| …とのサッカー。 cross氏のHPに寄稿 |
| 梅雨のある日、僕は所属チームから解雇通告を受けた。 まだ、27歳。 これから、路頭に迷うのも必然だった。 それでも、その夜、僕は日課となっているランニングに出かけた。 走るたびに涙が出てきた。 いつものコースから外れ、帰ることを拒否しながら走り続けた。 目の前に浮かんできたのは、見慣れぬサッカー場。 煌々と照らされたグラウンドではサッカーが行われていた。 スコアボードを見ると、一方のチームが負けそうだった。 そのチームの男から声をかけられた…助っ人で出てくれないかと。 僕の顔は知らないようだった。 もう、プロではないのだから、気軽に引き受け試合に出た。 鬱憤を晴らすように駆け、そして蹴った。 やがて逆転し、試合は終わった。 口々に礼を言われ、帰ろうとしたとき… 声をかけてきた男から、そのチームに入らないかといわれた。 断る理由もなかったのだが、これから仕事を探さなければならない僕は待ってくれと言い、男もそれを承知した。 そして、僕は、そのままベンチで寝てしまった。 目が覚めると…そこは廃墟と化したグラウンドだった。 ボロボロのベンチ、錆だらけの証明、雑草だらけのグラウンド。 ここは? そんなことを思っていると、通りがかった早朝散歩の老人に気づいた。 ここがいつから、廃墟となったかを尋ねた。 老人は覚えていた…ここのグラウンドで試合をする予定だった学生を乗せたばすが、事故で谷底に落ち、全員死んでしまったことを。 そして、それから、ここでは幽霊の目撃談が増えた。 それから利用者が激減したので、ついに閉鎖されたグラウンド。 そして、僕は昨日の体験を老人に話した。 老人と僕は顔を見合わせた。 もし、僕が、そのチームに入ることを承諾していたら…。 僕達は、いつまでもその場から動けなかった。 |