○● 読書感想記 ●○ 2005年 【4】 ※ 表紙画像をクリックすると【bk1】へと飛びます ※
『梨々よ、分かっているのか。その服は我の敵の服だ』 ガーゴイルの目が光る 「……うん」 『それでも汝は、己の信じた道を行くのか』 「──さっきの双葉ちゃんを見てて、思ったの。やっぱりガーゴイルさんの影響を受けてるんだなぁって。双葉ちゃんは、誰かを守ることには躊躇しないもんね」 最後にカバンから取り出したシルクハット。 デュラハンが守ってくれた、大切な帽子。 それを目深にかぶる梨々は、もうガーゴイルに追われていた時のような子供ではなかった。 「だから私は──誰かのために盗む。あの人から、燭台を盗んでみせる」
やっぱり作品というモノはキャラが動いてナンボだと思う次第。 そういう点からも、この巻は素敵すぎます。 梨々ちゃんが悩んで、悩んで、そしてたどり着いた結論をもとに動き出す展開などは、盛り上げ方としてすごく正当だと思うのです。 そして彼女を主人公とすると、周囲でサポートするキャラの布陣がこれまた見事で……。 デュラハンは機械という素性も相まって、その行動に心動かされました(T▽T)。 あんた、ほんまもんのナイトやわ〜。 デュラハンと百式の関係もまた熱くさせてくれますよね〜。 拳で分からせるあたり、王道すぎるですよ(笑)。 もちろん双葉ちゃんとガーくんもね!(≧▽≦) 戦う場面での立ち回りとかも緊迫感と疾走感を併せ持ってて描かれていると思います。 地の文で脚色過多にすれば良いってもんじゃないぞ!……って、大きな声で言いたくなっちゃうくらいに好き好き〜。 あ。 わたし的には「白式」は「びゃくしき」ではなく「はくしき」と読んだほうが良いかな〜とか思ったりして(^_^;)。 百にはまだ足りない白……って、単純ですけれど彼女にふさわしい名前ですよね。 まだこれから何者にも染まるであろう色って意味もあるでしょうけれど。
「駄目だな。お前は、許すべからざる大罪を犯した」
あの宣言にはニヤけてしまいましたですよ。 そんな場面じゃないんですけどねー(笑)。
「君が悲しんでいることに気づかなかった俺が謝るべきだろう」
──は、もう、ウキャー!(≧▽≦)てなもんですよ、はい。 白雪、ぞっこんLOVE! そして蘇芳、一歩リード!(なにがよ) 千白との出会いのあと、この世に生まれたときのことを思い返すシーンですけれども……。 あの演出には、ちょっと身体が震えました。 かすかに恐怖をおぼえてしまったというか──。 今後の白雪の運命を暗示するには、効果的だったなー、と。 そして最後の展開──正直、意表をつかれました。 ふむふむ、なるほどー。 敵さん方にもいろいろと事情がありそうですし、彼らの言葉を借りれば白雪たちの国の側にも非がないとは言い切れませんしー。 このあたり、どう解決していくのか楽しみー。 もちろん、白雪を巡る人間関係もねっ!(≧▽≦b 瀬田ヒナコせんせのイラストも、カッコイイわカワイイわで。 好みの絵柄でございますー。 あー、続刊が楽しみ楽しみ♪