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マイ天文台が欲しいな〜(まがたま69号より)

この文章は、「まがたま69号」(2007年5月発行)に書いた記事を一部なおしたものです。「またがま」とは、私が所属する天文同好会、さいたま☆天文同好会(旧SPGAS)の会報です。なお、さいたま☆天文同好会のサイト内にある「webまがたま」では、まがたま49号(2000年12月発行)以後の記事の一部が紹介されています。

今回のまがたまの特集は「天文台」。天文を趣味とする人の中には、「自分の天文台が欲しい」と思っている人も多いと思います。もちろん「欲しいけどちょっと無理」というのが多くの実情でしょうし、「自分個人の天文台を作るなら、そのお金であちこちの公共天文台に行ったり、日食を見に世界中に行ったりした方がいい」という人も多いでしょう。なので、現実的なこととして自分の天文台というものを考えている人は多くないかもしれません。

しかし、私はやはり「"マイ天文台"があったらいいな〜」と思います。マイ天文台がどこにあったらいいかというと、まずは自宅です。「今日は月が綺麗だからちょっと覗いてみよう」とか、「土星が見ごろだから望遠鏡を向けよう」とか、気軽に見られたらいいなあと思います。

例会でも何度か、「土星が見ごろ」と話題に出ましたが、結局このシーズンは一度も見ませんでした。見ようかな〜と思っても、「望遠鏡を車に積んで、20〜30分車を走らせ、組み立てて・・・」と考えるとつい「今日はいいや」と思ってしまうのです。昔に比べて"気力"と"若さ"が足りなくなったのも大きな要因でしょうけど・・・。もし望遠鏡がすぐにでも覗ける状況だったらもっと気軽に見られるのに、と思うのです。そういう点では、『SKY90+経緯台』を2分でセッティング完了し庭で観望できるOさんは、機動力のある良い機材を選択したと改めて感心します。

ベランダに望遠鏡を出してもいいように思いますが、私の家のベランダでは振動がひどく、望遠鏡での観望はかなり辛い状況です。ベランダで歩くとその振動が収まるまで待つ必要があります。前の道路を自動車が走っただけでも揺れます。また、ベランダというのは見える方向がかなり限定されてしまいます。庭という選択肢もありますが、庭は地上ですからベランダ以上に視界が制限されることも多くあります。

そんなわけで、星を見たくなったらすぐに見られて、視界も最大限確保してあるような天文台が自宅にあったらいいなあ、と思うのです。もっとも、振動対策を施した天文台を作るのはたいへんなことでしょう。それに、"マイ天文台"を作ったら近くにビルが建って視界が遮られてしまった、なんて運の悪いこともあるかもしれませんが。

一方、街明かりから逃れた山に"マイ天文台"があったらいいなあ、とも思います。山に観望・観測に行くときには、休憩場所や天気、気温なども気になります。今使っている自動車は足を伸ばして横になれないので、仮眠をとっても充分に休んだ気がしません。それにいくら自動車の中であっても、寒い中での休憩はなかなか辛いものです。

まあ、それなりにゆったりとした自動車があればずいぶん違うでしょうし、まずは防寒着の充実を図るべきかもしれません。しかし、自動車や防寒が充実しても、自動車にあれこれ機材や日用品を積んで行くのは大変です。目的地に着いてから機材を下ろして組み立てる必要もあります。また、ドームの中や壁に囲まれた環境で観望・観測を行うのと、自動車の脇で観望・観測を行うのとでは利便性などにも大きな差があります。さらに電気や水道などが使えればとても便利です。

考えてみると、「マイ天文台があったらな〜」と思うようになったのには、SPGAS(現在の「さいたま☆天文同好会」)の合宿の影響もあるのかもしれません。最近の合宿では、公共の天文台や望遠鏡のあるペンションに行くことが増えています。そこでは面倒な組み立てや極軸合わせなどをせずに、風を防いでくれる環境の中で(一部そうでもない天文台もありますが。)星を見ることができます。これが好きなときに好きなように使えたらもっといいのになあ、と思うのです。

ところで、大学時代の天文同好会の後輩が“お金持ちになれそうな職業”をやっています。昔から「天文台を建てる」と言っていた後輩です。"マイ天文台"とはいかなくても、比較的高い自由度で使えるプライベート天文台を使うための早道は、お金持ちで天文が趣味の友人を大切にすることかもしれません(笑)。

贅沢を言えばきりがないのですが、気軽に落ち着いて星を見られる環境が、普段の生活に近いところと、光害から逃れた山のほうと、どっちにもあったらいいなあと思います。こんな贅沢が簡単にかなうほど世の中甘くはありませんが、“夢”の一つとして “マイ天文台” を考えたいと思います。

アップロード:2007.6.24