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Soft Rock
- J -


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SAVE FOR A RAINY DAY SAVE FOR A RAINY DAY / JAN & DEAN

 BEACH BOYSと人脈が密接につながるデュオによる、彼らの「PET SOUNDS」ともいえる名盤。けだるめの曲を雨音のSEで繋いだコンセプトアルバム。片割れJANが交通事故で瀕死の状態だったので参加していないとか、1966年に自身のレーベルから発売後、曲目を変えて別レーベルから再発売する予定だったのが中止になった、しかし何故かその日本盤が出たとか、数奇な運命を辿ったアルバム。それゆえに幻の名盤扱いをうけていた作品。これはボーナストラック満載で1996年に発売されたSUNDAZED盤。

 このCDでは5〜14曲目が本編にあたり、あとはボーナストラック。トータル性のあるアルバムなので、ボーナストラックは本編後にまとめておいて欲しかったところです。あと音質も悪い。でもそれらを補っても余りある出来です。雨音のSEが聴くものをリラックスさせるし、曲もソフトロックというには暗めだけど、たそがれた良い雰囲気のものばかりです。

 5曲目にしてアルバム本編のオープニング「YELLOW BALLOON」は作者のGARY ZEKLEYがYELLOW BALLOON名義で発表した方がヒットしてますが、晴天を思わせる明るくポップなそのバージョンに比べると、JAN&DEANの方は雨の中で口ずさんでいるような雰囲気で、その方がこのアルバムには合っていると思います。8曲目「WHEN SUNNY GETS BLUE」はジャジーな出だしから途中(多分)メロトロンが自己主張するアルバム中特に印象深い曲。9曲目「LIKE A SUMMER RAIN」はGARY ZEKLEYによる傑作。まるで柔らかい天気雨をあびてリフレッシュしているよう。11曲目でLOVIN' SPOONFULのカバー「RAIN ON THE ROOF」もけだるくいい雰囲気。アルバム本編は14曲目のインスト「SAVE FOR A RAINY DAY THEME」で美しく締められている。2度目に発売されるときに収録される予定だった(何故か出た日本盤には収録された)3曲目「LULLABY IN THE RAIN」もいかにも子守歌らしく、アルバムに入れても調和が崩れなかったであろう作品。

 タイトルの「SAVE FOR A RAINY DAY」は「まさかの時の備え」という意味もあり、これってJANの事故後に出たこのアルバムと出した自分たちに対する皮肉なのかもしれません。

 彼らは1950年代にはもうレコードデビューしていたとか、BEACH BOYSより早く全米NO.1ヒットを、BRIAN WILSONの曲「SURF CITY」で獲得したとか、その一つ前のシングル「LINDA」(1963年)のモデルになったのはその後のPAUL McCARTNEY夫人の事だとか、不思議なエピソードが幾つかあるグループです。(2002/05/26)



THE COLOUR OF MY LOVE THE COLOUR OF MY LOVE / JEFFERSON

 元ROCKIN' BERRIESのメンバーで、英でタイトル曲、米では「BABY, TAKE ME IN YOUR ARMS」の中ヒット曲を持つソロ歌手の1969年発表のアルバムが待望のCD化。

 ROCKIN' BERRIESの最大のヒット曲「HE'S IN TOWN」では裏声を聴かせてくれた人ですが、ここでは彼の伸びやかな声を聴くことができます。バブルガムな曲でも甘くなりすぎず、おセンチな曲でも湿っぽくならずにさらっと乾いた仕上がりを見せるところは、まさにソフトロック。

 SCOTT McKENZIEやKEITHのようなピースフルなポップ歌手路線をねらって、ROCKIN' BERRIES時代の名前であるGEOFF TURTON(ライナーによるとGEOFFはゲオフと発音するらしいですが)をJEFFERSONと表記を変えたそうでが、彼の声質にはちょうど良い選択だと思います。

 汎ソフトロックな楽曲が並びますが、その中では異色なトラッドの「SHENANDOAH」からJIM WEBBの「MONTAGE」に移る場面展開は美しい。ボーナストラックが2曲入ってますが、輸入盤で未発表曲を含む全音源を収めたCDが出ているそうです。(2001/08/05)