CURT BOETTCHER関連の主要作品とて知られる1966年発表のアルバムがやっとCD化。TOMMY ROE自体も「SHEILA」等の大ヒットで知られてますが、バブルガム系シンガーだったのでオリジナルアルバムのCD化が遅れていたようです。
「コーラスの魔術師」CURT BOETTCHERがやり過ぎてしまった作品ですが、ここに収められている「MOONTALK」を初めて聴いたときは、そのマッドでぶっ飛んだコーラスアレンジに圧倒されました。MY WHITE BICYCLEで星空のドライブをして月面でレイヴパーティをやっているようです。タイトル曲もダイアモンド・ダストが降ってくるような美しいアレンジです。「CRY ON CRYING EYES」もCURTらしい内省的な、というよりややダークなアレンジ。
ポップスとしてはトゥー・マッチで、CURTがクビになるのも必然でしょうが、「GOLDEN GIRL」「SING ALONG WITH ME」「LONG LIVE LOVE」「NIGHTTIME」「SWEET SOUND」といった穏健でメロディアスな曲を書いたTOMMY ROEもさすがです。CURTなしですが、ソフト・ロックとしては傑作だという次作「PHANTASY」も是非CD化してほしいところです。
ただ、このCDは音がこもって悪いような気もします。ブートCDよりはマシなのでしょうが。例えばタイトル曲を本盤と1997年に出たオムニバス盤「MELODIES FOR YOU」(MVCE-22005)とで聞き比べてみると、後者はシングルバージョンなのかステレオで、音もクッキリしています。(2006/10/22)
テキサス出身のグループ唯一の作品。クラブ・ユースなアルバムだったそうですが、待望のCD化。ジャケの写真は不鮮明でプライベート盤ような佇まいですが。
「ブラジル&ソフトロック」とか「ボサ・ソフトロック」とか言われてるみたいですが、聴いてみると思ったよりジャジーでクール。エレピ、オルガン、ギターどれも洗練されている。個人的にはWENDY & BONNIEにも似た印象です。1969年の作品ですが、今のカフェに似合いそうですね。
有名曲のカバーも多いですが、俗ぽくならずクールな感触。特に「WITHOUT HIM」のパッパラコーラスは印象的。オリジナル曲も悪くない。最後はメンバーのプレイヤーとしてのエゴが出てしまった曲なのも、ご愛敬。(2004/01/11)
CYRKLEのヒット曲「TURN DOWN DAY」を書いたJERRY KELLERなる人物がプロデュースし、CYRKLEの路線で売り出したグループ。CONNEXIONの綴り方も意識したのか。全曲の作曲とアレンジはJERRY KELLERとDAVE BLUMEで、件の「TURN DOWN DAY」のカバーもあります。ジャケでは金髪の双子がにこやかに笑ってますが、先のプロデューサー達による実体のないでっち上げグループかも知れません。もともと存在も怪しげだが、HUGO-MONTESというとこから出たこのCDも、WEB VANDAによるとブートくさいとのこと。
しかし内容は素晴らしい。どうしてもCYRKLEと比較してしまいますが、CYRKLEが醸し出していた品の良さは感じられず、バブルガムぽいが、こちらの方がよりドリーミー。曲の出来も良いが、ボーカルのエフェクト処理、流れるようなストリングス、ハープシコードやマリンバ、時にはシタールやテルミン等を取り込むなど、アレンジも丁重な仕事振り。
個人的なお気に入りは、躍動感と甘酸っぱさを同時に感じさせる3曲目「I THINK I KNOW HIM」。7曲目「FOOLIN' AROUND」。ファルセットのコーラスとストリングスが美しい9曲目「SUMMER SADNESS」。HARPERS BIZARRE風ながら彼らよりドリーミーな11曲目「OH WHAT A LOVELY DAY」。(2002/07/14)