○● 読書感想記 ●○
2003年 【4】

TALK TOPへ

 

31 『幽霊は行方不明』 矢崎在美 著

 白亜右月センセのイラスト買いだったわけなのですけれど、なかなかどうして面白かったです。
 ミステリーなんですけれど、美海が幽霊であるのも意味がありますし。
 それに幽霊は幽霊なわけで、そこに民俗学的何かがあるわけでなし、存在それ自体を問おうとしてない姿勢も好感です。
 ちょっと毛色の変わったパートナーというだけで。
 幽霊ならではの聞き込みというのも面白いと思いますし〜。

30 『HAPPY LESSON THE TV』 吉岡たかを 著

 5人の先生たちが、5人のママになるまでの過程を扱ってます。
 ウェブでけっこう評判が良かったから気になっていたんですけれども、なるほど、たしかに良い作品かもですよ。

 シスプリと比べられることがあるこの作品ですけれど、今作を読んで思うのは、シスプリは夢の上に成り立っている物語であり、ハピレスは現実をふまえての話をしてるんだなぁ……ということでしょうか。

 ……でも、やよい先生の理由は、どうしても興味本位に思えるんですけど(笑)。

29 『魔法遣いに大切なこと1 夏と空と少女の思い出』 枯野瑛 著

 TV版の時期にあったとされる、オリジナルストーリーでしょうか。
 別にこの作品が悪いワケじゃないんですけど、これをミステリーとして出しちゃうから「富士見ミステリー文庫は方向性が分からない」とか言われてしまうんではないかなぁ……?

 ……うわぁ、また初めて聞く魔法士の設定とか出てるぅ。
 こういう形で補完していくのかな?
 そして例によって、魔法があまり役に立ってないあたり、「魔法遣いに大切なこと」らしいなぁ……とか(笑)。
 それでもユメはがんばってます!

28 『魔法遣いに大切なこと プライマル』 山田典枝 著

 TV版はいろいろとツッコミどころ満載な愉しい作品でしたけど、この小説は面白かったです。
 ユメが小山田先生に出した手紙という形式も面白かったですし。
 ユメの人柄のようなものが、充分に出ていると思います。

 TV版やコミック版ではあまり触れられなかった、ユメのプライベートな部分(家族構成とか)がかなりあって、ユメFUNにはたまらない1冊(笑)。
 魔法遣いがこの世界ではどういったものなのか、補講にもなっていますし。
 ユメの両親のこととかですね。

 とりあえず、FUNなら必読でしょう。

27 『はなひな 明るいおともだち計画』 阪本良太 著

 ロリ小説……(笑)。
 委員長タイプと図書委員タイプっていうのは鉄板ですか?
 話のほうも気軽に読める文章で、テンポ良くって好きですよ〜。

26 『いぬかみっ!2』 有沢まみず 著

 笑った。笑いましたともさ!(≧▽≦)
 もう、なにがどうのというより、面白可笑しかったです!
 キャラが増えて、作品の世界と共に魅力が増したカンジです。

 ところで……薫って、男の子ですか??
 何となく、もしかしたら女の子じゃないかなぁ……って気がしたんですけれども。
 どこかで性別に触れてる箇所、ありましたっけ?
 一人称「僕」だけじゃ、謎ですよ(^_^;)。

25 『新・時空のクロス・ロード 赤い心の女の子』 鷹見一幸 著

 なんとなく、嗚呼ってカンジのシリーズエンドでした。
 望んでいたものと違うっ……ていうか。
 書きたいこと、言いたいことはなんとなく伝わるというか感じるのですけれど、それを主張として言い切られても、読み手であるわたしは応えることができないような感覚なのです。

 シリーズ……連作としての主張は成功していると思うのですけれど、それで登場人物は救われているかと言えばそうでもないと思うわけで。
 描きたかったのは教唆的な物語であって、個々の人物の倖せではなかったのですから、まぁそうなるのも当然の帰結なんですけれども。

 でも……やっぱり倖せのほうが大事だと思うよ……。
 物語がどういう意味の上に成り立っているかよりは。

24 『新・時空のクロス・ロード 黄色い瞳の男の子』 鷹見一幸 著

 読了。
 自分は何をしなければならないのか……という問い掛けに対して答えを示していくのが、このシリーズだと思う次第。
 んで、今作のようなパターンの回答は、わりと納得できるんですよね〜。
 ……無印の方のクロスロードの終わり方が、ちょいとトラウマ気味(^_^;)。
 いよいよ次が最終巻なので、期待半分、不安も半分。

23 『いぬかみっ!』 有沢まみず 著

 笑わさせていただきました(^-^)。
 はじめは啓太のこと、あまり好きになれなかったんですけど、読み進めていくうちに、けっこうイイかもと思ってきたり。
 嫌味であるところも、ちゃんとようこが制裁してくれてるからかな(笑)。
 つまり、セットで良い……とか。

22 『新・時空のクロス・ロード』 鷹見一幸 著

 読了。
 今度は未来ですか――。
 瑞穂との関係が、もう少し多く文面さいてたら嬉しかったかも。

21 『ピカレスク ドライブ』 中川圭士 著

 読了。
 ピカレスク……?

20 『時空のクロス・ロード バースディは永遠に』 鷹見一幸 著

 そういう解決の仕方が、シリーズの最終巻なのはどうかなぁ……とか思ったり。
 これまでもその可能性が無かったわけではないのですけれども、それでも敢えて選んでなかったと思っていたのですが――。
 そういう多様性と可能性の世界を見せつけられても、それでは何を示したいのかが、逆にわたしには分からなくなりました。

 ……って言っても、シリーズが別系統で続くのを知っているわけで、そうとなればこういう形もアリなのかなぁとか思ったり(苦笑)。


19
『悪魔のミカタ it/ドッグデイズの終わりかた』 うえお久光 著

 これぞ「うえお久光」ワールド!ってカンジがしました。
 ちょっと最近の巻では、筆が走ってなかった気がするんですよね。
 ランドールとか撫子さんとか、光ってましたヨ(笑)。

 でも、今回のシリーズでは、やっぱ部長かな(^-^)。


18
『雷龍のヴァルキリー 食べごろ斬魔行』 池端亮 著

 う〜〜っ! やっぱ、池端センセの文章のテンポは良いデス!(≧▽≦)
 もっと作品、出してほしいのになぁ……。
 今作だって、充分、伏線っぽいのが張られてるのになぁ……。
 未消化で終わっちゃうのかなぁ……。
                         スニーカー文庫なのが、ごにょごにょ。

 「賞金稼ぎ」と同じく、元気な女の子が主人公ですね。
 でもって高いアクション性。
 読んでいて愉しいです。ワクワクしますよ。

 恋するだけが女の子じゃないって教えてくれますね。
 なんというか、女の子らしさってものを知っているというか。
 理想像ではなくて、命の躍動感みたいな?
 清らかなことばかりではないし、口汚く罵るけれど、それも生きている証のような。

 ちゃんと主張できるキャラを描く人です、池端センセ。

17 『時空のクロスロード2 サマーキャンプは突然に』 鷹見一幸 著

 というわけで2巻です。

 死んでいく運命だった新生児の話は必要だったのかな……。
 たぶん、必要だったんでしょうね。
 ああいう話は、やっぱり辛いです。

 人間の実力は、どれだけ他人が支えてくれるか、その数によって決まる。
 ――って、『でたまか』での英雄論?
 その他の点でも、類似性が感じられるんですけど。

 この「時空のクロスロード」ってキャラが違えば同じ物事・物語・舞台でも異なる展開をみせるというシチュエーション・ドラマなわけですけど、そもそも鷹見センセっていう人が、何か1つのことを強烈に主張したい人なんじゃないかって気がしました。

 でも、あえて反証すると、あまり物語の引き出しの多い人ではないってことになるんですよね。
 面白ければ、それで良いのですけれども……。

16 『時空のクロスロード ピクニックは週末に』 鷹見一幸 著

 『でたまか』を気に入ったので、読んでみました。
 ウェブでの評判も良かったですし。

 読んでて今、世界で流行っているSARSのことを思い出さずにはいられませんでした。
 もしかしたら、この世界も同じ様な状況にあるんじゃないかって。
 そうなったとき、自分は、幸水や香織、栗野のように動けるのかな?

 あきらめなければ、今という時間から見える最悪の未来は変えることができる――というのは、『でたまか』と同じテーマのような気がします。
 何というか、誰かへ向けての応援歌のような物語ですね。

 でも、結び。
 倖せな終わりなのかもしれないけれど、その倖せというのは脆く儚い存在であり、そしてどんな犠牲の上に成り立っているのかを考えさせられてしまうところを思うに、ハッピーエンドじゃないんですね。
 むしろ、切なさがつのる気がしました。

15 『でたまか アウトニア王国再興録4 驚天動地篇』 鷹見一幸 著

 折り込みカラーの表側は、メス猫カルテットの方々ですよね?
 誰が誰だか分からないのが惜しい!
 裏側のワタルとコーリンですか。微笑ましい(笑)。

 序章の話は良かったですね。
 こういう日常があると、中心たるマイドたちの話が引き締まるというか、意味深くなるというか。
 りんごの苗木の話は、わたしも好きな話(言葉?)です。

 本格的になった艦隊戦はドキドキしちゃいましたね。
 エデッサ伯の独演なんか、もう、あっぱれですよ。
 なんでしょうか、あの人の堂に入った演技は(笑)。

 で、わたし御贔屓のコットン嬢の扱いは、ちょっと可哀想じゃないですかっ!?
 そりゃないですよ〜、なカンジ。
 またもやトゥナイツ家のエリス嬢に納得いかないものが。
 どう言いつくろっても、お嬢様なのですね。


 キャラも出揃って、いよいよ次巻、どのように決着をつけてくれるのか楽しみです。
 マイドとメイは、再会できるんでしょうねぇっ!?
 ケルプとコットンも!
 ……コットンについては、生きていてくれさえすれば良い気が。
 なんか、あの展開って、死んじゃうような気がしてるんですヨ〜。
 めちゃ、心配(TдT)。

14 『でたまか アウトニア王国再興録3 天下大乱篇』 鷹見一幸 著

 やたー。コットンの表紙!(≧▽≦)
 おまけに折り込みカラーの表のマイドとメイもいいですよね〜。
 裏の絵は哀しいですけども……(T△T)。

 で、この巻でもアリクレストのプライベートな部分が描かれたりして。
 やっぱり分裂気味な気がするんですよね。
 彼の何を描きたいのかが分からないというか。
 帝国の他の人たちは人間的に腐っている人ばかりなのに、何故彼だけ救われる描写を差し込むのでしょうか?
 彼を「人間」として描いて、物語が終わるときに何をさせたいのでしょうか。
 うーん……。謎。


 牛丼の星野屋さんの件。
 1巻のことが伏線になってるとは。
 砂漠の水瓶作戦に描かれてるイーサの気持ち、分かりますねぇ。
 人との触れ合いは嬉しいものなんですよね。

 「撃てるンです」作戦も、でたまかっぽくて良かったですね。
 でも、桶狭間の戦いを例に出したのが帝国側だったというのが、ちょっと先走りすぎている気がしました。
 物語全体の調和はとれているのですけれども、役割が違うのではないかと。

 で、今回の功労者は、マリリンの姉御でしょうか。
 大人ですよねぇ……。
 こんな状況でも、ワタルとかエルノリク男爵子息とか、マイドのことを信じている人が増えていることを実感できることが嬉しかったです(T▽T)。
 まだエデッサ伯は分かってないですよね(苦笑)


 それにしても「首を食い切るウサギ」って、懐かしいネタですね(笑)。

13 『でたまか アウトニア王国再興録2 天地鳴動篇』 鷹見一幸 著

 暗殺された皇太子の后候補エリスと、亡国の王子チャマーかぁ……。
 なんか、この2人は作中の位置が定まっていないような。
 チャマーのほうはまだ水星くんとしての立場もありましたし、それなりに感じるところはあるのですけれども(メイのお兄さんですし)、エリスのほうは……。
 皇太子暗殺にどれだけ執着しているのかを、わたしが感じ取れなかったというだけのことなのかもしれませんけれど。
 単に好奇心の域を抜けてなかったように思えるんですよね。
 で、そういう人がマイドと張り合おうというか関わり合いを持とうなんて、ちょっと過ぎた行為に思えるのです。
 ――簡単に言ってしまえば、覚悟の問題かなぁ。
 行動原理が中途半端じゃないかな、と。

 アリクレストも、今更「出来る男」なところを見せられても、何か違和感が。
 再興録まで進んだトコロで、彼にポイントを稼がせて何の意味が?
 どれだけ有能なところを見せても、マイドには叶わなかった(そしてそれはこれからも)のですから、そういう才能を浮かび上がらせても惨めになるだけだと思うんですけど。
 うーん。……そう描くことで、彼の人間味をアピール?
 でも、マイドにしたことで既に取り返しつかないほどにポイントを失っているんですから、それに対して反証をされても無意味な気がします。
 彼をマイドと比較するために同じ土俵に立たせるなら、マイド自身も「アリクレスト的」な行為を行わなければならないのではないかと思うのです。


 あー、でもこの巻では、ようやくマイドとメイが再会を果たしますし、コットンは表舞台に出てきますし、いろいろと嬉しい巻でした。
 「エデッサの1年議会」も面白かったです。
 うーん。やるな、ミストラルさま(笑)。

12 『でたまか アウトニア王国再興録1 英雄待望篇』 鷹見一幸 著

 主人公マイドではなく、彼に関わった人たちの視点で新シリーズが始まるわけですけど――。
 最初はもどかしく感じてしまった次第。
 だって前作の引きが引きじゃないですか! ああん、もうっ!
 んでも、読み進めていくとハートを奪われましたヨ。
 ドキア提督の言葉にうるるときていたら、そのすぐあと、国民会議のシーンでたまらず涙が……(T△T)。
 「あの方が……そう、約束したのです!」と言ったメイに、そしてその言葉を待っていたかのようなシャルルお爺さんに。

 あとはもう、章立てしている各キャラごとに、いちいち泣きポイントが。
 そして、そんなこんなで盛り上がってきたところに、あの言葉が――。
 「マイド・ガーナッシュはいずこにありや? 全宇宙はそれを知らんと欲す」
 ――はわわ〜(T▽T)。
 この前後のケルプの涙も、たまらんです。

 それにしてもアリクレストは性格悪くなったですね〜。
 悪意に無邪気さが加わって、より怖さが増したような。
 そんな人間を相手にすることになって、ますますマイドが素敵人間に見えてくるという。

11 『でたまか アウトニア王国奮戦記3 純情可憐篇』 鷹見一幸 著

 前作のケルプといい今作のアレフといい、昔の仲間を助けるために集まってくるっていうシチュエーションは燃えますねっ。
 そんな頼もしい仲間が集まってくるマイドとは反対に、コットンは可哀想でしたけども。
 あー、でも、ケルプと向き合うことが出来たから、雨降って何とやらですか?
 表紙もこの巻だけ2人で描かれてるしー!(≧▽≦)

 そして今回の戦いも、こういう戦いかたもあるんだなぁ……とか思わされたりして。


 で、ハッピーエンドへ向かうのかと思っていたら、急転直下の大展開。
 ちょっと切ない結びになってますけど、これも「でたまか」なのかなぁと思います。
 世の中は大多数の人にとってどうにも不公平なことばかりあるのですけれども、それでも汚すことの出来ない大切な何かはあるのだと教えてくれるような。
 ビバ・アウトニア!

10
『でたまか アウトニア王国奮戦記2 奮闘努力篇』 鷹見一幸 著

 うっわー。アリクレスト、むかつくわー。
 彼に対して援軍を求めたときのマイドは立派でしたねー。
 メイ王女でなくても、惚れるわ。
 あのシーンを国民が見ていて、それ故にマイドを信じようと思うようになったって、分かるなぁ……。

 この巻はもう、誰かが誰かを信じる・懸命になるという行為に、涙ほろろデスヨ。
 そこかしこに泣きポイントがあふれてます(;д;)。
 ヴァルがリッキィに対して、マイドに仕えるときはタキシード姿でと言い残していた……という件だけでも、ほろろです。

 戦闘シーンとか、その向きの人には物足りないのかもしれませんが、こういう知恵で難局を乗り切ろうとする話はワクワクするのです。
 操縦技量や戦略のことなど、さして分かりませんが、「でたまか」でイイ性格のマイドたちのしていることは充分に分かるのです。
 そういうのがエンターテイメントですよね。

『でたまか アウトニア王国奮戦記1 問答無用篇』 鷹見一幸 著

 あー、ドキドキできる、良い作品ですね〜。
 世の言葉に「社会には、短期的に見ればアンフェアなところもある。しかし長期的に見れば必ずフェアなものだ。それだけに努力さえしていれば、必ず誰か一人はみていることを忘れるな」というものがあるのですけれど、この作品はそういうことを思い出させてくれます。
 そりゃあツライこともたくさんあるけれど、生きていればきっと良いことがあるのだと信じられる物語。

 本当のお姫様の「お願い」を断れる人なんて、そりゃいませんよねぇ。
 メイ王女は本当にお姫様だなぁ……。

 『ちょー』シリーズのダイヤ姫も「本当の」お姫様だと思いますけど(笑)。

『ムシウタ 01.夢みる螢』 岩井恭平 著

 人の命で話に重みを加えてる気がします……。
 シリーズが始まったこの1巻のみで判断するのはいけないのでしょうけれども、エンターテイメントとしてはどうかな、と思いました。
 この辺り、岩田洋季センセの『灰色のアイリス』と同じ感覚。
 そういう盛り上げ方って、「読まされている」感覚になるんですよね。
 もちろん、「誰も死なない物語」で無ければ良くないと言っているのではなく!
 その作中の扱われかたに首を傾げるという次第なのです。


 ところで口絵カラーが微妙に合ってないような気がしたんですが。
 本編のどこにも無いシーンを描いているような……。
 いえ、「らしい」シーンはあるんですけれど、ちと違う、みたいな。

『鏡のお城のミミ』 倉世 春 著

 やっぱりヒロインは、頑張る姿が可愛いですよねぇ。
 ミミはこの世の仕組みを理解した上で、自分の目と耳で判断しようとしてる姿が非常に好感ですよ。
 それが簡単なことだとは思ってない。けど、無茶を言ってるワケではない。
 たった1つのことを知りたいために頑張って、その結果が自分が望むものでなかったときでもそれを受け入れる覚悟ができている……というのが。

 で、そんな女の子が倖せにならなかったら、物語なんて何の意味も無いわけで。
 うんうん。良かった良かった。

 いや、でも、やっぱり、ビードが好きなわけで(笑)。

『ジャックポット』  藤原征矢 著

 ふーん……というカンジでした。
 とくにクライマックスというような物もなく、平坦に幕が下ろされたような。
 展開を受け入れるのは容易いのですけれども、それで受けてであった私に何が残されるのかと言えば、何も……という気が。
 爽快感とか満足感とか、無かったですねー。
 主人公が周囲に好意的に受け入れられるのは、物語として理解できるのですけども、真実味が薄いんじゃないかなぁ……。

『Farewell Shine』  藤原眞莉 著

 姫神さま平安編の新刊ですね。
 ちょっと、ここのところの晴明は好きじゃないなー。
 自暴自棄までには至らないにしても、平静を装いながらもどこか後ろ向き。
 あれじゃ陵王が可哀想だよー。

 このシリーズ、結局のところ、この母子に振り回されるのかも(笑)。

 篁さんの登場は嬉しかったです。
 あの人、好きなので(史実としても)。

『ブルースター・シンフォニー』 下巻 岩佐まもる 著

 う〜ん……。
 物語の集束の仕方が、ちょっと雑というか強引というカンジが……。
 この巻での新キャラ登場とか、各キャラの今後とか、いろいろと引きはありますよねぇ。

 『ブルースター・ロマンス』との関わり具合は面白かったです。
 こういうリンクのしかたは好きです。
 思わずニヤッとさせられるというか。
 うーん。続刊を期待しちゃいます。


『ちょー薔薇色の人生』 野梨原花南 著

 『ちょー』シリーズ、最終巻! 企画本も数えて19冊ですか?
 ここまで読んでて良かったと思っちゃいましたヨ!
 というか、この巻だけは本当に、これまでシリーズを通してでないと分からない感慨があるように思います。最終巻なんですから、それも当然なのですけれど。

 「こんな我が儘は二度と許さない。君がどんなに願ってもだ」
 「……はい」

 こども編ではあまり活躍がなかったオパールですけれども、やっぱり存在感ある〜。
 クラスターの髪を触るリブロさまも良かった〜。
 リブロお姉さま、ラブ!(≧▽≦)
 ライーがうらやますぃ。
 というか、このシリーズに登場する夫婦って、どのカップルもいいなぁ。
 ジオとダイヤは当然として、ヴィアとヴァデラッツも……。
 ああ、ヴィアね……。
 「世界が滅ぶということは、あたくしの、世界でたった1人のお友達がいなくなるということなのよ」
 もう、この辺りのヴィア、すっごい好き。
 一途なんですよね、結局。何事に対しても。

 アラン王子も、ジオとダイヤに向かって「僕は何も出来なかったけれど」と言っているけれど、そんなことないですよね?(と思えること自体が、シリーズを読み通した故の楽しみなのではないかと)
 琥珀楡のそばで叫ぶ王子はかっこいいと思いました。


 あーっ、もう! ホント、みんなカッコイイよ!
 片づいてない懸案事項も幾つか残されていますし、その辺りは外伝で触れられていくのでしょうか。楽しみです。
 ……でも、物語はこれで終わりなんですよね。
 それは、やっぱり少し寂しいですね(;д;)。

 でも、それでも、わたしはこの作品に出会えて良かったと思います。

『リムーブカース』下巻 伊達将範 著

 ハッピーエンド……じゃないような。
 ヒロインが足を前に踏み出して終わり……というのは、形としてはある意味正しいのかもしれません。
 けども、そこに救いというか、これまで生きていた事に対して報われるだけの回答はなかったように思います。

 戦闘シーンも、ちょっと人知を越えすぎていて面白さ半減。
 文章じゃなくて映像で見せられたら映えるんだろうなぁ……とは思いました。
 スゴイ存在同士がスゴイ兵器を使ってスゴイ戦いをしても……。

 アクションは『COOL DOWN』で手ごたえを感じ、オーパーツなどを絡めてきたことが、このあとの作品である『DADDY FACE』に繋がっていくんですね。
 そんな伊達センセの過渡期にある作品なのではないかと思いました。

『リムーブカース』上巻 伊達将範 著

 うーん……。
 同じ伊達センセの『COOL DOWN』とか『DADDY FACE』ほどは入り込めないかなぁ……。
 物語を進めていく時点で「分からないこと」があるのは当然なのですけれど、その進め方を間違うと筆者の自己満足になりかねないというか……。
 「このあとで、ちゃーんとネタばらしやりますから、今はこの強引な展開を楽しんで(許して)くださいね!」――と言われているような感覚がありました。

 単にキャラ造形が気に入らなかっただけなのかもしれませんけれど。
 たとえば、いわゆる「護られるタイプ」のヒロインって、ちょっと……。
 自分で行動しないタイプというか。

戻る