○イノデの仲間@
イノデの仲間は多いので、@Aに分けて掲載します。
〔観察ポイント〕
 この仲間の共通点は、単羽状〜2回羽状複葉で細かな小羽片が多くつき、葉柄〜中軸に鱗片が密生することです。 
 観察時、@葉表の光沢の有無 A中軸鱗片の形と辺縁の切れ込み B胞子嚢群(ソーラス)のつき方 C葉柄基部の鱗片の形と色 の4点が重要なポイントになりますので、フィールドでよく見ておきましょう。
 このイノデ類は山麓〜山地で見られるシダで、大阪では10種が基本種(親)となって雑種が数多くできます。見慣れると、葉の出方、葉身を見るだけでおおよその見当がつくようになります。
 同定の絞り込みには色々な方法がありますが、下記の表を使った簡単な方法として、葉柄基部の鱗片の色が褐色一色のもと、黒褐色が混ざるものとに分けるとそれで半分に絞り込めます。次に葉表の光沢、ソーラスのつき方、である程度絞り込めるでしょう。

ヒメカナワラビ オオキヨズミシダ  ツヤナシイノデ  サカゲイノデ  チャボイノデ


長三角状披針形
先端は急に狭くなる



長三角状披針形
先端は急に狭くなる



広披針形
先端は急に狭くなる



広披針形
先端は尾状に伸びる



披針形
先端は尾状に伸びる



濃緑色で光沢あり
小羽片は独立する



濃緑色で光沢あり
小羽片は羽軸に沿着



鮮緑色で光沢なし




鮮緑色で光沢なし




緑色でやや光沢あり




線形、黒褐色



広披針形、黒褐色



広卵形、淡褐色



卵形、淡褐色



広披針形、褐色



中肋寄りにつく



中間〜やや中肋寄り



中間〜やや辺縁寄り



中間〜中肋寄り



辺縁寄り、先端から



広披針形〜披針形
褐色〜黒褐色



卵状長楕円形
褐色〜茶褐色



長卵形
淡褐色〜黒褐色



卵形
褐色



卵状披針形
褐色

 山地のやや乾燥した岩上で見られる  山地のやや乾燥した岩上、林縁で見られる  山地の林床で時として群生する 山地の林床、林縁で見られる   山地の少し湿気た所で見られる。