「やりたいことをやりとおした方がいいと思います」

 あなたは真正面から少女を見つめ、そう言いました。

「たしかに王族っていうのは権利ではなく義務です。継がなきゃけないから継ぐみたいなものがあります。でもやりたくない人間に王位につかれた国民は不幸じゃありませんか?」

 その言葉に少女は目を見開きました。

「あなたや民達のことを思って王位から自ら退くことを決意してくださるような姉君なら、きっとあなたの想いを理解してくれる、そして国をまとめてくれる、そうは思いませんか?」

 あなたの言葉を聞きながら少女は遠い何かを見つめるような仕種をし、そして大きく頷きました。

「そうだね、そのとおりだよ!」

 瞳を輝かせながら少女は言葉を続けました。

「それにさ、王位につかなくてもあたしが外の世界で経験したことを国の皆に伝えてやればきっと皆の役に立つよね!きっとあたし以外にもあんな閉鎖された世界に嫌気がさしてる人間はたくさんいるはずなんだから!」

 そう言うと少女はあなたに向かって満面の笑みを浮かべました。

「ありがとう、あんたのおかげでずっと悩んでた結論が出たよ」
「いえ……」

 その晴れ晴れとした笑みに魅了されてしまって、あなたは真っ赤になってしまいました。その様子を少女は不思議そうに、だけど嬉しそうにしながらあなたの瞳を覗き込むと、にこりと笑ってこう言いました。

「ねえ、あたし森を出たらいろんなトコにいっていろんな酒といろんな話を聞いてくるよ。そしたらさ、その話を肴にあたしと一緒に呑んでくれる?」

 その言葉にあなたはコクコク、まるで鳥になってしまったかのように何度も頷きました。

 

    

  
    

 
「やった、やっと手に入ったんだ」

 少女───いや、もう少女とは言えないほど成熟した魅力を発するようになった元魔法の国の姫君キリコは嬉しそうに微笑みました。

「このお酒ね、隣の国との国境近くの村で作られてるんだけどさ、これを呑むと幸せになるんだって」

 そう言いながらその手にしたボトルをあなたのほうにさしだしました。

「でもこれ開けるのもう少し我慢するからね。あんたも我慢して禁酒してよ、あと8か月くらい」
「?」

 その言葉にあなたは首をかしげます。

「あたし一人で禁酒するなんて耐えられない!だからあんたも道連れだよ」

 そういいながらとっておきの笑顔をあなたの方に向けてきました。

「お酒ってお腹の子供に悪いんだってさ。だからあたし禁酒するから、あんたも付き合ってよね」 
 その言葉にあなたはしばし呆然とし、そしてその言葉を理解するとキリコの身体を思いっきり抱きしめました。
 結婚してから1年、次期国王の妃となっても、森の中で出会ったころと変わらないビックリ箱のようなキリコに振り回されながらも、あなたは彼女と共にいるからこそ経験出来る幸福にこれ以上ない幸せを噛み締めていました。

  

                               The end.

 


 
心理分析結果
 


 あなたはいわゆる『小林タイプ』です。

 言葉が不足しがちですが押さえるところはきちんとおさえるあなたは最終的には誰からも信用されるようになります。でもそこまでの過程で衝突しがち。言葉にする努力を怠らないようにしましょう。


        

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