MAINLOGO

Soft Rock
- N -


選択されたCDにスクロールされるまでしばらくお待ちください。
このページから出る場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを使用してください。



THE MOTH CONFESSES THE MOTH CONFESSES / THE NEON PHILHARMONIC

 「レコード盤上のオペラ」とのサブタイトルがついた、1969年に発売された彼らの1ST。大げさなグループ名だが、TUPPER SAUSSYという人物が全曲を作曲し、DON GRANTという人がボーカル。

 荘厳過ぎず華やかなオーケストラが印象的ですが、曲自体も良くできている。出だしの「BRILLIANT COLORS」での凝った曲構成は、BRIAN WILSON風でもある。TUPPER SAUSSYという中心人物はウォルト・ディズニーのミュージカルの挿入曲をネタにアルバムを作ったことがあるというのも納得。

 このめくるめくシンフォニックな音を4トラックで作ったというのは驚きですが、本作がナッシュビルで制作され、当地の(!)シンフォニー・オーケストラが参加とは意外です。

 ボーナストラックで収められたシングル曲は手堅い作りで、アルバム曲の後で聴くと、特に弦楽器のアレンジが普通すぎていまいち面白くない。TUPPER SAUSSYのやりたい放題にさせた方がと思ってしまいます。その中では「HEIGHDY-HO PRINCESS」が良い。(2001/09/02)



HAPPY HEART HAPPY HEART / NICK DE CARO AND ORCHESTRA

 A&M作品などで有名なアレンジャーのファーストソロ。ジャケットも一目瞭然、イージーリスニングな体裁。11曲中ボーカル入りは2曲だし、オリジナルは1曲のみで後はスタンダートな曲ばかり。編曲家が自分名義で出すアルバムだから当然か。

 しかし彼の繊細で洗練されていて、嫌みのないアレンジ術がよくわかる作品集。さすがにBEATLESの曲などではスーパーのBGM風で、近所で日用品を買い物しているような感覚に襲われますが。

 唯一のオリジナル「LOVE IS ALL」はスタンダートかと思わせるような作品。「I'LL FORGET YOU」は美しいメロディーが際だちます。「QUIET SUNDAY」はA&Mらしい柔らかいペットの音が気持ち良い。そして本作のハイライト「CAROLINE,NO」。多くの人がベストカバーと推している作品。夜更けのバーで一人でいるときに聴きたい。

 裏ジャケットにある御本人の2枚目なポートレートは、あの「イタリアン・グラフティ」の人と同一人物とはとても思えません。(2001/04/29)



PANDEMONIUM SHADOW SHOW PANDEMONIUM SHADOW SHOW / NILSSON

 JOHN LENNONに絶賛された事でも有名なNILSSONのファースト。収録曲にちなんだ小物に囲まれたジャケットも印象的。MONKEESが取り上げた「CUDDLY TOY」やBS&Tが取り上げた「WITHOUT HER」が入ってます。そういえばソフト・ロック界隈では彼の事がその功績の割にはあまり取り上げられていないように思います。ハーモニーが少なく、彼自身が朗々と歌うのが気に入られないのか、あるいはポップスにしては諧謔的とか、アルバムによって振幅が大きいとか、色々やりすぎることが多く、その過剰さゆえでしょうか。

 このアルバムでは歌詞は皮肉に満ちていますが、ふんわりと柔らかなホーン類に包まれて、ノスタルジックな曲調を彼が時にスキャット風をまじえて歌う曲が多い。「1941」とか。そんな気だるいともいえる雰囲気の中では、ちょっとバカラック風で洗練されたアレンジの「THERE WILL NEVER BE」は割と異色。アルバム最後の「RIVER DEEP MOUNTAIN HIGH」のシャウトも強烈。

 BEATLESのカバー「YOU CAN'T DO THAT」はBEATLESの色んな曲の歌詞を織り込んでるのが面白い。だいたいソフト・ロックといわれているアーティストのBEATLESカバーは、営業上やらされましたと言わんばかりのつまらないものばかりだが、これは例外。(2002/09/01)