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天文合宿は特殊?(まがたま67号より)

この文章は、「まがたま67号」(2006年9月発行)に書いた記事を一部なおしたものです。「またがま」とは、私が所属する天文同好会、さいたま☆天文同好会(旧SPGAS)の会報です。なお、さいたま☆天文同好会のサイト内にある「webまがたま」では、まがたま49号(2000年12月発行)以後の記事の一部が紹介されています。

今回の特集テーマは「合宿」です。SPGAS(注:現在の「さいたま☆天文同好会」)の合宿について書けることも多いと思うのですが、あえて学生時代の天文サークルの合宿に関することを思い出して書きたいと思います。

当時部長を務めていた後輩のK君とサークルの部室にいました。そこに旅行業者の人が入ってきて、「夏の合宿の予定についてアンケートをお願いしたい。」というようなことを言ってきました。大学サークルの合宿向けのプランを企画する際の参考にしたい、ということのようです。いくつか質問があったと思うのですが、その中で覚えていることの一つに、

「合宿先に望む環境、施設はどのようなものですか? 例えば、『テニスコートが必要』とか、『バーベキューができる』 『富士山方面がいい』とか、そういう希望がありますか?」

という質問がありました。これに対する我々の答えはというと、次のようなものでした。

「いや、あの・・・。天文のサークルなので、『都市から離れていて空が暗い』 『よけいな明かりが近くになくて、視界が開けている場所がある』 『一晩中出入り自由』とかそういう条件が必要なんですが・・・。」

旅行業者の人はちょっと戸惑ったようでした。そしてもう一つ覚えている質問は、

「合宿の時期は毎年決まっていますか? それは、いつごろですか?」

というものでした。これに対しても、

「えーと、星を見るのには月の明かりが邪魔になるので、『新月』といって月の無い頃に合わせて行くんです。新月の日は前もって分かっていますが年によって変わるので、決まっていると言えば決まっているし、決まってないと言えば決まってないし・・・」

という感じの答えです。旅行業者の人はこれ以上質問のしようがなく帰っていったように記憶しています。後輩と「うちらは特殊だからね〜。」「参考にならないですよね。」「新月とか言ってもよく分からないかもね。」「結局いつも使っている山荘とかですかね。」なんて会話をしたように思います。自分達は毎年同じような合宿をしていますから、なんとなく当たり前のように感じていましたが、改めて、普通のスポーツなどの合宿に比べると特殊なんだろうなー、と思いました。

ところで、学生の頃のサークルでは、宿泊施設を確保して行くのを「合宿」、宿泊施設を確保せず車の中での仮眠程度で帰ってくるのを「観測会」というような言葉の使い分けをしていました。大学が横浜にあったこともあり、富士山は最もよく行く観測地の一つでした。(天体写真の撮影地としては)近いので上記の「合宿」として富士山に行ったことはほとんどありませんでした。 あるとき、サークルの後輩がこんなことを言っていました。

「普通のサークルでは、河口湖とか山中湖とか、富士山周辺っていうと合宿地なんですよね〜。きちんと幹事がいて、宿を確保して、計画を立てて行くところであって、富士山に行くのは結構、一大イベントなんですよね。でも、うちらって、土曜の午後3時くらいになって『今日は天気いいし、観測会に行かない?』とか言って、富士山まで行っちゃうじゃないですか。なんか、すごいですよね。」

なるほど確かに、"遠出"する感覚が他のサークルとはだいぶ違うのでしょう。高速道路で2〜3時間の距離なら、日帰り(と言っても一晩いるのですが)が当たり前という感覚でしたから、「合宿」という意識はほとんどありませんでした。この辺りも、天文サークルの「合宿」と、スポーツサークルなどの「合宿」との違いだと思います。

話はちょっと変わりますが、学生時代のサークルの合宿を思い起こすと、今のSPGASの合宿と違うと感じる点がいくつかあります。 もっとも大きな違いは、学生時代はほとんど朝まで起きていた、ということです。天体写真の撮影が主体のサークルだったのですが、天気がよければ一晩中起きて写真を撮っているのが普通でした。薄明が始まってから赤道儀などの片付けを始めますから、日の出を見てから宿に戻ることも多かったと思います。その後布団に入り、8時くらいの朝食に合わせて一度起ききす。季節にもよりますが、2、3時間しか寝ていない状態での朝食なので、ボーっとした感じでご飯を食べていました。朝食の時間に起こしてもなかなか起きない人もいたものです。そして、朝食後に再び眠ります。お昼前になってようやく起き、宿を出てぶらぶらしながら昼食を食べる、といった感じでした。 もっとも、SPGASの合宿もかつてとだいぶ様子が変わったのだと聞きます。もしかしたら、以前はSPGASの合宿もこんな感じだったのでしょうか。

その時々の状況によって合宿のスタイルもいろいろと変わるのでしょうが、いずれにしてもみんなで一緒に星を見るのは楽しいものです。こうしてSPGASでも合宿に参加して楽しめるのはなんともありがたいことです。これも、合宿の幹事を引き受けてくださる方々のおかげです。最後になりましたが、合宿の幹事を引き受けてくださった方々に、改めて感謝します。ありがとうございます。

アップロード:2007.3.11