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Soft Rock
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PREPARING FOR THE MILLENNIUM PREPARING FOR THE MILLENNIUM/THE BALLROOM

 ソフト・ロックのVIPのひとりであるCURT BOETCHERの主要な仕事の一つがMILLENNIUMですが、これはMILLENNIUMの前身のグループTHE BALLROOMの未発表に終わったアルバムと、MILLENNIUMの名作「BEGIN」の制作を始める前に録音したデモ等を収録したもの。

 THE BALLROOMは当時シングル一枚を発表しただけ。それはここにも収められた「SPRING SPRING SPRING」と「BABY PLEASE DON'T GO」のカップリングだったそうです。

 未発表に終わった音源ばかりながらもCURT BOETCHERらしいコーラス・アレンジと内省的で甘酸っぱいメロディー、MILLENNIUMに引き継がれるエコー感が満載。メロディーもMILLENNIUMよりも瑞々しい原石の輝き。同時期に制作されていた「PET SOUNDS」に比肩する音の小宇宙だと思います。こんなエヴァーグリーンとも言える楽曲群が今まで埋もれていたのは驚きです。

 CURT BOETCHERの書いた曲の幾つかは男の子のセンチメンタリズムの極致。下手をすると日本的ともいえる湿り気もあります。そういえば彼は高校の2年間は日本で過ごしていたそうです。SANDY SALISBURYの書いた曲もソフト・ロック的佳作。

 THE BALLROOM未発表アルバムでの「IT'S A SAD WORLD」のコーダには何とメロトロン入り。当時(1966年終わり頃)メロトロンなんてあまり出回ってなかったと思いますが、既に使っていたとは。同曲のピアノ弾き語りによるデモバージョンも曲の良さが分かる素晴らしい出来。(1998/12/06)



WHERE ARE WE GOING WHERE ARE WE GOING/BOBBY BLOOM

 「モンティゴ・ベイ」のヒットで有名、というよりANDERSON & PONCIAの周辺にいたシンガー兼作曲家と言った方が通りがよさそう。これは「モンティゴ・ベイ」のヒットを受けて急遽、KAMA SUTRA時代の音源を集めて発売されたというアルバムにBOBBY MANN名義のシングル曲2曲をプラスしたもの。

 彼の都会的なバリトンボイスによって、ソフト・ロックというよりは、ブルー・アイド・ソウル色が濃厚な出来です。

 ANDERSON & PONCIA絡みの楽曲がやはり際立っています。それらはすべて「ANDERS 'N' PONCIA POP WORKS」に収録済みですが。その他では、少しだけトニー・マコウレイな、というよりFOUNDATIONS風な「CRACKS IN THE SIDEWALK」やA&M風のペットが入る「WHERE IS THE WOMAN」と「JILL」、聴きようによってはペットサウンズ風な「PIRATES AND WESTERN VILLIANS」、いかにもアルバム最終曲らしい「THE GAME CAN BE SO ROUGH」もなかなか聴きどころです。 (2000/06/11)



THE BEST OF / BRUCE & TERRY THE BEST OF / BRUCE & TERRY

 その後BEACH BOYSでBRIANの代わりとして活躍するBRUCE JOHNSTONと、DORIS DAYの息子でBYRDSのプロでユーサーでもあるTERRY MELCHERのコンビのベスト盤。より若いJAN&DEANを目指したのかも知れませんが、業界人ペアが売れ線で遊んでみましたというような楽曲群。

 BEACH BOYSのカバーも多いせいか、なんとなくBEACH BOYSのもう一枚のアルバムを聴いているような気分にもなります。「I GET AROUND」を思わせるめくるめくコーラスに転調を繰り返す「SUMMER MEANS FUN」「LOOK WHO'S LAUGHING NOW」は爽快。「CARMEN」の作者としてクレジットされているN.DECAROは多分NICK DECAROの事だと思いますが、甘いバラード。FOUR SEASONSに似た曲があった気もします。THE ROGUES名義ではシングルB面曲をインストにするあたりはPHIL SPECTOR風。

 1965年以降の曲あたりからはサーフィンやホットロッドを卒業して(流行りではなくなったから?)「DON'T RUN AWAY」「THANK YOU BABY」といったBRUCE JOHNSTONらしい感傷的で美しい曲がポツポツ出てきてます。オリジナルではないですが「GIRL IT'S ALRIGHT NOW」「COME LOVE」は壮大さも感じます。

 本盤はTHE ROGUES名義も含めたアトランダムな曲順ですが、年代順にした方が、変遷がわかって良いのではとも思います。(2001/09/23)



MERCY,MERCY,MERCY(A COLLECTION) MERCY,MERCY,MERCY(A COLLECTION)/THE BUCKINGHAMS

 BYRDSのように英国グループの影響を濃く受けたバンドのひとつ。シカゴ出身なのにこのグループ名はあまりにもねらいがみえみえ。ちょっと恥ずかしいグループ名です。

 ブラスロックの先駆者と帯に書かれてますが、ここではブラスはあくまでも装飾的な意味でしかないようです。このCDはシングル集なので、アルバムではどうなのでしょうか。

 初期のブラス入りアーリービートルズ風も悪くないが、聴きものはヒットを連発していた時期のソフトブラスロックでしょうか。チャートで苦戦してた後期の曲もソフトロックとしてはレベルが高い。でもこのCDのタイトル曲は白人のひ弱なR&Bです。J.BROWNのカバーもあるし、管楽器で黒っぽいこともやってみたかったのでしょうか。

 ボーカルがガレージつまり下手。コーラスはまあまあ。演奏はしっかりしているが,当時の慣習でおそらく本人達はレコードでは演奏していないのでしょう。

 カバーや職業作曲家の曲が多く,当時の無邪気な高校生バンドがプロデューサーやレコード業界に振り回された感じがします。最後の数曲はオリジナル曲もありますが、契約終了間際にようやく自我に目覚めはじめたメンバーの,彼らなりにシリアスな曲が聴けます。これもそんなに悪くないです。(1998/06/10)



BUGALOOS BUGALOOS

 まるでMONKEESのようにTV番組から誕生したという彼らの唯一のアルバム。

 この作品はソフトロックの好サンプルとも言えるでしょう。力みなしボーカルにさわやかなコーラスと抜けの良いメロディー。適度なビートがあり、AOR的ではないホーンやストリングス。とても乾いた印象です。自我やルサンチマン度はゼロ。まあ、子供番組だったから当然かも知れませんが。

 裏方を見るとPEPPERMINT RAINBOWにも曲を書いた人やGARY LEWIS & THE PLAYBOYSのアレンジをやった人もいたりと、MONKEESのように人工的で作り物っぽいですが、佳曲も多く、それ以上にアレンジが汎ソフトロック的でとても聴きやすい。TV番組も4ヶ月足らずだし、当時は売れなかったのでしょうけど、出来の良い一枚だと思います。(2000/02/12)