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Soft Rock
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BREAKING UP IS HARD TO DO BREAKING UP IS HARD TO DO/HEAVEN BOUND WITH TONY SCOTTI

 LOVE GENERATIONのプロデューサーやら元SUNRAYSやらOSMONDS FAMILYのプロデューサーでもあるMGMレコードの副社長やらが集まった女性1人を含む5人組の唯一のアルバム。LPは収録曲が異なる2種類があったがCDではその全曲が収録されている。

 玄人集団だけに手堅いアレンジ・演奏に分厚くゴージャスなコーラス。だが安定しすぎていて、めくるめく感がない。スリルがない。

 特にA面にあたるとこはぬるま湯な、能天気な曲が多い。ストリングスがうっとおしく、軽快さに欠ける。本盤のセールスポイントでもあるロジャニコの曲は分厚いコーラスが逆に曲の良さが相殺しているように感じます。

 B面の部分でだいぶ持ち直す。NEIL YOUNG作の「ON THE WAY HOME」、歯切れの良い「REACHING OUT FOR SOMEONE」、デビュー曲「HE'D RATHER HAVE THE RAIN」、CARNIVALの「A FAMOUS MYTH」にも似た朝もやに包まれたようなバラード「COME RUN WITH ME」など佳作が目白押し。そういえば必然性をあまり感じないBEATLESの曲で〆るのもCARNIVALと同じ。

 ソフトロックというより70年代ポップス的な感触です。NEIL SEDAKAのオールディーズ「BREAKING UP IS HARD TO DO」をカバーするあたりはCARPENTERSのように70年代ポップスの常套手段の一つだと思います。(2000/05/28)



THIS IS US THIS IS US/HARMONY GRASS

 これまたソフトロックのブームで発掘された、BEACH BOYSばりのコーラスを聴かせるイギリスのグループ。

 彼らの売りはやはりコーラスの上手さでしょう。BEACH BOYSと同じようにFOUR FRESHMENに影響を受けたそうですが、当時のイギリスでは並ぶものがいなかったのでは。ボーナストラックにはラジオ番組でのライブ演奏も収められています。演奏も割と上手いが、コーラスに関してはおそるべし完璧なレコードの再現。

 曲調はBEACH BOYSそのものというのが割と少なく、ボサノバありジャズ調ありやはりアカペラありとバラエティに富んでいます。どれもお得意のハーモニーがふんだんに挿入されて、当時1曲の中ヒット(MOVE IN A LITTLE CLOSER BABY)しかなかったというのが信じられないぐらい完成度が高い。ただ、オリジナル曲のいくつかでは転調がしつこいように感じます。

 収録曲のうち「WHAT A GROOVY DAY」が圧巻。ソフトロックの理想型を総て備えた名曲だと思います。CDショップでこの曲を聞いてすぐ買いに走ったものです。

 前身でのTONY RIVERS AND THE CASTAWAYSでは、BEACH BOYSの「GIRL DON'T TELL ME」をカバーしてましたが、BEATLESの影響が伺えるあの曲をイギリスのグループがBEACH BOYSよりもそれらしいコーラスをつけてカバーするという趣旨返しが面白い。

 ちなみにこのCD、ノイズだらけでアナログ盤から起こしたのが明白です。今回の再発にはグループの中心人物TONY RIVERSも関わっていたのだし、何とかならなかったのでしょうか。ノイズが多くても彼らの残した作品の価値が変わるわけではないし、ボーナストラックも含めて埋もれていた彼らの作品を世に出してくれただけでも有り難いのですが、ちょっと「玉に傷」のような気がします。(1998/07/20)