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3度目の水星太陽面通過(まがたま68号より)

この文章は、「まがたま68号」(2007年1月発行)に書いた記事を一部なおしたものです。「またがま」とは、私が所属する天文同好会、さいたま☆天文同好会(旧SPGAS)の会報です。なお、さいたま☆天文同好会のサイト内にある「webまがたま」では、まがたま49号(2000年12月発行)以後の記事の一部が紹介されています。

3度目の水星太陽面通過

2006年11月9日(木)に水星太陽面通過がありました。私が水星太陽面通過を見るのはこれで3回目です。前回見た水星太陽面通過は2003年5月7日に起きたものでした。このときは、雲のすき間から時々太陽が見えるような天気でした。その上忘れ物もしてしまい、なんとか写真を撮ったという状況でした。しかし、写真を撮ることはできていました。

撮影機材確認

撮影機材は、2004年の金星太陽面通過の時とほぼ同じものでした。道具は揃っているはずですが、この組合せで撮るのは久しぶりですし、赤道儀を出すのも半年ぶりでした。ちょっと不安に思って、夜のうちに一通り組立ててみました。実際に組立ててみると必要な細かいパーツがいくつかあって、それらを確認することができました。前回はいくつか忘れ物をしてしまったのですが、おかげで今回は忘れ物をしないで済みました。

朝のカスリーン公園

川の上にかかるもや

当日の日の出はおよそ6時10分。目覚し時計をセットし、日の出の少し前にはカスリーン公園に着けるように起きました。当日はとてもよい天気。カスリーン公園に着くと、利根川の上にもやがかかっていました。川原の木が、まるで島のように見えました。早く望遠鏡をセッティングすべきところですが、この風景もとても素晴らしく、数枚の写真を撮りました。

そして望遠鏡を組み立て、日の出を待ちました。すぐに、鉄橋の向こうから太陽が昇ってくるのが見えました。さすがに地平線とまではいきませんが、それに近いくらい低い高度の太陽を見ることができました。

順調に撮影

鉄橋の向こうから昇る朝日

太陽全体が姿を現したところで早速水星を探しました。しかし、さすがに低空では大気の揺らめきが激しく、小さな水星はまったく分かりませんでした。太陽の縁も、川底の石を見るかのごとくゆらゆらしていました。

ある程度の高度まで太陽が昇ると、水星が分かるようになりました。水星はやはりとても小さく、太陽の端に見えていた黒点の方が大きく見えました。

天気が良いので写真はすぐに撮れました。しかし、現象が終わるまで充分に時間があります。雲の心配をしないで済むほどいい天気なので、水星の動きが分かるように10分おきに撮ろうと決めました。デジカメのズームの位置や構図の東西方向が変わってしまわないように、デジカメはずっと望遠鏡に付けたままにしました。そのため、撮影と撮影の間には特にやることもなく、コーヒーを飲んだりしていました。通行人もなく、西の空に残っていた月齢18の月がきれいでした。

現象の最後、水星が太陽面から離れる第3接触、第4接触の前後はもっと拡大して撮ろうと思い、アイピースを替えました。また、デジカメのカードも撮影可能枚数の残りがほとんど無くなったので、別のカードに入れ替えました。ちょっと手間取ってしまいましたが、第3接触から第4接触にかけての様子もなんとか5枚ほど撮影できました。ところが・・・(続きは後日談で)。

後日談

後日談その1です。水星太陽面通過は、水星と地球の公転軌道の関係で5月か11月に起きます。そして、水星の公転軌道は離心率が大きく "かなり楕円" なので、5月と11月では水星から地球までの距離が異なります。そのため、5月の水星の方が20%ほど大きく見えるはずなのです。このことは、現象を見終わってから、まがたま57号の内山さんの記事を読んで気づきました。そこで、2003年の水星太陽面通過の写真と比べてみたのですが・・・。なにぶん、元々小さな水星です。違いはほとんど分かりません。ちょっとこっちの方が大きいかも、という程度です。むしろ、ピントの甘さによるボケで大きく見えているような感じでした。

後日談その2です。ほぼ順調に撮影できた今回の水星太陽面通過ですが、後になってちょっと困ったことが生じました。最後に別のカードで撮った第3接触、第4接触前後の写真だけ、カードからパソコンに取り込めないのです。原因はカードのフォーマットにあるようです。デジカメのカードは、カメラの機能を使ってフォーマットをすべきなのですが、パソコンでフォーマットした状態のカードを使ってしまったのです。すると、デジカメの液晶画面では画像を見られるのですが、パソコンではきちんとした画像ファイルとして認識されない状態になってしまったのです。 幸い、この問題のカードは容量が8MBという小さいもので、普段は使っていませんでした。そのため、このままの状態で置いておいても不都合はありません。デジカメのビデオ出力端子から出力した映像をテレビなどの画面に映すことも可能なので、何か手段を考えようと思っています。

補足

この記事に関連する写真のうち、以下のものがこのサイト内に掲載してあります。

アップロード:2007.2.10