8月17日(木)
早起きをして散歩。街はまだ寝ていた。
船の出港は8時半と早いが、港は目の前の為朝食はゆっくりとる。
ポリッジと今回朝食で唯一見つけたスモークドハッドクを食べる。白飯と食べてもいいくらい美味しい。
今回最後のスコットランドの朝食と思うと寂しく、頼んだらブラックプディングと目玉焼きも出してくれた。
明るく、ホテルのカウンターの主人は送り出してくれた。ここからは二時間弱でスコットランド本土まで到着する。観光地図を見ると、以前訪れたジョノグローツが最北端だと思っていたが、最北端はダンネット岬であった。
ジョノグローツはブリテン島の西北の端で、こことコンウォールのランズエンドを結ぶ線が最も距離がある2地点ということである。
スコットランド本土へ上陸
ダンネット岬
スコットランド本土の最北端は船の着くスクラブスターからも近い。せっかくなので向かってみると、ここにもシェトランドの灯台を設計したスティーブンソン父子の設計した白亜の灯台があった。
眼前にはオークニー諸島が見渡せたが、これといって最北端の表示はなかった。
ここからはひたすらA9道路を通ってインバネスを通り、さらにアバディーンまで向かわなくてはならない。夜8時のフライトである。行きは感じなかったが、これがなかなか遠い。約350キロ、高速道路なし。だが、せっかくなので途中観光をしながら南下する。
A9道路は所々谷を下ったり登ったり、海沿いに進む。
5年前に通ったときにも見かけたプライベートの城。今回も近づこうとしたが、突然の大雨。またも行く手を阻まれる。
海沿いの断崖上に建つ白い建物がおそらく城。ただし観光案内はおろか、地図にも名前が載っていない。
ブローディー城
インバネスを越え、一路A96をアバディーンへ。まだ日は高いし、見物をしながら行こうと考える。まずはブローディー城へ。ここは伝説によるとマクベス王が魔女と出会った森がある場所。たしかに城の脇には狭い面積ではあるが、魔女の出てきそうな森があった。
城は、今でも伯爵が住む豪華な館で、19世紀の玩具部屋や台所が非常に興味深いものであった。
エルグン
さらに、エルグンの町へ。ここには廃虚になった大寺院が残されている。13世紀から建てられ、16世紀には廃虚になってしまったそうだが、巨大な塔の上まで登ると、遠くまで一望することが出来る。
敷地内にはケルトの文様の描かれた石も残されており、非常に興味深い場所だった。
往時にはかなりの規模だったことが推測される。右の石はケルトの文様が両面に刻まれている。
塔からの眺め。登るのは狭い螺旋階段で苦労する。
ハントリー城
時刻はたいていの史跡が閉まる5時に近づいていたが、頑張ってハントリーの城に辿り着いた。ここも既に廃虚にはなっているが、かなりの規模の城であったことが想像できる。
既にチケットオフィスが閉まりかけていたが、15分ならいいわよ、と中に入れてもらえる。中には牢屋や、暖炉の跡、昔の装飾の跡などに加え、ビールの醸造所も残されていて、非常に興味深かった。
威容を誇る外観だが、中身は廃虚である。右はビールの醸造所跡。
ハントリーの町の中心。奇麗な気品ある町といった感じだった。
係員に入場料を払おうとしたら、もう閉まるからいいわよ、と言われ、丁寧に感謝の意を伝えて車に乗り込んだ。
ハントリーの町は、小さいながら、城の門前町といった感じで、町自体にも風格のある場所だった。
ロンドンへ
既に5時半。8時がフライトである。ひたすら空港を目指す。
乗り込んだ飛行機の窓からは、島々からから飛んできたと思われるプロペラ機が着陸した。
島はやはりいいなと思いつつ、夕闇が迫る中、BA機はロンドンへ向け離陸。今回のスコットランド旅行は終了。