MAINLOGO

British Rock or Psyche Pop etc...
- R -


選択されたCDにスクロールされるまでしばらくお待ちください。
このページから出る場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを使用してください。



SALLIES FORTH SALLIES FORTH/RAINBOW FFOLLY

 1968年発表のRAINBOW FFOLLY唯一のアルバムにシングル曲を含めたCD。

 収録曲を大別すると、コミカルなガレージ風味の曲とおセンチなバラードタイプがあるが、後者の出来が良い。「MONTGOLFIER」や「GOODBYE」、「SIGHING GAME」など、メロディーのセンスを感じるし、アコギとコーラスが絡むアレンジも上質。パーロフォン・レーベルから発表されたアルバムですが、このあたりはBEATLESのいた同レーベルらしさを感じます。また、ガレージ風味の曲は日本のGSにも通じる蓮っ葉さを感じます。

 サイケ・ポップの範疇に入りそうだが、曲間のSEやステレオ処理以外はサイケ度は低い。トリップ感も特に無い。衣装もスリーブの写真を見ると、他のサイケなグループに比べて保守的。

 ハープシコードやメロトロンといった定番楽器は使用されていないようだし、ストリングスやホーンセクションも多用されていず、コーラスとフォーピースバンド演奏が主体。シンプルな音です。

 全曲の作詞作曲に絡みジャケットデザインも担当した中心メンバーJONATHAN DUNSTERVILLEの才気に溢れた一枚でもありますが、彼がその後大した活躍をしなかったのは意外な感じがします。(1999/01/03)



THIS IS TO CERTIFY THE GEMINI ANTHOLOGY THIS IS TO CERTIFY THE GEMINI ANTHOLOGY / RICK PRICE & MIKE SHERIDAN

 60年代バーミンガム出身のブラム・ビートに深く係わり合いのある二人が1969年から1971年にGEMINIレーベルに残した音源集。RICK PRICEはMOVEやWIZZARDに在籍したことがあり、MIKE SHERIDANはIDLE RACEの前身、ROY WOODもMOVE以前に在籍したMIKE SHERIDAN AND THE NIGHTRIDERSに名を残すなど、色んなグループ、プロジェクトで縦横に活躍してた人達。

 本盤はCD2枚組で、最初の1枚に1970年にSHERIDAN/PRICE名義で出たアルバム「THIS IS TO CERTIFY THAT...」とシングル曲。2枚目にRICK PRICE単独名義の1971年作品「TALKING TO THE FLOWERS」と、(おそらく)その次のアルバム用に録音された未発表曲からなる。

 1枚目はストリングスがすすり泣く「DAVEY HAS NO DAD」からはじまる。ほとんどが2分台の短いポップソング集で、MOVEとHONEYBUSの中間のような印象。ROY WOODやJEFF LYNNEのような迸る才能は感じないが、ROGER DAYという人が担当したストリングスなどのアレンジも優雅で上質な英ポップ作品。

 曲単位ではRICK PRICE名義やMIKE SHERIDAN名義が多く、RICK PRICE & MIKE SHERIDAN名義は3曲しかないが統一感はある。MOVEとしても発表した「LIGHTNING NEVER STRIKES」やIDLE RACEのカバー「FOLLOW ME, FOLLOW」もあるが、やや泣きのかかったメロディーの曲が多く、その中では「TRACY SMITH」は感動的な傑作。

 2枚目のうち、「TALKING TO THE FLOWERS」部分は、「THIS IS TO CERTIFY THAT...」でやや感じられた湿っぽさや泣きは少なく、穏やかな、乾いた晴天を思わせる曲が多い。1971年ながらタイトル通りフラワーな気分というかサイケ・ポップの残り香も漂う。ここでもROGER DAYという人がアレンジを担当しているようです。一部NEIL DIAMOND作品やMANN/WEIL作品の曲では大仰なバラード・シンガー振りですが、全体的に同じバーミンガム出身のでJEFFERSONを思わせます。そういえば1968年の一時期、JEFFERSONことGEOFF TURTONとSHERIDAN/PRICEはSIGHT AND SOUNDというグループをやっていたそうで、FONTANAにシングル2枚を残しています。

 2枚目後半の未発表曲集は「TALKING TO THE FLOWERS」と同路線で曲自体はまあまあですが、ROGER DAYが関っていないようで、やや地味でシンプルな印象。(2004/10/24)



THE DAY WILL COME THE DAY WILL COME / ROD STEWART

 ROD STEWARTの60年代音源を脈絡無くピックアップしたようなCD。2005年にオランダのHALLMARKというレーベルから出たものですが、内容は2000年に出たボックスセット「ROD STEWART 1964-1969」から抜粋したような一枚。

 前半はオルガンをメインにしたR&Bぽい曲が続く。その後1965年のシングル曲「THE DAY WILL COME」、1966年のシングル曲「SHAKE」、1967年のIMMEDIATEからのシングル曲「LITTLE MISS UNDERSTOOD」はいずれもデモ・バージョンのようです。「THE DAY WILL COME」はややスペクター色も感じられるコマーシャルなもの。「SHAKE」は彼の歌唱方法のネタ元であるSAM COOKEのカバー、「LITTLE MISS UNDERSTOOD」はストリングスをかぶせる前のものですが、やはりいい曲です。

 「COME HOME BABY」はP.P.ARNOLDのCD等でも既出ですが、MICK JAGGERプロデュース、KEITH RICHRDSベースとは知りませんでした。また、SMALL FACESの「DONKEY RIDES A PENNY A GLASS」がどういう経緯か、「SPARKY RIDES」として収録されています。(2007/05/06)



BETWEEN THE BUTTONS BETWEEN THE BUTTONS / THE ROLLING STONES

 1967年初頭に発表され、前作「AFTERMASS」と同じように全曲オリジナルで固めた作品。次作「THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST」と並んでストーンズファンの評価が低い一品。確かに黒人カバーから脱却して彼ら独自の路線を確立までのはざまの時期にある過渡期的な作品だし、BRIAN JONESが下降気味でKEITH RICHARDSが前面に出てくる交代の時期でもあるし、当時の流行に受動的にかぶれたような中途半端さも感じられる。何よりもジャケットでなぜかCHARLIE WATTSが前面に出てるのが象徴的。

 その一方で、まだANDREW LOOG OLDHAMがプロデュースしてるからか、時期的なものか、IMMEDIATEレーベルと共通する匂いが感じられる作品でもあります。「UNDER MY THUMB」の続編のような2曲目「YESTERDAY'S PAPER」、ラグタイム調ピアノからラーガ風に変わるのが面白い6曲目「COOL,CALM & COLLECTED」、その他7曲目「ALL SOLD OUT」や10曲目「COMPLICATED」も楽曲として魅力を感じます。KEITHも歌う最終曲「SOMETHING HAPPENED TO ME YESTERDAY」はKINKS風にダルで、やはりKINKS風に鄙びたブラスが入るのが個人的にはたまらなく良い。

 しかし、5曲目「SHE SMILED SWEETLY」は露骨にBOB DYLANの「JUST LIKE A WOMAN」に似ているので白けてしまいます。でももう一つのDYLANマナーな9曲目「WHO'S BEEN SLEEPING HERE?」はMICKの熱唱が光る佳作。また、STONESのパブリックイメージに近いのが2曲ほどあります。4曲目「CONNECTION」はKEITHがソロ・ライブで取り上げたそうだけど、サビのところはKINKSの「PARTY LINE」にちょっと似てる。11曲目「MISS AMANDA JONES」はストレートにCHUCK BERRYモードな作品で本来のファンは(多少は)溜飲が下がることでしょう。

 現在出てるCDはアメリカ盤仕様のみですが、このアルバムに入れるには余計に感じるヒット曲「LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」「RUBY TUESDAY」が無くて、隠れた名曲「BACKSTREET GIRL」が入っているイギリス盤仕様で聴きたかったところです。(2002/06/16)



THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST / THE ROLLING STONES

 スクエアなストーンズファンが忌み嫌うサイケ・ポップの傑作。次作「BEGGAR'S BANQUET」以降、アーシーな音世界に行ってしまうことを考えると、本作がSTONESにとって最後のポップフィールドでの作品とも言えるのでは。BEATLESの「SGT. PEPPER'S」の後追いだとか批判されてますが、ここまでキラキラとカラフル且つアシッドな音世界を作ったのはさすが。ジャケットに見られる極彩色のセロファンぽいお花畑の下に違法なドラッグやらが隠されていそう。

 出だしの「SING THIS ALL TOGETHER」は現在のSTONESからは2000光年離れた脳天気なポップソング。間奏はフリー・フォームだけど。ORANGE BICYCLEのカバーがある。「IN ANOTHER LAND」は珍しいBILL WYMAN作品でA面にあたる部分のハイライトの一つ。トランペットのフレーズを口で言ってるのがイかす。「SING THIS ALL TOGETHER」のリプライズは先の曲の間奏部分を拡張したような演奏。もっと楽器の上手い人がやるとジャズ風な展開になるんだろうけどSTONESの場合は何となく中途半端。

 「SHE'S A RAINBOW」は最初にPINK FLOYD風なSEが入るけど、NICK HOPKINSのリリカルなピアノには目眩に近いものを感じさせてくれる。曲後半に入るいいかげんなバイオリンもサイケぽい。「2000 LIGHT YEARS FROM HOME」は本作の代表曲の一つだけど、アルバムの流れで聞くとこの曲だけ暗め。「ON WITH THE SHOW」はこの時期のSTONESが良く作っていたKINKS風にコミカルな曲。

 このアルバムを語るとき、二言目には「SGT. PEPPER'S」からの影響が云々されてますが、お伽噺的な歌詞とか、アシッドで長尺なインスト部分とかは初期PINK FLOYD(=SYD BARRET)との共通性も感じます。あと、XTCのアンディ・パートリッジはこのアルバムがお気に入りだとか。(2002/06/02)



THE MAGIC WORLD OF THE MAGIC WORLD OF / RUPERTS PEOPLE

 1967-1968年に3枚の片面サイケポップ/片面フリークビートなシングルを残したグループ。これは2001年に出ていたCDで、その前身にあたるバンド、SWEET FEELINGSのシングル曲、RUPERTS PEOPLEのシングル曲とアセテート盤、1969年の発掘ライブ、1999年に再編した時のライブを収録。メンバー自身の提供による当時の写真やグッズ、書類なども、ライナーに掲載されている。小さくて見辛いのですが、これぐらい丁寧な仕事をしてくれると、聴く方もうれしいものです。

 シングル1枚目と2,3枚目でメンバーが総入れ替えしてますが、1枚目は「青い影」に便乗したような企画上のグループだったのが、ヨーロッパではそれなりにヒットしたため、1枚目のソングライターがかつてのバンド仲間とともに実体化させた、とのこと。

 最初に収録されたSWEET FEELINGSの2曲はいずれも純朴さも感じるサイケ・ポップで、個人的には一番好感を持ちました。RUPERTS PEOPLEのシングル曲ですが、シングルAB面で見事にサイケ・ポップとフリークビート双方に分かれています。サイケ・ポップの方は、なんとなく商業的というか、ローティーンの女の子向けのようなメルヘンチックさもあります。インナーによると、ファンクラブもあったそうです。フリークビートの方はどれも力作。

 アセテート盤の1曲をはさんで、1969年のライブでは、このグループがこのころ、ジャズ/プログレ志向にあったことがよくわかります。キーボード主体でベースが良くうなるところは、初期SOFT MACHINEやCARAVANにも似たものを感じます。当時レコーディングの機会があれば、そこそこの作品を残していそうです。

 解散後、キーボードはRENAISSANCEに加入したり、ギターはJOHN LENNONのアルバムIMAGINEに参加、ドラムもAPPLEで仕事したりと、それなりに業界で生き残っていたのが興味深い。

 バンド名の由来は、子供向けファンタジーのキャラクターだそうですが、オリジナルは良くわかりませんでした。ジャケットにも写っているクマのキャラクターはメンバーの父がデザインしたようです。(2008/11/24)