○● 読書感想記 ●○ 2005年 【2】 ※ 表紙画像をクリックすると【bk1】へと飛びます ※
「カブしか作っていなかったわけじゃない」ブレンディグは怒った顔をあげて言った。 「そうだった」シルクはてのひらで額をぴしゃりとたたいた。「キャベツをうっかり忘れていたぞ。かれはキャベツも作っていたんだ、ガリオン。キャベツを忘れちゃいかん」
――とかさぁ、もうっ! ……いや、これはシルクだからかもですけど。 こういう会話の妙が面白くって! センダリアのフルラク王なんて、王様の名前を5人挙げろと言われたら、まず間違いなくわたしは挙げますヨ。次点、ドラスニアのローダー王。あとセイバーとギルさまで4人か……。 で。 そうした会話だけでなく、そもそもファンタジーの王道行ってる設定込みで大好きです。 期せずして始まった旅程も、行く先々の街の設定とか細かくて細かくて……。 そういった設定を目にするだけで惹かれるというか。 世界設定だけでなく、そこに生きる人々の描かれ方もハンパでなく。 生活に必要な知識や技術など、感覚として通じ合えるんですよねー。 匂いとか、手触りとか。 もちろん描写は設定だけでなく、人々の言動にも表れるわけで。 あー、もうっ! どのキャラも生き生きとして……。 解説にも取り上げられていましたけれど、女性陣の存在感っぷりも見事ですよねー。 この巻ではポルおばさんがメインですけど、さっそくポレン王妃なんかも実力を見せているというか。 ズブレットは……まあ、こんなカンジ? んでも――
彼女は遊びを考えだしたり、お話をこしらえて聞かせたり、自分のためにファルドーの果樹園からリンゴやスモモを盗ませたりした。小さな女王よろしくかれらに君臨し――
――とかあって、タマ姉!?とか思ってしまったことよ(笑)。 ツンデレ好きな人にはオススメのシリーズですよーん(そういう勧めかたはどうか……)。 あー、次巻が楽しみ楽しみ!
『きもちはことばにしなきゃつたわらない』 「ありがとう」「ごめんね」「すきだよ」…… ことばにしなければ相手にはつたわらない。
――って、本当に子供向けなの!? なんていうか、こう、20代OL向けな気がする解説文なんですけど!(笑) でも、簡単な言葉で綴ってある分、心に響いてきますし、あるいは考えさせられるというか。 どの言葉も、当たり前のことなんですよね。 忘れてしまいそうなくらいに当たり前のこと。 でも、大切なこと。 書店で手に取ったとき、なんだかひどく感動してしまったことよ(T▽T)。