秋季大会で怒涛の2発!
2008年10月19日 中潮
moto 

今年も秋季大会の季節がやってきた。過去この大会ではまともに魚を釣ったことがない私は会場エントリーも悩むところ。
境水道を得意とする親父さん・いけちゃんは早々に境港会場に参加表明。
お湯会長からの誘惑、クラブの御大I内氏が南紀でキチヌの大物をはじめ好漁があったとの話。「まあ●ボでも一番近いし」と中紀会場に決定した。

大会前日の夜、和歌山の自宅を出発。相棒はクラブきってのムードメーカーおがちゃんだ。道中おが大先生の垂れる講釈や能書きを拝聴しゲラゲラ笑っているうちに目的地周辺に到着。
阪和道が伸びたおかげで南紀方面が近くなったのはありがたい(・・・・のであるが翌日には事故渋滞に巻き込まれ審査時間ギリギリセーフというちょっとしたドラマが展開することに。あと15分遅ければこの釣行記を書くことはありませんでした)。

渡船乗り場で遅めの夕食をとりながらまたもやゲラゲラ。しかし、このオッサンは何でこんなにオモロイのか!?
本人は至って真面目な言動に終始しているようなのだが、その一言一句、一挙手一投足が周囲の笑いを誘うため、迂闊にメシも食えないので始末が悪い。ビールは気管に入り、焼きそばは鼻から垂れるのである。

そうこうしているうちに後発隊のお湯会長、I内氏、たけちゃんも到着し、午前0時の出船時間となった。
二組に分かれて沖磯に渡る。私はおがちゃん、たけちゃんと同じ磯に降りた。船長のアドバイスを基に各々準備にかかる。
私は南西向きに釣り座を構えた。遠くには白浜方面の明かりが見える。先ずは錘だけで周辺の様子を探るとかなりの水深、3色先で20m近くあろうか。
底は砂地、磯際近くまではほとんど変化はないようで遠投に利無しと勝手に決めつけた。コロタマ系の魚も視野に道糸ナイロン10号・ハリス14号の太仕掛けでユムシ・マムシ・海エビを中近に投げ込む。

数投してチェックをするも何の変化もなく、エサ取りはいない模様。ならばと気配を消すために、他のふたりの様子を伺いに行くと根ガカリの洗礼を受けているようだ。
おがちゃんのボヤく姿を見て気の毒に思うのだが、どうしてもゲラゲラ笑ってしまう。

実釣開始から約1時間、よじれた腹の皮をさすりつつ釣り座に戻り、缶コーヒーを開けてタバコに火をつけたその時、突然「ジャーッ!ジャーッ!!」とドラグが唸りを上げた。
「おー!」振り返ると一番近投のユムシ竿、ケミホタルが宙を舞いそのまま海中に飛び込んだ。三脚上で逆立ちしている竿を取り即座に「電撃アワセ!」
「ドーン!」という衝撃とともに例の手応えが伝わってくる。この夏南紀で幾度となく対峙しバラしまくった「あの引き」だ。悠長なやりとりは禁物。おまけに初めてのポイントで磯際の様子もわからない。
相手に主導権を取られる前にと「必殺ゴリ巻き」開始!太仕掛けを信じて力まかせにハンドルを巻く。竿尻がくい込む股間の痛みも何のそのひたすらにハンドルを巻く。

間もなくヘッドライトに照らされた水面に銀色の魚体が輝いた。魚の大きさを確認してそのまま一気に磯際にブリ上げる「コロちゃんいらっしゃーい!」
ただならぬ雰囲気を察して駆けつけた二人の祝福を受けつつメジャーを当てると54cmほど。大会で釣れた魚としては上出来以上のサイズだ。
「よーし、魚はおるでー!みんな頑張ろう!」と気合を入れなおして打ち返すものの後が続かない・・・というのが世の常。

ところがどっこい!今夜の私は違った。
「ジャーッ!」再びドラグが唸ったのである!すかさず「電撃アワセ」で応酬する。しかしながら今度は「必殺ゴリ巻き」が効かない。途中の締込みもかなりのもの。
「おーい助けてー!」たまらず二人を呼び、おがちゃんがタモをスタンバイしてくれるが私からは魚影は見えない。

おが「おーデカいデカい!」 
モト「んな感心せんと早よすくってーな」 
おが「ええのん?」 
モト「いけずせんと早よー」 
おが「ほんまにえーんやな。おりゃー!」

タモに入って来たのはなんと幅80cmはあろうかというエイ(泣) 情けないやら恥ずかしいやらで二人に陳謝
「相棒来てくれんかなぁ・・」その後は世の常に倣いアタリもなく、竿ケースを枕についウトウト・・・。

「ボンボンボンボン、ババババッ」船のエンジン音で目が覚めた。いつの間にか朝の一番船の時間になってしまったようだ。
二人の様子を伺いに行くとたけちゃんはしっかりとコロダイ45cmを揚げていた。

おがちゃんは・・・・爆睡!

夜明けまであと少し下げ潮も動き出しいい感じでゆっくりと右へ流れている。エサを付替え「さあ、もう一勝負!」と冷たくなった缶コーヒーを飲み干し気合いを入れる。
とその時「ジィー」わずかにドラグが出た。「ついにキターッ!」と身構えるも後が続かない。
「こりゃエイかアナゴの仕業やなー」と竿を手にしようとした瞬間「ギョルルルルー!!!」妙な音を発して竿がぶっ飛んだ!
慌てて飛びつき戦闘開始。しかしドラグを絞めている隙に先手を取られてしまい右側の根が張り出している方向に走られる。竿を反対に寝かせてなんとか耐えると相手の動きが止まった。「うりゃー!」とばかりにゴリ巻きで反撃。

ところが途中でハンドルが動かなくなってしまう。根に張り付かれてしまったようだ。ゴリゴリと糸が根に擦れる嫌な感触が伝わってくる「やっべぇー」
とっさにタモを脇に抱えて走っていた。リールを巻きながら隣の一段高くなった磯際にスタンスを取り渾身のポンピング!
「ズルッ」根から抜けたようだ。こうなればこっちのもの、締込みをかわして今度は慎重に・・・・一発ランディング成功!

タモに入ったままのコロダイにメジャーを当てると55cm、丸セイゴ20号のハリが極太マムシとともに上唇皮一枚に掛っている「よくぞ上がってくれました」思わず手を合わせた。
翌日、磯歩きによる足腰の痛みとともに腹筋が筋肉痛になったことは言うまでもない・・・・。

後記

後日、秋季大会優勝の吉報を頂戴いたしました。この栄誉に預かることが出来たのもいつも楽しく釣りをさせてくれるクラブメンバーのおかげと感謝いたしております。
また同じく会場責任担当クラブの皆様、プロジェクト担当クラブの皆様、協会執行部の皆様そして協会員の皆様にも感謝申し上げる次第です。ありがとうございました。

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