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Soft Rock
- Various Artists -


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STRAWBERRY BUBBLEGUM - STRAWBERRY STUDIO RECORDINGS 1969-1972 STRAWBERRY BUBBLEGUM - STRAWBERRY STUDIO RECORDINGS 1969-1972 / VARIOUS ARTISTS

 10ccがそのデビュー前(一部はデビュー後)に、自ら設立したSTRAWBERRY STUDIOで録音し、いろんな名義で発表した作品をコンパイルした編集盤。個人的にはFADING YELLOW VOLUME 4に収録されてた「ANIMAL SONG」みたいな曲を期待していましたが、1曲を除き、ここにあるのは毛色が違いますね。1969-1972とありますが、1969年のは1曲だけ、大半は1971-1972年の作品のためか、70年代臭が濃厚。ともかく、10ccには興味あるけどシングルコレクターでない人間にとっては、このCDでまとめて聴けるのは非常に便利だとは思います。

 ここにあるアーティスト名は10ccの変名だったり、や実在アーティストの名義を借りたが実態は10ccだったり、曲提供した他アーティストのバックを務めたりと様々。考えてみれば10ccというのも本来は彼らの変名の一つだったのが、売れたので実体化しただけなのかもしれません。

 また、本盤に関しては、拙文よりも こちらのサイト を読まれたほうが、大変参考になると思います。

 以下、全収録曲を記載。



ROUND THE GUM TREE THE BRITISH BUBBLEGUM EXPLOSION! ROUND THE GUM TREE THE BRITISH BUBBLEGUM EXPLOSION! / VARIOUS ARTISTS

 SANCTUARYレコードから出たコンピレーション。タイトルに相違なく、まさにバブルガムのオンパレード。耳当たりが良すぎるリフレインを持つ、ローティーン向けで能天気でわかりやすい、芸能界の匂いもするティニー・ポッパーな曲がこれでもかというぐらい収録。米バブルガム有名曲のカバーも多い。この中で聴くとTHE STATUS QUOやSCRUGG、SMOKEでの英サイケ・ポップ風味が目立つ。またTREMELOESの手堅く完成度が高い楽曲や、THE FRESHMENやTHE BYE-LAWSのやりすぎとも思えるBEACH BOYSぶりも目立ちます。

 以下、収録曲を記載。



CALL ME THE SONGS OF TONY HATCH CALL ME THE SONGS OF TONY HATCH / VARIOUS ARTISTS

 60年代より活躍を続け、英国を代表する職業作曲家でありアレンジャー/プロデューサーでもあるTONY HATCHの作品集。60年代に所属したPYEレコードの作品を2枚組60曲も収めている。値段は通常の1枚もののCDと同程度(かちょっと安い)なので実にお買い得盤です。

 PYEレコードは大手でも弱小だったせいか、夥しい仕事量だったのにどれもクオリティが高いのは驚異的。全米NO1を獲ったまさに彼の代表曲でもある「DOWNTOWN」を歌ったPETURA CLARKや奥方だったJACKIE TRENT、「YOU'VE GOT TO BE LOVED」のMONTANASといった代表的アーティストの作品は特に高品質。甘すぎず、湿っぽくならず、程良く艶やかで、下世話さがなく品のいいメロディーを書くのに長けている。それをくるむスキのないアレンジメントも見事。バカラックやゴフィン=キング、バリー・マンらのエッセンスを吸収してイギリス風に拡大再生産してると感じます。

 さらに、THE BREAKAWAYSの「THAT'S HOW IT GOES」でのパンキッシュなガールグループものから、俳優が歌うノベルティな曲もあれば、THE SETTLERSの「MAJOR TO MINER」といったJIMMY WEB風というかソフトロックな曲までも書く才能は凄い。まさにポップの職人にして名匠の工芸品の如き作品をたっぷり堪能できます。

 ソフトロック寄りではTWO OF EACHの曲「TRINITY STREET」「COLOUR MY WORLD」「SUMMER OF OUR LOVE」はどれも良い。TONY HATCH&CHERRY CHILDRENの「YOKO」はチルドレンものの逸品。日本名ながらチャイニーズなフレーズが出るのには苦笑ものですが。あとはTHE OVERLANDERSの「MY LIFE」やIVY LEAGUE風なTHE SANDS OF TIMEの「WHERE DID WE GO WRONG」「ONE DAY」が印象的。NINETTEという女性シンガーは、このコンピの中では妙に素人くさい歌い方だなと思ったらなんとTONY HATCHの妹だそうです。(2002/12/29)



BUTTERCUPS & RAINBOWS THE SONGS OF MACAULAY & MACLEOD BUTTERCUPS & RAINBOWS THE SONGS OF MACAULAY & MACLEOD / VARIOUS ARTISTS

 PYEレコードでヒット曲を大量生産しまくった作曲家コンビ、TONY MACAULAYとJOHN MACLEODのペンによる曲を集めたアンソロジー。洗練されてるというよりは中道的だが、老若男女にうけそうなキャッチーさと軽快さを持つメロディー作りに長けた彼らの曲が2枚組50曲も収録されている。R&B〜ソウルからアクを抜いておいしいとこを抽出したようなポップな楽曲群、ミディアムテンポでシャッフル調の曲がズラリ並ぶ。

 FOUNDATIONSやTHE FLYING MACHINEやPICKETTYWITCHやLONG JOHN BALDRYやPAPER DOLLSといった彼らの「代表的アーティスト」の有名曲も収録されてるので入門盤としても使えますね。比較的黒っぽいFOUNDATIONS、割とスローでAORなLONG JOHN BALDRYなどアーティストによって曲を書き分けているのも伺えます。

 今回、私が初めて聴いたなかで気に入ったのは、軽快なTINA TOTの「BURNING IN THE BACKGROUND OF MY MIND」にTHE COMMITTEEの「SLEEP TIGHT HONEY」、THE BREAKAWAYSにも似た音圧の高いコーラスが印象的なTHE SAFFRONSの「BABY,BABY I CAN'T LET YOU GO」と「GIVE ME TIME」、子供コーラスが入る、このコンピのタイトルの片割れにもなったDAVID GARRICKの「RAINBOW」、珍しくミュージックホール的なCARL WAYNEの「YOU'RE STAR」、かすれ声が印象的なTHE INTENTIONSの「THERE'S NOBODY I'D SOONER LOVE」あたりかな。(2001/11/18)



THE MELODY GOES ON SOFT ROCK VOL.1 THE MELODY GOES ON SOFT ROCK VOL.1/VARIOUS ARTISTS

 ソフトロックブームの火付け役となったらしい編集盤。恥ずかしながらつい最近買って聴きました。CURT BOETTCHERプロデュースのETERNITY'S CHILDRENを皮切りに、P.F.SLOAN等の作品を挟みながらも後はROGER NICHOLS関連作品とGARY ZEKLEY関連作品集といったとこ。

 JASRACのシールは張ってありますが、好事家による海賊盤という趣きです。3000円というの高めの値段ですが本盤の売上は演奏した本人たちに印税は渡るのでしょうか?収録曲の音源はすべて盤おこしだと思いますが、ここに収録されてる未発表曲はどうやって入手したのでしょうか?などと素朴な疑問が沸いてきますが、レアばかりで怒涛の選曲の前には、ここはソフトロックの甘い世界に浸る方が気が楽です。

 ETERNITY'S CHILDRENはもうすぐ正規盤がCD化されるそうで、楽しみです。YELLOW BALLONを結成するGARY ZEKLEYの作品はPHIL SPECTORをさらに甘くして叙情を加えた印象。

 ROGER NICHOLS TRIOの音源は現在「THE COMPLETE ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS」にも収録されてますが、本盤が出た1993年当時はとても貴重だったことでしょう。THE FOUR KING COUSINSによるカバーがとてもプリティな出来。(1999/08/22)



THE MELODY GOES ON SOFT ROCK VOL.3 THE MELODY GOES ON SOFT ROCK VOL.3/VARIOUS ARTISTS

 ソフトロックブームの火付け役となったらしいシリーズの第3巻で最終巻。前2作は収録曲にある程度の一貫性がありましたが、本作は最終巻らしく、とにかくソフトロックの名曲をかき集めましたという趣き。また、このシリーズではおなじみの隠しトラックもあり。

 とにかく傑作が多いのですが、モータウンなリズムにコーラスやホーン、ストリングスがゴージャスに乗っかるFOUR SEASONSの「I'M GONNA CHANGE」や終盤のコーラスが見事なORANGE COLORED SKYの「THE SUN AND I」、CURT BOETCHERのやりすぎなコーラスアレンジが楽しいTOMMY ROEの「MOON TALK」、インストかと思ってると突如歌が切り込んでくるのが快感なFUN AND GAMESの「CLOSE TO CARMEL」が個人的には聴きもの。

 収録されている曲は現在では他のコンピ盤でも聴けるのも少なくないのですが、1995年の発売当時はここでしか聴けない音源だらけだった事でしょう。今でも、収録アーティストも多いし、そのアーティストのオリジナル盤がCD化されていないのもまだ結構あるので、なかなか貴重な一枚。(2000/03/20)



LOOK AT THE SUNSHINE & DREAM TIME LOOK AT THE SUNSHINE(BRITISH SUMMER TYME POP)/VARIOUS ARTISTS
DREAM TIME(BRITISH SUNSHINE POP)/VARIOUS ARTISTS

 PYEおよび傘下のPICCADILLY音源を使用したRIPPLESというコンピュレイション盤シリーズのVOL1と2。収録アーティストはKINKSやSEACHERSなどのビックネームからROGER GLOVERがいたEPISODE SIX、無名アーティストまで玉石混淆。

 サブタイトルからもわかるように、イギリスの夏の日溜りを思わせる、ぬるい楽曲群が堪能できます。はっきり言って駄曲が多いのですが、そんな中にあって当時のヒットグループTHE IVY LEAGUEやROCKIN' BERRIESの作品、BYSTANDERSなどによる米ソフトロック名曲のカバー、またTONY HATCH絡みの作品は、はずれ楽曲と並べると完成度の高さが目立ちます。また、BEACH BOYSやLOVIN' SPOONFULのカバーも多く、イギリスにおける当時の彼らの影響度が伺える。

 TIMONの「THE BITTER THOUGHT OF LITTLE JANE」やRAINBOW PEOPLEの「DREAM TIME」はサイケ・ポップの範疇に入ると思います。こういう曲をもっと聴きたい方には同じPYE音源による、1994年に日本盤も出た「PAISLEY POP PYE PSYCH & OTHER COLOURS 1966-1969」がお薦め。(1999/10/31)



THE AUTUMN ALMANAC RIPPLES VOLUME 3 THE AUTUMN ALMANAC RIPPLES VOLUME 3/VARIOUS ARTISTS

 PYEおよび傘下のPICCADILLY音源を使用したRIPPLESというコンピュレイション盤シリーズのVOL3。いかにものジャケットや看板アーティストKINKSのヒット曲から取られたタイトルからもわかる通り、今回のテーマは秋。そのためか、ソフトロックな曲も幾つかはありますが、フォーキーでイギリス臭い曲が多い。アメリカ産ソフトロックのもつ能天気さは少なく、落ち葉が積もるレンガ道を踏みしめているような黄昏た印象。前作をこのソフトロックのコーナーに置いた関係上、本作もここに置きましたが、もう一つのコーナーに使用か迷ったぐらいです。

 イギリス臭いやつで聴きものはまず、2曲目めTHE KYTESの「FROSTED PANES」。さりげなく室内楽的なアレンジがイギリスっぽい。アメリカだったらもっと大げさなアレンジになったでしょう。8曲めTONY JORDANの「THE WIND CALLS」、素直に美しいこの曲の前では、ソフトロックだのサイケ・ポップだのというジャンルわけが馬鹿らしく感じます。秋が深まり行く中で聴いたらさらに感動的であろう。22曲めTHE FRUGAL SOUNDの「I'M ON YOUR SIDE」は3拍子なトラッド臭い曲ですが、さわやかな男女コーラスが乗っかるのが面白い。同じグループによる11曲めの「NORWEGIAN WOOD」はこの曲のフォークっぽい部分を強調したカバー。29曲めWEST COAST CONSORTIUMの「LOOKING BACK」、ほんの少しBEACH BOYS風のコーラスにメロトロンがしみわたるバラード。1967年ならではの曲です。このグループは後にCONSORTIUMと名前を短くしてサイケ・ポップの大名曲「ALL THE LOVE IN THE WORLD」をTOP30にランクさせてます。

 ソフトロックぽいやつでは、MONTANAS、THE IVY LEAGUE、THE ROCKIN' BERRIESといった中堅どころを除くと、まず6曲めTHE SETTLESの「TILL WINTER FOLLOWS SPRING」。このグループはPYEに「MAJOR TO MINER」という同じくソフトロックの傑作をのこしてます。19曲めTHE FRESHMENの「JUST TO SEE YOU SMILE」はコーラスが華やかなサビがききもの。17曲めTHE FACTOTUMSの「CLOUDY」は乾いた曲調。28曲めSIGHT&SOUNDの「JACKIE」も同傾向だが少々力みあり。(2000/03/20)



UPTOWN GIRL AND BIG CITY BOYS RIPPLES VOLUME 4 UPTOWN GIRL AND BIG CITY BOYS RIPPLES VOLUME 4/VARIOUS ARTISTS

 PYEおよび傘下のPICCADILLY音源によるRIPPLESシリーズの4巻め。ブリル・ビルディング・ポップならぬブリット・ビルディング・ポップ編。1999年に出たものですが、「今さら」買って聴いてみました。

 収録曲はやはりKING=GOFFIN作品など、ブリル・ビルディング系のカバーが多い。1964-1965年にかけての録音が主体で音圧も大きめ。ソフトロック的には前時代的な楽曲ばかりです。

 女性ボーカルの作品では、同じPYE音源の「HERE COMES THE GIRLS」シリーズとダブる曲も多い。その中では3曲目TAMMY ST. JOHNの「DARK SHADOW AND EMPTY HALLWAYS」の、オーケストラなアレンジと彼女の熱唱がなんともドラマチック。22曲目THE BREAKAWAYSのパンキッシュとよく評される熱唱も強烈。

 その他で耳を引くのは、まず9曲目PETULA CLARKの「WHO AM I?」。アメリカ追随の楽曲だらけの中では、この曲の作者TONY HATCHのセンスの良さが際だちます。あとは20曲目PRECIOUS FEWなるグループの「YOUNG GIRL」、1968年の作品ですが、TONY MACAULAY風な曲でしかもJEFFERSONばりの朗々たる歌声が聴けるという、これだけ汎ソフトロック的な曲。(2002/02/11)



JINGLE JANGLE MORNINGS RIPPLES VOLUME 6 JINGLE JANGLE MORNINGS RIPPLES VOLUME 6/VARIOUS ARTISTS

 PYEおよび傘下のPICCADILLY音源によるRIPPLESシリーズの6巻め。タイトルとジャケットはなかなか良い雰囲気です。フォークロック編ということらしいですが、その割には「GO WHERE YOU WANNA GO」「GIVE A DAMN」といったソフトロック名曲のカバーや、ブルージーな曲もちょっと入っていたりします。

 地味な曲が多く、あまり良い評判を聞かない6巻めですが、個人的には2つほど素晴らしい曲が入ってます。まず18曲めTONY JORDANの「LONG BLACK HAIR OF BONNY」。物憂げなボーカル、室内楽なアレンジが最高。パーカッションにはなんとなくPET SOUNDSの影も感じる。この曲はRIPPLESのVOL.3にある「THE WIND CALLS」のB面曲だそうです。もうひとつが22曲めにあるMANの前身にあたるTHE BYSTANDERSの「PAINTING MY TIME」。ちょっとカントリーぽくもあるが、DONOVANのような歌い方で、ブリッジ部分がまるで夢心地。

 まあいいかなというのが、3曲めTHE FIRST GEARの「GOTTA MAKE THEIR FUTURE BRIGHT」、朗々と歌う11曲めPAUL ARNOLDの「SOMEWHERE IN A RAINBOW」、出だしがまるでSQUEEZEな16曲めFIVE'S COMPANYの「DEJECTION」、BYRDS風な19曲めTHE KNACKの「DOLLY CATCHER MAN」、「PAISLEY POP PYE PSYCH & OTHER COLOURS 1966-1969」にも収録されていたアシッド風な21曲めTHE KYTESの「BLESSED」。途中から3拍子になる28曲めTHE UGLY'Sの「WAKE UP MY MIND」。29曲め、ジャケットにも写っているTHE SETTLERSの「EARLY MORNING RAIN」。(2001/05/27)



RAINBOWS RIPPLES VOLUME 7 RAINBOWS RIPPLES VOLUME 7/VARIOUS ARTISTS

 PYEおよび傘下のPICCADILLY音源によるRIPPLESシリーズの7巻め。4巻や5巻めあたりはネタも大したことなさそうだし、ジャケもいまいちなので食指が動きませんでしたが、今回はいつもの2巻同時発売のとこを1つに絞ったためか、なかなかの充実振り。

 聴きどころはソフトロック名曲のカバーに、3曲収められたCONSORTIUM(1曲はWEST COAST CONSORTIUM名義)でしょうか。

 特にTHE TWO OF EACHなるグループによるROGER NICHOLSのカバー「TRUST」は、男女の掛け合いにして切迫感をUPさせたすぐれもの。元ROCKIN' BERRIESのJEFFERSONによるLOVE GENERATIONのカバー「MONTAGE」はLOVE GENERATIONがなかなかCD化されないのでここで聴けたのはもうけもの。THE FRESHMENによる「CARPET MAN」やTHE MONTANASによる「I'M GONNA CHANGE」もオリジナルにさほど劣らない出来だと思います。HOMER'S KNODSによるMARK WIRTZのカバー「MR RAINBOW」はユルめの出来。

 WEST COAST CONSORTIUMの「SOME OTHER SOMEDAY」はRIPPLES3巻めに収録された「LOOKING BACK」の片面だったという曲。やはりメロトロンが印象的で、純朴なバラード。CONSORTIUMになってからの2曲、BEACH BOYSぽい「WHEN THE DAY BREAKS」と転調を繰り返す「I DON'T WANT HER ANYMORE」も佳作。

 PYEの中堅どころ、THE IVY LEAGUEとTHE FLYING MACHINEはそれぞれの最大のヒット曲が収められており、わざわざこのコンピに入れることはないんじゃと思います。そういえば「TOSSING AND TURNING」はKISSのPETER CRISSが確かVINI PONCIAのプロデュースでカバーしてたと思います。

 その他THE COOKIESの「TO SEE SUCH FUN」、THE NEW FACESの「THE LIFE THAT I LEAD」、再びTHE TWO OF EACHの「SUMMER OF OUR LOVE」は躍動感がありソフトロック的にはなかなかの作品。最後の2曲は黄昏た曲調で、〆も良いようで。(2000/10/15)



BUTTERFLY RIPPLES VOLUME 8 BUTTERFLY RIPPLES VOLUME 8/VARIOUS ARTISTS

 VOL.7で完結したかと思われていたRIPPLESシリーズが、ほぼ2年振りに復活。PYEおよび傘下のPICCADILLY音源による玉石混淆の激しいこのシリーズ、ネタがまだ残っているのかと心配になりましたが、そこそこの曲が集まってます。

 中盤にジェントルで優雅な曲が集中しており、そこが一番の聴きどころです。収録曲でいうと10曲目PUSSYFOOTの「DEE DEE DO YOUR DANCE」から18曲目本シリーズの常連FRESHMENの「CLOSE YOUR EYES」あたりまで。11曲目THE MONTANASの「LET'S RIDE」はROGER NICHOLS名曲のユルめカバー。13曲目THE MARMALADEの「BUTTERFLY」本盤のタイトルにもなった曲ですが、BEE GEESの3兄弟作によるこの作品の完成度は飛び抜けています。優雅でしなやかで爽やか、ヒットはしなかったそうですがまさにエヴァー・グリーンな曲。14曲目GARY ASTONの「HIS LOADSHIP」はジャジーなアレンジが異色だが、本コンピではいいアクセントになってます。15曲目THE QUIET WORLD OF LEA AND JOHNの「THERE IS A MOUNTAIN」も主旋部分はすばらしい。

 後半はバブルガム風な曲が多い。IVY LEAGUEのJOHN CARTERが作曲に加わった23曲目JOHN CHRISTIAN DEEの「TAKE ME ALONG」、25曲目、彼らも常連のCONSORTIUMの「CYNTHIA SERENITY」など。

 その他では、3曲目EPISODE SIXの「TIME AND MOTION MAN」はアシッド臭が本シリーズにそぐわないが、これもIVY LEAGUEのJOHN CARTERが作曲に加わった逸品。5曲目THE TWO OF EACHの「TRINITY STREET」、VOL.7「RAINBOW」ではROGER NICHOLSの「TRUST」の素晴らしいカバーを聴かせてくれた彼ら、ここに収められたのはTONY HATCH作品ですが、これも佳作。6曲目THE NEW FACESの「(WALK TALL) LIKE A MAN」も良いが、「HERE COMES THE GIRLS」シリーズで聴いたような気もする。9曲目THE YOUNG BLOODの「MASQUERADE」はバスドラとベースのシンクロがへピーで音圧高く、迫力あるなと思ったらドラムはあのCOZY POWELLなそうな。(2002/10/06)



ANDERS 'N' PONCIA POP WORKS ANDERS 'N' PONCIA POP WORKS/VARIOUS ARTISTS

 作曲家コンビANDERS&PONCIAが1966〜68年の間にブッタ、カーマ・スートラでいろいろ関与した作品を集めた編集盤。1枚目に自演、変名での作品、プロデュース作品を収め、2枚目には彼らがメンバーでもあったTHE INNOCENCEとTHE TRADEWINDSのLPをまるごと収めたお徳な2枚組。

 この時期、大ヒットは出なかったが新興レーベルを舞台に縦横無尽の活躍。甘酸っぱいメロディー、さりげなくも巧みな転調が、大瀧詠一、山下達郎といった大先生をも魅了したことでしょう。ほとんどが間奏なしの2分30秒内のごく短い曲ですが、そこに惜しげもなく彼らのエッセンスが盛り込まれています。

 このCDは1994年に発売されたものですが、数曲を除いて音質がひどい。まるで安物ノーマルポジションのカセットテープを聴いているようです。ここの音源は現在違う形でCD化されていると思いますが、音質は改善されているのでしょうか。

 また、ロンバケ風ジャケットに大瀧詠一氏の英文推薦文。ライナーにはソフト・ロックという表現は一切ない辺りに、まだ5年前ですが、時間の流れを感じます。。

 個人的にはBOBBY BLOOMの作品がベスト。ANDERS&PONCIA他が作曲に絡んだメロディーを彼のソウルフルな声が歌い、洗練されたコーラスとストリングスがそれを包む作品。とても1967年の楽曲とは思えません。70年代のニュー・ソウルにも通じるものがあると思います。

 MULBERRY FRUIT BAND名義で出した「YES WE HAVE NO BANANAS」というノヴェルティな曲はKEVIN AYERSの76年の作品「YES WE HAVE NO MANANAS」のタイトルの元になったのではないでしょうか。いかにもKEVINが好きそうな能天気ポップだし、彼がこだわる「BANANA」が入ってるし、誰が真相をご存知でしょうか。(1999/05/16)