高校・大学連携で埼玉大学が浦和高校に授業開放

 埼玉大学は4月から埼玉県立浦和高校の生徒に対して、正規の授業の受講を認める講座開放事業を始めた。今年度は試行として同高校だけだが、来年度以降は他の高校にも授業の受講を認めていく方針だ。高校生が大学での公開講座受講や聴講生、科目等特別履修生などの制度を使って学んだ「学修成果」は、1999年度から高校の単位として認定できるようになっているが、国立大学での実施は初めて。

 浦和高校の生徒を受け入れるのは教育、経済、理学、工学、教養の5学部で概論的内容の29講座を高校の授業終了後の午後4時以降に設定。高校2・3年生延べ170人が大学生と一緒に学ぶことになる予定だ。学校外学修成果の高校単位認定は、93年度から高校間連携、技能審査成果、専修学校での学修成果が認められているが、99年度の学校教育法施行規則改正でボランティア活動や就業体験などとともに大学での学修成果も高校の単位に認定できるようなった。また、中教審の「初中教育と高等教育の接続」答申は、高校生が大学教員による授業を受けられる機会を積極的に設けるよう提言しており、今回の事業もこれを受けたもので、高校の単位を認める代わりに大学の単位はない。ただ、浦和高校は県内随一の進学校で、埼玉大学には優秀な生徒が東京の大学に流れていくことをできるだけ食い止めたいという狙いもあるようだ。
(河合塾Kei-Net mail 2000 ==vol.03 2000.4.18==より転載)

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