和歌山の投げ釣り
りき 

そろそろ戻りカレイの季節、2週前の境水道例会ではクラブ仲間のお湯氏は見事イシガレイを仕留められた。自分もなんとかランクを稼ぎたいところである。そんな中、なんとかカレイが期待できる和歌山方面に狙いを定め釣行する事にした。カレイがダメでもチヌが相手くれるかもしれないし…。
事前にTサーフの会長さんから色々情報とアドバイスをいただき紀北方面に的を絞る。

今回はカレイ狙いと言う事もあって明けてからの釣り。仕事から帰宅してゆっくり準備にかかる。少し仮眠まで取って午前3時前に自宅を出発した。阪神高速を泉佐野まで使いそこから地道で節約ドライブ。急ぐ事はない、夜明けくらいに釣り場に着けば良いのだから。
海南のエサ屋さんには5時前に着き、小ボケを100匹仕入れた。今回は小ボケオンリー、他の虫エサは一切仕入れていない。これも会長さんの助言によるもの。

コンビニに寄って食料を仕入れたりしても6時には釣り場に着いた。ちょうど満潮くらいか…。時合は干満潮の前後1時間とのこと。急いで竿をセットし90m付近に投げる。今回はテトラからの釣りとなるので、トラブルを避け竿は3本とした。

左側から順に投げ最後の竿のラインを落ち着かせていると、早速最初の竿先がガクンとおじぎする。それと共に竿尻が浮き上がった。当たりだ!あわてて持っていた竿を置きその竿に飛びつく。大きく合わすと同時に竿が曲がる。まだ玉網すら組んでいない。と言うよりここはテトラも大きいので抜くしかないのだ。
何度となく伝わる締め込みをかわしテトラ際で浮き上がったのは優に40は超えているチヌだ。しかし、初めてのポイントなんでベストポジションがわからない。このままではテトラに潜り込まれてしまう。仕方なく竿先を下げて大きく持ち上げようとした。上がらない。魚体がテトラに隠れたと思った次の瞬間、ふっと竿に抵抗が無くなった。バラした!
4号ハリスが無惨にも切れていた。おそらくテトラの貝殻か何かに擦れて切れたのだろう。やはり、魚を掛けたら多少無理してでも玉網で掬うべきだったのか。自問自答しながら玉網を組んだ。

その後、時合が終わったのかまったく当たらなくなった。回りを見てみるとさすが和歌山、紀州釣りの釣り人が多い。しかし、チヌは釣れている様子はなく、美味しそうなガシラなどを釣られている。内向きに1人投げ釣りのかたがおられ様子を聞くと、まったく当たりもないそうだ。マムシを使われているが、来るのは海毛虫ばかりとのことであった。
ボケは上げた時に無くなっている場合があるが、これがエサ取りの仕業なのか、あるいは投げた時に外れているのかよく判らない。いずれにしても鈎にエサがなければ魚は釣れない。ひたすら巻上げ餌を付け替えまた投げる。今日の干潮は正午前。そろそろ時合に入るべく10時半頃からかなり早く打ち返す。

それが功を奏したのか100m近く投げていた竿に大きな魚信がきた。感じから言ってチヌの当たりだ。合わせるとグンと乗った。今度こそ慎重にやろう。竿を取り玉網を担ぎできるだけテトラの前方に出る。乱雑に積まれた中でも一番前まで出られそうなところを見つけておいた。スタンバイOKで巻きにかかる。心地よい締め込みだ。テトラの際まで寄せて空気を吸わせる。なんとかテトラに潜られるのは避けた。颯爽と玉網を掴みスルスルッと降ろす…あれっ?!
なんと網が届かないではないか。色々やるが1m以上ありそうだ。今さら大きなテトラを降りては行けない。またしてもバラすのか。幸いな事にラインは垂直になっている。テトラに魚をぶつける事はない。ここは一か八か抜き上げよう。竿先を下げてリールを捲きゆっくりあおる。水面を切ったチヌを手元に寄せる。ハリスを掴みなんとか確保した。しかし、いつ何時切れるか判らない。慎重に波止に戻りようやく水平なところにチヌを置いた。やった仕留めたぞ!
バタバタしているそいつのところに数人が集まってきた。メジャーを当てると40弱。取りあえずボーズは回避できた(^^)v。

結局時合とおぼしき時間にはこの当たりがあっただけに終わった。自らの腹を満足させるべくコンビニ弁当をほうばる。今日は無風で波もなく穏やかな天気だ。いやむしろ暑いくらいである。ライフジャケットをまくらに横になると紫外線の多い春の日ざしが顔に降り注ぐ。こりゃぁきっと焼けるな…。

小ボケは2/3程度消費しただろうか。当たりもないままひたすら投げ返す。2時過ぎ、60m程度の放り込んでいた竿をあおると重い。抵抗を感じたまま巻きにかかるが明らかにゴミやヒトデではない。天秤が浮かび上がらないまま近付いてくる。その下には褐色の物体。本命のカレイだ。躊躇せず抜きあげる。サイズは不満の26cm、しかし、嬉しいマコガレイのゲットである。尺オーバーを期待して同じポイントに投げ返す。

しかしそんな努力も空しく時間は納竿に近付いていく。ずっと、小ボケを1匹づつ付けていたが、最後の1投に最後の小ボケ4匹掛けの大サービス。小ボケの房掛け(?)である。1匹くらい取れてもよいと向い風に向かってフルスイング。天秤の下に餌が見えていたので取りあえず1匹以上は付いていそうだ。
他の道具を片付けながら見ていると竿先がグニャッと言う感じでおじぎしたかと思うと見る見るラインの向きが変わっていく。慌てて竿を取ると糸ふけもなくピンと張っている。しかもぐんぐん引く。大きく合わせを入れると今までにない重量感と締め込みが襲った。大きいスズキか?!。必死で巻くもののばらしてたまるかと無茶はしない。上のテトラからは無理だと感じ、1段2段と降りていく。それまでは降りようとも思わなかったところであったが、頭の中はバラシはしたくないと思いで一杯である。
強烈に締め込みながらもそいつは近付いてくる。これは更に降りなければ取れないぞ。でもこれ以上降りるのは無理だ。過って落ちたらもともこもない。

最後の締め込みに耐えそこまできた。しかし当然手は届かない。玉網はとっくに片付けてある。このままにしているとテトラの隙間に入られるかラインが擦れてジ・エンドだ。その瞬間赤い尾ビレが反転した。なに〜?!真鯛か〜!絶対に取りたいが、どうしよう…。最後は諦めに似た気持ちで抜く事にした。無謀だが仕方ない。力一杯リールを巻く。ズルズルッと言う感じでこちらに抜けてきた。
渾身の力で持ち上げる。竿は満月を超え折れるのではないかと思うくらい曲がっている。ハリスも心配だ。それでもなんとか宙に浮かせた。今まで経験のない大きさだ。なんとか手元にきたやつをタオルで掴む。や、やったあ〜!這うようにテトラをよじ登る。興奮と力仕事で手が震えている。
波止場で一息付くとすぐに人が寄ってきた。みんなビックリ顔だ。測ってみると軽く50cmを超えている。小振りのクーラーに入らない。なんとか尾びれを曲げて押し込む。投げ釣りをしていたかたが親切にも氷をくれた。

そのまま納竿とした
それにしてもこういう事があるのかと、未だに信じられない。真鯛のCは初めてである〜(というか今までAを1匹釣っただけ)。しかも真鯛は我がクラブの本年年間奨励魚でもあるのだ。嬉しさの余り、会長や湯浅氏に電話報告しまくった(^^);。

今回はカレイ狙いで釣行した。が終わってみれ真昼間の真鯛が釣れた。しかもオーラスの1投。まさに投げ釣りはこれがあるから面白い、と言うのを絵に書いたように終わる事ができた。う〜ん、満足〜。。

釣行データ

釣行日:平成16年4月3日(土)大潮

竿:スピンパワー405CX-T プロサーフ405BXーT
リール:パワーエアロ6000
ライン:PE3号 固定天秤30号
仕掛け:ハリスフロロ5号チヌ鈎5号
餌:小ボケ
釣果:真鯛 54.6cm
チヌ 40.0cm(以上拓寸)
マコガレイ 26cm