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Soft Rock
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BEND ME, SHAPE ME: BEST OF BEND ME, SHAPE ME: BEST OF /THE AMERICAN BREED

 1967年のヒット「BEND ME, SHAPE ME」で有名な彼らの、1994年に編集されたベスト盤。白人3人黒人1人という構成で、厚いコーラスとホーン・セクション、トコトコしたドラムが特徴。アソシエイション・フォロワーのひとつだが、少々ファンキーなとこもある。

 ソフト・ロック好きの間では「アメ・ブリ」と略するそうです。なぜか4枚もオリジナルアルバムを発表していますが、アルバム曲ではROGER NICHOLSやPARADEの曲を取り上げるなど、そのカバーセンスの良さでも知られる。その後にチャカ・カーン擁するルーファスに発展したグループでもある。

 代表曲「BEND ME, SHAPE ME」や、中ヒットになった元気いっぱいという感じの「STEP OUT OF YOUR MIND」「GREEN LIGHT」以外の聴きどころは、まずデビュー曲にあたる「I DON'T THINK YOU KNOW ME」。フォークロックの色もある、コーラスたっぷりでさわやかなGOFFIN=KINGの作品。3枚のシングル曲にあたる「DON'T FORGET ABOUT ME」もGOFFIN=KINGの作品でしなやかな躍動感が素晴らしい。この2曲が全然ヒットしなかったのはちょっと信じられない。

 同じくヒットしなかった「READY, WILLING AND ABLE」とそのB面曲「TAKE ME IF YOU WANT ME」、それに「TRAIN ON A ONE-TRACK MIND」もいい出来。「DON'T MAKE ME LEAVE YOU」は彼らと同じ白人黒人混成のLOVEを思わせる。その他はちょっと湿っぽい曲もある。

 この編集盤の後半にROGER NICHOLS絡みの曲「ALWAYS YOU」と「TO PUT UP WITH YOU」が収録されてますが、それまでとは一変し、ここだけおしゃれな雰囲気。どうせならPARADEの曲もここに収録して欲しかったとこです。(2001/05/27)



AND THEN... ALONG COMES AND THEN... ALONG COMES/THE ASSOCIATION

 全米NO1ヒット「CHERISH」を含む1966年のファースト。CURT BOETTCHERプロデュースで有名。収録曲は各メンバーが持ち寄ったオリジナル曲が多いが演奏はほとんどスタジオミュージシャンによるものらしい。

 前出の「CHERISH」やシングル曲「ALONG COMES MARY」、「ENTER THE YOUNG」だけでなく、BEATLESの「PLEASE PLEASE ME」風な「YOUR OWN LOVE」、一息入れる感じのスローな「DON'T BLAME IT ON ME」、後半のコーラスアレンジが圧巻な「I'LL BE YOUR MAN」、ちょっと湿っぽい「STANDING STILL」、BRIAN WILSON風のコーラスが入る「MESSAGE OF OUR LOVE」、アルバムの最後を飾る「CHANGES」など、初々しくも瑞々しいメロディーにCURTらしいコーラスアレンジが乗っかる作品群。その後の無理に背伸びをしたような作品よりも、当時のポップフォーマットをなぞった折り目正しい本作の方が好感が持てます。

 「CHERISH」ヒットの直後にCURT BOETTCHERを含む当時のスタッフの首を切ってしまいますが、本作を聴くと、もっとCURTプロデュースの作品を残してくれたらなと思わずにいられません。(1999/02/14)



BIRTHDAY BIRTHDAY/THE ASSOCIATION

 1968年に発表された、彼らの最高傑作の呼び声も高い4枚目のアルバム。やっとCD化されました。ベスト盤や編集盤は出てましたが、オリジナル盤がなかなかCD化されなかったのは不思議です。ソフトロック界の超大物で、FREE DESIGNのような当時無名のグループではなく、多くのヒット曲を持つ大手レコード所属アーティストなのに。何か事情がありそうです。

 今回再発されるまでは、幻の名盤扱いでした。ソフトロック界関係では絶賛なのに、未CD化でアナログ盤は(おそらく)レアで高値であり、編集盤で何曲かを聴くことができた状態が長く続いてました。またサイケな色彩とコラージュのジャケットが、幻の名盤の風格をより強固なものとしてました。

 「WINDY」をテンポアップしたようなイントロの1曲目から、複雑に絡み合いながらうねりまくる分厚いコーラスを堪能できます。同じボーンス・ハウのプロデュースによるFIFTH DIMENTIONのように、実に真っ白なコーラスです。それはソフトロックが好きな人が求めているもの、そのものだと思います。

 ただ、何曲かあるしっとりと歌うバラードにはあまり魅力を感じません。ソロで歌ってうまい人達でなく、みんなでハモってなんぼの人達だと思います。

 他のソフトロックのグループよりロックコンボ的な演奏なのは好感が持てます。うっとおしいストリングスをつけずにバンド演奏とコーラスでのサウンドは気品と彼らなりの美学さえ漂わせています。

 ボーンス・ハウは今作を残して、彼らの元を去っています。彼らは、「CHERISH」が全米1位になったのに恩人CURT BOETTCHERをクビにしたり、名曲「MACARTHUR PARK」の採用を拒否したりと、オリジナル指向が強い人達です。後世に評価されているのは彼らの意匠を感じるものよりも、職業的なプロデューサーが主導権を握って作り上げた上質なプロダクションなのは悔しいところでしょう。(1999/01/31)



THE ASTRAL PROJECTION THE ASTRAL PROJECTION / THE ASTRAL SCENE

 幽体離脱がテーマという、トータルコンセプトなアルバム。ソフト・ロック界で超有名なSALT WATER TAFFYの主要メンバーだったROD McBRIANがプロデューサーに名を連ねている。

 ジャック・ニッチェ風の序曲に乗って始まり、ハープやらヴァイオリンやらチェロやらの流暢なストリングスが全篇を埋め尽す。こう書くと、まるでNIRVANA(UK)のようだが、楽天的でぬるさを感じさせるのはいかにもアメリカ的。インナースリーブ裏にある英文はLOVEの連発で当時らしい能天気さがある。また、所々にA&M風なペットが入ってます。おサイケなベールを取ってしまえば、ただの甘口のポップスかもしれません。

 どの曲もまったり感のある聴きやすいメロディーを持ってます。ただ、はずれは無いが特に突出した曲も無く、良くは出来てますが殆どどれも同じ印象なので曲の区別がつきにくい。とにかく色彩が見事に統一されたひたすらソフトな一枚。昼寝時に聴くには最適だと思います。(2000/08/06)