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フェルマーの最終定理

「フェルマーの最終定理」に関する本を読んだ。『天才数学者たちが挑んだ最大の難問』という本だ。フェルマーの最終定理とは、

nが2より大きい整数のとき、Xn + Yn = Zn を満たす整数の解、X,Y,Zは存在しない。

というものだ。n=2のときは、解が存在する。例えば、(3,4,5)の組み合わせだ。32=9、42=16、52=25であるから、上記の関係を満たす。他にも、(5,12,13)や(20,21,29)などもこの条件に合う。ところが、nが2より大きい整数の場合(nが3以上の整数の場合)はこの関係を満たす整数の組(X,Y,Z)が存在しないというのだ。

定理の内容自体はそれほど難しくない。中学生の数学で話は理解できるだろう。しかし、証明は難しいらしい。フェルマーの没年は1665年。1994年にアンドリュー・ワイルズによって証明されるまで、300年以上かかっている。なお、証明されなければ「定理」とは呼べない。だから本来、証明されるまでは「予想」とか「予測」などと呼ぶものらしい。

数学的な内容は難しくてとても理解できないが、証明の流れは、おおよそ以下のような感じらしい。(あまり自信はないが・・・)

  1. 仮に、フェルマーの方程式、Xn + Yn = Zn を満たす整数の解があると仮定する。
  2. するとその解から、ある種の「楕円曲線」という曲線が作れるらしい。
  3. この“フェルマーの方程式を満たす整数解から作られた楕円曲線”は「モジュラーではない」とのこと。「モジュラー」というのは何なのか、難しくて理解できないが、とにかくそういう“性質”のようなものだ。
  4. ところが一方で、「すべての楕円曲線はモジュラーである」という予想がある。これは「志村-谷山予想」と呼ばれている。名前から分かるように、日本人数学者による予想である。
  5. もしこの志村-谷山予想が証明できれば、[3]に反してしまう。これはすなわち、[1]の仮定が間違っていたことになり、フェルマーの方程式を満たす整数の解はないことが証明できる。

実際には、「志村-谷山予想」が完全に証明されたわけではないが、フェルマーの定理の証明に必要な部分は証明できたらしい。

証明の話は難しくて理解できない部分がほとんどだが、日本人が貢献していることを知って嬉しかった。また、整数に関する問題なのに、複素数まで使った難しい関数を用いて証明するのも面白い。このような問題が何の役に立つのかというと、おそらく何の実用にもならないのだろう、と思う。しかし、知的好奇心を大いに刺激する話である。

ところで、なぜフェルマーの最終定理の本を読んだのか。それは、インターネットにおける通信の暗号化に関する素数の話から、ちょっと興味を持ったのだが、その話はまた次にでも。

2006.4.2