことで、『Re:』『Imitation Lover』をクリアしました。

 『Re:』は背景設定を活かして主人公の心情変化をきちんと押さえた秀作 でした。
 物語の基本を理解している桑島さんらしい作品なのかな〜と(監修ですけど)。
 同じ時間を何度も繰り返す中で、主人公の気持ちが純化されていく過程が素晴らしいと思うのですよ〜。
 初めは自己満足するための欲望に満ちたものであっても、やがては大切な気持ちに気づいていくそれが。

 一度きりの分岐でメインヒロインふたりのどちらのシナリオへ進むのか決定するあたり、ゲームとしては物足りなさも感じますけれど、読み物としては気楽でした。
 ふたりのメインヒロインのうち、わたしは夏生ちゃんのお話が好きです。
 ヒロインの魅力というより、「同じ時間を繰り返す」という構成において、もうひとりのヒロインである美優のシナリオでは転機に至る状況が突然すぎるカンジがしたので。
 終わってみれば頷ける理由ではあるのですけれど。

 ヒロインの魅力でも、わたしの場合は夏生ちゃんに軍配が。
 なじみ属性、あんまり無いのね、わたしはー(笑)。

 軽妙な筆致とか、サブキャラが歌う歌とか、楽しませようという意図が感じられる演出も好みでした。
 ボリューム不足は否めませんけれど、物語としては間違ってなかったかと〜。


 かわって『Imitation Lover』 は……。
 スキャンダラスであることと、物語であることは違うよネ……とカンジてしまったり。
 疑問と言い訳ばかりの人生って楽しいですか?
 尚也編のほうがむしろ物語としての体裁をとっていたような気はするのですけれど、んでもそこで描かれたことについては製作サイドとの距離を感じてしまったデス。
 樹-響編を見事なまでに台無しにしてくださりましたので。
 
2月16日
 
 ようやく『ToHeart2 Xrated』をクリアしました〜。
 PS2版をプレイしている影響か、のめり込むようなプレイはできなかったのです。
 お話、知っちゃってますもんねぇ……(^_^;)。

 ああ、でも、大まかなところは同じでも、ところどころで修正されている『Xrated』版のテキストが面白かったです。
 姫百合姉妹ルートのお泊まりのシーン。上手い!とか思いました(笑)。

 新作イベント絵なども、おおむね好感〜。
 枚数は少なくても、欲しかったトコロに入っていたカンジでした。

 Hシーンも、女の子たちの可愛らしい個性を引き立たせるようなカタチで描かれていたので、満足満足。
 由真とか花梨などは、あの子たちらしいな〜って思えますもん(笑)。


 そんなカンジで、PS2版をプレイしていた自分ですけれど、満足できました。
 むしろPS2版だけ、Xrated版だけ……ってのは、もったいないかなって。
 ここは順当にPS2版→Xrated版って流れでプレイするのをオススメするっす!
 
2月3日
 
 2006年最初の感想は『乙女はお姉さまに恋してる』です。
 ええ、PS2版。
 年始からプレイ始めて、ようやくクリアしました。

 あらためて、ひととおりプレイしたことで、作品に対する見方も変わったかな〜なんて。
 この作品、「現状からの変化。前へ踏み出す勇気の物語」なんですね。
 どのキャラも、いまの自分を変えようと努力している姿が心に残るというか。

 最たる存在が、やぱし一子ちゃんかな〜。
 彼女の存在の大きさに、いまいちど感動(T▽T)。
 由佳里ルートでの「最後の魔法」には、もうねもうね……。

 そんな彼女ははたして「過去」の存在なワケで、「今」より先を目指すヒロインや瑞穂ちゃんにとっては、乗り越えなければならない壁だったような……。
 なにも一子ちゃん自身が「過去」の存在ということだけではなく、彼女を通してみんな、自分の「過去」と「今」を見るのですよね。
 「今」につながってきている、培ってきている、自分の気持ちに。
 「過去」と正しく向き合うことで、その先に「未来」があるわけで。

 一子ちゃんEDを少しだけ寂しくカンジるのは、「過去」を越えられなかった、「今」のままぬるま湯に浸ることを許してしまった、そんな過ちを責められているのかなー……なんて。


 ……ってことはですよ?
 この作品、「瑞穂ちゃんの成長物語」ではなくて、「一子ちゃんと関わった人の成長物語」と言ったほうが正しかったりしませんか? しませんか(´Д`)。
 一子ちゃん主人公説!……なんちて(笑)。


 PS2版での変更点といえば一部の声優さんなワケですけれどー。
 んー……。
 PC版に慣れた身からすると、やぱし違和感はぬぐえませんでした。
 圭さんなんて、ローゼンの真紅に聞こえてきて……(^_^;)。
 あと単にスピーカーの違いなのかもしれませんけれど、オリジナルキャストのかたでも声質が変わって聞こえてきて、あれれ〜?ってカンジ。
 これは紫苑さんに多かったかなー。
 貴子さんなどはほとんど同じく聞こえてきたのですけれど。
 取り直しの影響……なのかな?

 追加CGについては、さほど多くはなくても良いシーンに差し込まれていたな〜って思います。
 やぱしわたし的には紫苑さまの指輪でしょう(笑)。


 総じて見るとファンの私でも満足できましたけれど、どちらか選ぶならPC版を……かな。
 Hシーンに抵抗無ければ、ですけど。
 どちらにしても瑞穂ちゃんのステキさは変わりませんので、オススメするっす〜♪


 さて、残る展開はアニメ化ですか……。
 スタチャさま、お願いしますよ〜っ!!!(T△T)