シャッターチャンス

       

  
      

「どうしたんです、希理子さん?難しい顔をして」

「ああ、今川」

 その呼び声に希理子は首をあげた。

「うにゃね、写真の整理をしてたのさ」

 インターハイにて宿泊中のホテルのロビーに希理子はいた。ファミリー向けの結構大きなホテルは

夏休みということもあって結構人の出入りが激しい。希理子は一人でロビーの一番奥の中庭が見える

場所を陣取り、置かれているテーブルの上いっぱいに写真を広げている。

「これ、昨日の写真ですよね?あっ、これなんか今日の写真じゃないですか!」

 沖縄の喜屋武や茨木の筑波との試合の写真がすでに出来上がってきていた。

「さすが希理子さん、よく撮れてますねぇ」

 今川がその出来に感心する。試合中の息遣いさえも聞こえてきそうなプレイ中のシーンや、控え室

でのくつろいだ様子などが手のひらサイズのその写真の中にきり抜かれてように閉じ込められてい

る。

「そうかねぇ?」

 希理子は不服そうに首をかしげる。プロ顔負けの写真だというのに納得がいっていないらしい。

「まあ、それなりの出来だとは思うんだけど『これ』っていうのがないんだよねぇ」

 珍しくため息をつく。

「『これ』っていうのって?」

 今川の質問に希理子は10枚程の写真を取り出した。その写真を覗き込むとそれは都大会予選中の

写真ばかりだった。

「これがね、今売り上げが特にいい写真なんだ。何か気付かないかい?」

 その言葉に今川は写真をめくっていくと桜井、小林、澤村が大きくズームされた写真ばかりだっ

た。だがその中に変わった写真が数枚混ざっていた。

「あれ、これピンぼけじゃないですか?これも、これも」

 今川がその中から選びだした3枚は桜井や小林、そして澤村が写っているのだが、希理子が撮った

にしては珍しく微かにピントがずれていたり、写っているその人物が写真全体の中で小さすぎたりと

失敗と判断されても仕方がないような写真ばかりだった。

「それね、笑ってるだろ?だから売れてるみたいなんだ」

 そう言われて見てみると確かにその写真の中の3人は笑っていた。他の希理子が今手元に置いてい

た写真と見比べてみるとハッキリ『笑顔』で写っている写真はこれだけだった。

「今日、撮った分全部見てみてもこれっていうのがなくってさ、予定よりだいぶ出費が多くて、カネ

稼がなきゃなんないのに、イマイチいちおしっていうのがないんだよね」

 希理子の説明によるとこうである。

 この宿泊しているホテルの予約を顧問の西前先生に頼んだのだそうだが、その時先生が予約のミス

をしてしまったのだ。本当なら部員全員分のツインとシングル2部屋のはずが、シングル2部屋分も

ツインの予約になっていたのだ。何とか掛け合って内片方のツインは解約でき、シングルを取り直す

ことが出来たのだがもう片方は予約がつまっていた為、出来なかった。ホテル側のミスなら責任はな

いのだが、こちら側のミスであるのでそのため一部屋分のツインとシングルの差額が出費としてのし

かかってくることになってしまったのだ。 

「それにね、コールドスプレーとか酸素缶の消費が激しいんだ。部屋代の分と合わせると、1日15

000円分ぐらいオーバーしてるんだよ」

 その希理子の言葉にさすがの今川も困り顔になる。インターハイ出場という快挙を成し遂げたとい

え、貧乏公立高校である上南がバスケ部に出してくれた補助金は微々たるものだった。何とか宿泊費

と交通費が補える程度の金額でしかなかったのである。その他試合に必要な経費はすべてバスケ部や

個人持ちだ。

 何とか個人負担を減らそうと希理子と今川は必死になってやりくりしてきていたのだが、これが限

界である。

「だからどうしても稼がなきゃなんないのに、これっていうのがなくってさ。もっとずばっと女の子

の心をわし掴めるような写真がいるんだ」

 希理子は熱論する。

「だけど最近あいつらあたしのこと警戒しやがって、満足に写真を撮らせてくれないんだ。このまま

じゃカネがないってことで試合を棄権しなきゃならないかもしれないんだ」

 一大事である。こんなハッキリいえば情けない理由で出場辞退などすれば末代まで語り継がれてし

まう大珍事である。

「……つまり、この3人の笑顔の写真が撮れて、そして一日につき15000円分をカバー出来れば

いいんですね?」

 希理子の切羽詰まった思いを理解した今川が何かを思案顔で問いかける。その言葉に希理子は大き

く頷く。

「そう、だけど明日からはもっときつくなるだろうから、できれば2万円分、それも今日中に」

 その言葉に今川も大きく頷いた。

「わかりました。3人の笑顔の写真、何とか撮ってみせます」

 そして希理子の顔を真正面から見つめる。

「だけどその為に希理子さんにお願いがあります」

「えっ、何?」

 やけに真剣な後輩マネのその様子に希理子の方が押されながら問いかける。

「3人が警戒するから希理子さんはカメラを持ち歩かないでください。写真は俺一人で撮りますか

ら」

「えーっ!」

 今川の口から出た意外な言葉に希理子は目を見開く。だが今川は珍しく自信があるようにどんと胸

をたたいた。

「まかせてください。絶対『笑顔』撮ってみせますから」

 希理子はその言葉に納得が行かないまでも促されるように写真を片付けた。そして今川に自分が持

ってきていた中で最も小型で性能のいいカメラを預けると今川に追い立てられるようにその席を後に

する。

「さてと」

 今川も希理子に続いて立ち上がる。そしてカメラがちゃんと撮影可能かどうか確かめると希理子の

消えていった方向に目を向ける。

「じゃあ一丁、尾行しますか」

 そのいっけん意味不明な言葉をつぶやくと希理子の後を追うようにその方向に進んでいく。その顔

にはいつもとは違う種類の笑みが満ちていた。

 


 

 一方、そんな今川の尾行を知らない希理子はホテルの中のゲームセンターなどが占める行楽エリア

に足を運ぼうとしていた。

「おっ、ヒマ人!」

「…何だ、希理子ババァじゃねぇか」

 先程まで希理子が居たのとちょうど中庭をはさんでホテルの反対側に位置する場所に澤村がいた。

そこもロビーと同じようにテーブルと椅子が置かれてくつろげるようになっていた。

 高い木によって拒まれながら舞い降りてくる西陽の木漏れ陽に昨日今日の疲れもあってか澤村は半

分うとうととしていたようで、希理子の呼び掛けに目を覚ましたようだった。

「寝てたのかい?寝るんなら部屋でお休みよ。こんなとこで無防備に寝ちまってたら誰かに襲われち

まうよ」

 含み笑いをしながら希理子が言う。その言葉に澤村が顔をしかめる。

「誰に襲われるってんだ!俺はあんたと違って人に恨みなんか買っちゃいねぇよ!」

 浩介らが聞けば目をひんむいて怒りそうなセリフである。だが希理子は平然としながら言い返し

た。

「誰が恨みで襲われるなんか言ったかい?あたしが言ったのは『男に襲われる』ってことなんだけど

さ」

「なっ」

 希理子のその言葉に怒りでサッと顔が赤くなる。だがその澤村の怒りにも平然としながら澤村のす

ぐそばまで行くと、希理子はその白い手で澤村の汗をはらんだ髪を掻きあげた。

「とにかく寝るんなら部屋で寝な。ここじゃ寒すぎて風邪ひいちまうよ。うちの大事な得点源に風邪

でもひかれちまったら商売上がったりだからね」

 言葉とは裏腹なその優しい手に澤村は小さく笑みをもらす。

 希理子の言うとおり、そこは少しクーラーが効きすぎているようで澤村や希理子のようにタンクト

ップ一枚しか着ていない人間が長時間いるにはすこし肌寒い。

 まったく素直じゃない、最初から素直に身体の心配をしてるセリフを口にすればいいのに、絶対に

そうは言えないのだ、希理子という人間は────そのことを知っているがゆえに澤村は嬉しくな

る。

「寝るンだったらちゃんと部屋で寝るんだよ!」

 澤村の髪をもてあそんでいた手で希理子はぽんと澤村の頭を軽くたたくと振り返りもせずにさらに

奥のエリアへ向かうべく、さくさく歩いていく。

 その颯爽とした背中を見ながら澤村は先程まで希理子が触れていた場所を自分の手で撫で、遠くな

っていく希理子のその背中につぶやく。

「バーカ」

 思わず笑みが溢れる。

 その時、かすかにシャッター音が響いたことに澤村は気付かなかった。

 

 

 その小休憩所を離れた希理子は行楽エリアの一番奥にあるお土産物コーナーに向かっていた。する

とそちらの方向から大きな紙袋を片手に困り果てた表情で歩いてくる小林がいた。

「何だい、何だい、暗い顔しちゃってさ」

 希理子がそう声をかけると小林はいかにも会いたくない人間にあったという様子で更に表情をこわ

ばらせた。

「あっ、いいモン喰ってんじゃん!」

 そんな小林の様子に気付かずに希理子はいそいそと小林の方に近寄っていく。

「試食にってもらったんすよ。俺、甘いもの嫌いだし、特に今はこんなもの見たくもないっていうの

に」

 そう言った小林の荷物を持つ手とは反対側の手には小さなソフトクリームが握られていた。市販さ

れている物より台になっているコーンが2周りほど小さく、上のソフトクリームも半分くらいしかな

い。

「ははっ、確かあんた昨日イヤっていう程デッカイパフェを食べたんだったね。じゃあせっかくのソ

フトクリームも拷問か」

 希理子は面白そうに笑った。昨日の晩、遊びに出かけた際にビリヤードで優勝した小林と喜屋武の

玉那覇はどちらもが甘い物が苦手だというのにむりやり超ジャンボパフェを食べさせられたのだ。そ

のせいでさらに甘いもの嫌いが加速している小林にとってこのソフトクリームは嬉しい物などでは一

切無く、おぞましいだけの代物だった。

「じゃあさ、一口もらってもいい?」

 希理子はしめた、とばかりに小林の顔を覗き込んだ。

「いいっすよ、というか希理子さん────えっ?」

 全部さしあげますよ───そう言う前に希理子は小林が手にしているソフトクリームにかぶりつい

ていた。

「美味しい!これ美味しいよ、小林。味がぜんぜん濃厚で、めちゃくちゃ美味しいよ」

 大きくかぶりついた為、唇にクリームを付けたまま希理子は笑った。その満面の笑みと希理子の行

動に小林はあっけに取られ反応出来ない。

「せっかく貰ったんだから全部食べるんだよ!捨てたり残したりしたら食いモンの神さまに殺される

からね!」

 希理子はそう言うと固まったままの小林を残して小林がやってきた方向に向かって進んでいった。

 小林は希理子の足音が微かに流れている音楽に掻き消されてまったく聞こえなくなるまで立ち尽く

していた。そして手にしているソフトクリームが希理子がかぶりついた為、溶けかけていたのがとろ

りと雫を垂らして小林の手を汚していた。

「…………」

 しばしの逡巡の末、小林はその垂れた雫をぺろりと嘗めた。その甘さと自分のした行為に小林の顔

は真っ赤になる。そして冷たい雫が全身に染み渡っていくに従って小林の顔に笑みが浮かんでいく。

 だけど小林は自分が笑っているのも、そして自分に向けてシャッターが切られているのにも気付か

なかった。

 

 

「あんた、何やってんだい!」

 お土産物売り場までやってきた希理子はそこにいる同級生の顔を見て開口一番怒鳴り付けた。

「おっ、希理子」

 そんな希理子の怒りをものともせずに桜井は笑った。

「どうしてもポテトチップスが食べたくなってさ。それでついでにおみやげも見てたわけ。希理子

は?」

「あたしは備え付けのリンスinシャンプーじゃ髪の毛が軋んでしょうがないからリンスを買いに来た

ンだよ」

 垂らした髪を一筋手に取りながら希理子はそう説明する。このお土産物売り場ではちょっとした雑

貨も扱っていた。もう滞在5日目になっているのでここでトラベル用サイズのリンスが置いてあるこ

とを確認していたのだ。 

「髪が長いっていうのも大変だな。俺は別になんともないけどな」

 自分の髪をいじりながら桜井は言う。その様子に希理子は呆れたような表情をしながら言い返す。

「あんたのその強情な性根同様に髪の毛も鋼鉄で出来てんじゃないのかい」

「ひどいなぁ、そこまでは硬くはないぞ」

 触って確認するようにと頭を下げ、自分の髪を指し示す。希理子はその桜井の髪をわし掴むと思い

っきり引っ張った。

「イテッ」

 思わず桜井が悲鳴をあげる。だがその様子に希理子は笑う。

「やっぱ鋼鉄じゃないか!ほら、たった10本しか抜けてないじゃんか」

 希理子は手のひらを開らげ桜井に桜井自身から抜け落ちた、もとい抜き取った髪の毛を指し示す。

「ひどい……あんまりだ」

 さすがの桜井もその希理子の様子に情けない顔をする。希理子はその桜井の様子を平然と笑った。

「ふふんっ、いい気味!」

 するとその2人の様子を見ていた売店のおばちゃんが面白そうにくすくす笑った。

「仲いいね、あんたたち。恋人同士なのかい?」

 その言葉に希理子は真っ赤になる。

「だっ、誰がこんなやつと!……」

 だが桜井は澄まし顔で平然と言う。

「はい、まだ付き合い始めて間がないんですよ」

「何言ってンだい、このクソ野郎!」

 次の瞬間激しいパンチが桜井の脳天を直撃した。

「〜〜〜〜〜」

 あまりの衝撃に桜井は言葉も出ない。

「ふん!」

 希理子はそんな桜井を鼻で笑うと振り返ることもせずにさっさと立ち去ってしまった。

「大丈夫かい、お兄ちゃん?」

 しゃがみ込んでしまった桜井を心配してその店員のおばちゃんが桜井の様子を覗きこむ。

「あっ、はい、慣れてますから」

 桜井は頭を撫でこすりながら立ち上がる。もうまる2年以上も希理子の攻撃に慣らされてきた身体

はちょっとやそっとのことじゃびくともしない。

 心配そうな様子のその店員さんににこりと笑って大丈夫だと示すと、レジの側に置いてあった商品

を一つ手に取った。

「これ下さい」

「はいよ」

 レジに金額をうちこみ、袋に入れながらかなり首を曲げなければならないその青年に問いかける。

「さっきの彼女に届けてあげるのかい?」

 ほのぼのとした気分を味わいながらそう言うと案の定、桜井はハッキリと頷いた。

「あいつ、恥ずかしがり屋でたぶんもう今日はこの店に近寄れないでしょうから」

 桜井は手提げ袋を受け取りながら再びにこりと笑った。そのビニール袋の中には小さなリンスが入

っていた。そして勘定を終えると痛めている足を引きずりながらエレベーターホールに向かって歩い

ていく。

 そしてこれまた桜井も自分が写真の中におさめられているとは気付かなかった。

「あと一枚……」

 今川は細い目を更に細めて笑うと時間が少し過ぎるのを待った。

 

 


 それから小1時間後、そういうわけで桜井の手によって届けられたリンスで気持ちよくシャワーを

終えた希理子の部屋を今川が訪ねてきた。

「はいよ、何か用かい?」

 洗ったばかりの髪をバスタオルでぐるりと巻き上げた、まさに入浴直後の格好で希理子は入り口の

扉を開けた。

「写真撮り終えたんで現像にいこうと思ってるんですけど焼きまわしするのありますか?」

「えっ!もう撮れたのかい?」

 その言葉に希理子は顔を輝かせる。だがその瞬間に今川はシャッターを切った。

「はい、これで最後です」

 突然のフラッシュに目を白黒している希理子に笑いかけると今川は平然とした様子で手を差し出し

た。

「じゃあネガを」

 何でもないといったその今川の様子に希理子は不思議そうな顔をしながらも部屋の奥に引っ込んで

いくと幾つかのネガ袋を持ってきた。

「じゃあこれ頼んだね」

「はい」

 今川はそう頷くと扉を締めていそいそとエレベーターに向かった。そのやけに軽い足取りに横をす

れ違った成瀬らは首をかしげたがその理由はわからなかった。


 

「やりぃ!本日の売り上げしめて3万3千円!目標額突破!」

 浜国との試合の後、せっせと売り捌いた写真の売り上げ金額を合計して希理子が歓喜の声をあげ

た。

「これもあんたがこんなにいい写真を撮ってくれたおかげだよ」

 そう言う希理子の手には3枚の写真が握りしめられていた。桜井、小林、澤村の満面の笑みのズー

ム写真である。

「でもさ、あんたこれ何時撮ったの?場所がはっきりしないんだけどさ」

 人物だけに焦点を当てている為、背景がすっかりぼやけてしまっていてかろうじて室内だというこ

とが判る程度だった。

「内緒です」

 今川のその言葉に希理子は少し顔をしかめるが、他に気になることがあるらしく売り上げ集計のリ

ストの一番下の欄を指した。

「ねえ、じゃあこの『スペシャルX』っていうのは何?値段も1枚1000円って異常に高いじゃ

ん。だけど5枚も売れてる」

 他の写真が一枚だいたい500円だから倍だ。もちろん今回の一番人気の写真にくらべれば売り上

げは劣るが、それでもたいした売り上げだ。

「これも内緒です」

 今川はにこりと笑ってそれ以上の質問を封じると希理子を残して立ち去っていった。

 その今川に次から次へと男達が接触を試みてくる。

「すげぇ写真あるんだってな」

「一枚1000円なんだけど、特別に800円にまけてやろうか?」

「700」

「だめ800」

「……じゃあ750だ」

「商談成立」

 今川からその写真を受け取るといそいそと隠して立ち去っていく。そしてその直後に別の男が今川

に接触する。

「今川、お前……」

「一枚1000円です。だけど特別にまけて750円です」

「他には?」

「あるにはあるんですけど小出しに流した方がいいでしょう?これが商売のこつです」

「わかった。じゃあ次のを売り出す時には連絡してくれよな」

「承知しました」

 先程の男と同じように写真を受け取るとその男はゆったりとした、すこしびっこをひいた歩調で歩

き去っていった。

「今川……」

「わっ!」

 後ろからぬへっとかけられたその声に今川は振り向く。

「何か用?」

「…………」

「おい?」

「…………」

「これだろ?一枚750円だけど買う?」

 先程の男達に示した写真をピラリと見せながら今川が問いかける。その言葉にその男は真っ赤にな

りながら何度もこくこくと頷く。

「はい」

 写真を受け取るとその男はその写真を見て更に真っ赤になりふらつきながら今川の視界から消えて

いった。

「ホント、すごいな。こうなるとはわかってたけど」

 先程までの男達に次々に売り飛ばしていった写真を一枚手に取り、感心した様子で今川はため息を

漏らす。

「だけどこれじゃあ売れるよな」

 今川は自分の撮った写真の出来というよりもその被写体及びシャッターチャンスに自分自身で感心

する。

「当分稼がせてもらいますか」

  

 そう言って仕舞い込んだ写真には希理子が湯上がり直後のバスローブ姿で満面の笑みで笑う姿が写

されていた。

 

                                 Finー

              


 策士桜井及び希理子よりしたたかな上南の真の支配者に御登場いただきました。書いてる内に長くなっちゃって文章にまとまりがなくなっちゃってるんですけど、無意識の誘惑に振り回されているバカ男どもを笑ってやってくだされば幸いです。
                             2001/3/28 日向 葵

 5500番用キリ番作品です。とにかくバカネタで書きたかったのでこんなの書いちゃった記憶が・・。私の中では今川くんはかなり恐い人として位置付けられています。だって何だカンだ言ってもみんな今川の思い通りに動かされてるし。           《2001/5/9》

    

   

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