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British Rock or Psyche Pop etc...
- OST -


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A TEENAGE OPERA A TEENAGE OPERA/ORIGINAL SOUNDTRACK RECORDING

 当時西ドイツだけで発売されたという、未発表に終わったミュージカル(ロック・オペラ?)のサウンドトラック盤。実際にはMARK WIRTZ関連作品集。彼名義のオーケストラによる作品や彼が変名プロジェクトのシングル曲や、プロデュースしたKEITH WESTやTOMORROW、KIPPINGTON LODGEを集めたもの。英文ライナーが充実。写真も豊富。

 サントラということでインスト曲が多いですが、アビー・ロードで録音し、ジェフ・エメリックも絡んでいるということで、なんとなくビートルズのサージェント...のオケから4ピースバンドの音を抜いたような曲という印象も受けます。

 ボーカル入りの曲の方が聴き物でしょうが、TOMORROWを除けばサイケデリックというよりフラワーポップ。楽天的であまりドラッグの匂いがしません。MARK WIRTZの変名プロジェクトのシングル曲はどれもカラフルでソフトロック的。NICK LOWEがいたというKIPPINGTON LODGEはTOMORROWのアルバム曲をカバー。

 まるでビートルズのイエロー・サブマリンのようなイラストによるジャケット。当時発売されたときのジャケットもこれなのでしょうか?(1999/05/16)



HERE WE GO 'ROUND THE MULBERRY BUSH HERE WE GO 'ROUND THE MULBERRY BUSH / ORIGINAL SOUNDTRACK

 「茂みの中の欲望」というスゴい邦題がつけられた1968年英映画のサントラ盤。TRAFFICが主題歌を担当し、サイケ文化を色濃く映した映画として有名です。

 目玉のTRAFFICは3曲だけで、STEVE WINWOODの古巣SPENCER DAVIS GROUPが8曲も収録されてますが、R&B〜MODS然としたSDGとサイケポップ/ラーガなTRAFFICが対照的。当時、TRAFFICに比べてSDGは古色蒼然に見られていたのでしょうね。

 主題歌および最終曲「AM I WHAT I WAS OR WAS I WHAT I AM」はTRAFFICの2NDにもボーナストラックで収録されて貴重度は減ってますが、ここの「UTTERLY SIMPLE」はオーボエらしきものが入っている別バージョン。

 意外な拾い物が1曲だけ収録されてるANDY ELLISONという人の「IT'S BEEN A LONG TIME」。湿り過ぎず人懐っこくて、なよなよしたメロディーの佳作。ストリングスにペットが絡むところも素晴らしい。

 数年前にこの作品がTV放送されたので有難く見ていたら、はるか昔に見た映画だった事に気づいて驚きました。私が小学生の頃、東京12チャンネル夕方枠の映画をときどき観てたのですが、そのひとつがこれだったのです。タイトルも筋もすっかり忘れていたのですが、劇中のとあるセリフを何故か覚えていて、それが出てきたので思い出したのです。それは「まるで絵みたいな風景だね」「じゃあ、額縁から落ちないよう気をつけないと」。まあ、映画自体はGS映画のようにその時代の雰囲気を楽しむだけの作品だと思います。

 このCDはエンハンスド仕様で映画をほんのさわり観られますが、どうせならサイケな装飾がされた出だしのクレジット部分が観たかったところです。(2000/09/03)



TONITE LET'S ALL MAKE LOVE IN LONDON ...PLUS TONITE LET'S ALL MAKE LOVE IN LONDON ...PLUS / VARIOUS ARTISTS

 スウィンギング・ロンドンを伝えるルポルタージュとしても有名な、PETER WHITEHEAD監督ドキュメンタリー映画のサントラ盤。このCDは1990年にSEE FOR MILESレーベルから出たもので、ジャケットなど装丁は一新されている。ちなみにオリジナルLPはジャケットが地味で怪しげです。

 サントラ盤なのにインタビューがやたら多いのですが、音楽的な売りのひとつはPINK FLOYD(もちろんFUTURING SYD BARRETTのころ)の未発表曲が1つと未発表バージョンが1つあること。未発表バージョンは、初期の彼らの代表曲「INTERSTELLAR OVERDRIVE」の17分に及ぶフル・レングス・バージョン。未発表曲は「NICK'S BOOGIE」という呪術的なドラムから始まるインスト。彼らの初の公式録音からとのことですが、1967年のごく早い段階にこれだけフリー・フォームの長い演奏を録音したロック・バンドは彼らが初めてではないでしょうか。

 もうひとつIMMEDIATEレーベルのサンプラー盤という一面もあります。SMALL FACESやCHRIS FARLOWEといった「看板アーティスト」はさておき、TWICE AS MUCHやVASHTIやMARQUESS OF KENSINGTONと(個人的には運命的な)出会いをしたのはこのCDでした。

 ヒップな業界人のインタビュー、先進的だったPINK FLOYDのインストに混じって、ANDREW LOOG OLDHAMの息がかかってるとはいえ、これら儚げで軟弱ともいえるポップ・ソングが混じっているのは考えてみれば妙。でもそれが私には魅力的でした。

 しかし、VASHTIの曲がANDREW LOOG OLDHAMのインタビューで分断されているのは本当に残念。これの完奏バージョンを聴くのが私の悲願です。彼女名義ではIMMEDIATEでの唯一の公式録音。あとはこの曲で共作しているDAVID SKINNERのグループ、TWICE AS MUCHの曲「THE COLDEST NIGHT OF THE YEAR」で客演しているのみです。

 映像の方は未見なのですが、ワーキング・クラス・ヒーローであるMICHAEL CAINEがサイケデリックの流行に懐疑的なコメントをしたり、MICK JAGGERが災難が降りかからないように慎重なコメントをしているのが、面白いそうな。DVD化を熱望してやまないとこです。(2002/02/11)



UP THE JUNCTION ORIGINAL SOUNDTRACK UP THE JUNCTION ORIGINAL SOUNDTRACK/MANFRED MANN

 1968年に発表された同名映画のサントラ。器用な営業バンドの割には意外にも、彼らが全篇の音楽担当したのはこの映画だけだそうです。

 構成は、頭3曲が折り目正しいポップなボーカル曲、後は基本的にインスト。最後にボーナストラックとして当時のB面曲。ボーカル曲はサイケ度はあまり無く、どちらかというとソフトロック寄り。まるで午後のうたた寝のようなぬるさがある。インストの方は2つほどストリングス主体の曲があるが、それ以外は彼らのイメージ通りのジャジーなもの。

 大まかに言って、この頃の彼らの曲にはキャッチーなブリティッシュポップとクールでジャジーなインストの2つのタイプがありますが、前者が好きな方には若干物足りないかもしれません。タイトル曲とボーナス曲は必携の編集盤「THE ASCENT OF MANN」にも収録されているし、その他のボーカル曲3曲は水準点な出来。それよりは本盤をサントラと割り切って、インスト曲を楽しむのが良いと思います。

 彼らのフォンタナ時代にはオリジナル盤が3つありますが、残りの2つも早いところCD化して欲しいところです。特に名盤の噂も高い「MIGHTY GARVEY!」は早く聴きたい。彼らの編集盤の多さにはうんざりします。

 また、本盤には英文ライナーが充実してますが、その邦訳がついてないのが残念です。(1998/12/19)



WONDERWALL MUSIC WONDERWALL MUSIC / GEORGE HARRISON

 アップル・レーベル第一弾アルバムにして、BEATLESメンバーで初のソロ名義アルバム。同名映画のサウンドトラックであり、コラージュされたインド人のボーカルはあるが、GEORGEのボーカル曲は無し。発売は1968年11月だが、録音は1967年11月から1968年1月ということで、BEATLES作品で言えば「MAGICAL MYSTERY TOUR」の頃。この作品でGEORGEは満足したのか、少なくとも彼名義の作品ではこれ以降、ここまでインド趣味な曲は無くなる。

 収録曲はインド録音分とロンドン録音分で別れ、感触は異なる。インド録音分はモロでベタ。「WITHIN YOU WITHOUT YOU」のオケを聴いているようです。BEATLES名義で出した「THE INNER LIGHT」はこれのインド録音のテープから編集したとのこと。

 ロンドン録音分の方が当時のサイケ・ポップなイディオムというか、そんな空気が感じられ個人的には面白い。まず2曲目「RED LADY TOO」はGEORGE HARRISONのその後の作品にも劣らない繊細で美しいメロディーを持っている。5曲目「DRILLING A HOME」はラグタイム調だが、SPレコードプレーヤーを模しているのか、テンポが揺れるのが面白い。これも人なつっこいメロディー。8曲目「SKI-ING」、クラプトンによる折り目正しいブルース風ギターがラーガなオブラートにくるまれている。10曲目「DREAM SCENE」はテープ逆回転、インド人男女ボーカル、サウンドコラージュと最もトリップしている作品。この曲のみ当時のインドとロンドンの空気が融合したような作品だ。

 11曲目「PARTY SEACOMBE」はよくBEATLESの「FLYING」に似ているとされているが、「MAGICAL MYSTERY TOUR」風なドラムの録り方。16曲目「ON THE BED」はBEATLESの(というよりGEORGEの)「IT'S ALL TOO MUCH」「ONLY A NORTHERN SONG」が好きな人にはたまらない音響だろう。18曲目「WONDERWALL TO BE HERE」はピアノとメロトロンの使い方がプログレ的な「泣き」とドラマチックさを感じさせる。

 映画の方は以前衛星放送で観たことがあります。エンターテイメントなとこが少なく、映画として観ると辛いけど、当時のサイケな雰囲気を楽しむ分には貴重な作品。ヒロインはジェーン・バーキンだったけど、確かセリフが一つぐらいしかなかったと記憶してます。(2003/12/14)