「森を出たら絶対に渡すよ。俺は馬を逃がしてしまってね、この魔法のかかった森を独りじゃ出られそうにないんだ。だけど君がいれば出られるんだろ?それに君が持ってなくても『これ』が傍にあれば起きていられるみたいだし、これって交換条件としては悪くないと思うんだけど」

 あなたは悠然とそう彼女の思惑にのせられた振りをしながら自分の意志を押し付けました。
 そのたくみな話術と終止浮かべたその笑顔に彼女はしぶしぶながらその条件を呑むことで和解しました。

「絶対、森でたら渡してよね」

「ああ」 

 あなたはにこやかにうなづきました。

              


 彼女の案内で森の外に出ることが出来ました。

「さっさと返してよ」

 彼女がすかさず詰め寄ってきます。

「わかったよ、じゃあ手を出して」

 彼女は嬉しそうに手をのばしてきました。あなたはその手首をすかさず掴み、隠しもっていたロープで彼女を縛り上げてしまいました。

「何するんだい!」

 彼女はあなたの突然の行動に慌て、怯えています。あなたはそんな彼女にさらに豊かな笑みを浮かべ返答します。

「これから君を俺の国に連れ帰って俺の花嫁になってもらうのさ」

 

「これってさ、ホントは君を眠らせるモノじゃなくて、魔法を封じるものなんだろ?だからさっさと俺から取り上げて逃げ出すつもりだった、違う?」

 それはまさに図星でした。彼女はあなたのその言葉に凍り付いてしまいました。

「だけど俺は君がどうしても欲しかった。逃がすわけには行かなかった。だからこうさせてもらったのさ」

 あなたはにこやかに微笑みながら縛り上げた両手の指先に唇を添わせます。

「騙してゴメン。だけどお互い様だろ?」

 恐怖に震える彼女に小さく口付けてあなたはこう言いました。

「おわびといっちゃなんだけど君を世界一幸せにしてあげる。これはホント。絶対だ。約束するよ」

「いやぁー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 彼女の絶叫があたりにこだましました。

       

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