○シケシダの仲間

〔観察ポイント〕
　この仲間の共通点は、栄養葉と胞子葉の形がやや異なるやや２形になり（シケシダは同形）、栄養葉では側羽片が詰ってつき、地表に沿って展開し、胞子葉では側羽片が間隔を開けてつき、葉柄が長く立ち上がります。
　観察時　①葉表の光沢の有無　②側羽片先端の形　③胞子嚢群のつく位置　④包膜の形と毛の有無　の４点が重要なポイントになりますので、フィールドでよく見ておきましょう。
　シケシダとホソバシケシダは平地～山麓、他は山地で見られます。見慣れると、葉身を見るだけでおおよその見当がつくようになりますが、大阪では下記６種類が基本種（親）となって雑種が多くできますので、ポイントを押さえておきましょう。

シケシダ	ホソバシケシダ	フモトシケシダ	セイタカシケシダ	ムクゲシケシダ	ナチシケシダ

同形で楕円状、中軸・羽軸・葉脈に毛が少なく、最下羽片は同長	２形性で細長い、中軸・羽軸・葉脈に毛が多く、最下羽片は同長	２形性で三角状、中軸・羽軸・葉脈に毛が多く、最下羽片は長い	２形性で三角状、中軸・羽軸・葉脈に毛が多く、最下羽片はやや長い	やや２形性で三角状、中軸・羽軸・葉脈に毛が多く、最下羽片はやや長い	２形性で長楕円状中軸・羽軸・葉脈に毛があり、最下羽片は同長
羽片はやや光沢のある緑色、先端は鋭頭	羽片は光沢のない淡緑色～緑色、先端は鈍頭	羽片は光沢のない緑色、先端は鈍頭	羽片は光沢のない白緑色、先端は鋭頭	羽片は光沢のない緑色、先端は鋭頭	羽片は光沢のない緑色～深緑色、先端は鈍頭
胞子嚢群はやや中肋寄りにつく	胞子嚢群は中肋寄りにつく	胞子嚢群はやや中肋寄りにつく	胞子嚢群はやや中肋寄りにつく	胞子嚢群は中肋寄りにつく	胞子嚢群は中肋寄りにつく
包膜は胞子嚢群を包み込み無毛、辺縁は細裂	包膜は胞子嚢群を包み込み無毛、辺縁は細裂	包膜は胞子嚢群を包み込み有毛、辺縁は細裂	包膜は胞子嚢群を包み込み有毛、辺縁は細裂	包膜は胞子嚢群を包み込まず扁平で有毛、辺縁は中裂	包膜は胞子嚢群を包み込まず扁平で無毛、辺縁は裂ける
中軸の毛が少ない	中軸の毛は多い	中軸の毛は多い	中軸の毛は多い	中軸の毛は密生	中軸の毛は多い
平地から山地までの湿気た所で普通に見られる	人里や山地の湿気た林床でやや稀に見られる	山地の腐葉土の多い林縁で稀に見られる	山地の林床でやや稀に見られる	山地の林床で稀に見られる	里山から山地の林縁でやや稀に見られる