オックスフォード国際日時計会議
International Sundial Conference in Oxford


1.はじめに 
 2004年4月16・17・18日に亘り、イギリス日時計学会(British Sundial Society)主催により、オックスフォードのセントアンズカレッジ(St. Anne's College)において、国際日時計会議が開かれた。会議はイギリス日時計学会の年度総会も兼ねており、諸外国からの参加者は、オーストリア、ドイツ、カナダ、イタリア、スペイン、ノルウェイ、スイス、アメリカ、キプロス、日本等々、イギリス国内の参加者を併せると約140名位になったと思われる。日本日時計の会からは後藤会長をはじめ、小野氏、徳田氏、沖氏、筆者、さらにスペイン在住の又木氏が会議に参加した。

 オックスフォードは説明するまでもなくイギリス屈指の学問の街である。街の中心部にはオックスフォード大学を構成する各カレッジが点在している。セントアンズカレッジは、比較的設立が新しく、13世紀頃から形成されてきた古いカレッジの集中する中心街から少し離れたところにある。よく手入れされた芝生に覆われた庭を囲むようにしてセントアンズカレッジの建物群があリ、会議や講演にはカレッジ内にある150席位の階段状の会議室が用いられ、参加者への食事の提供と参加者による展示(写真右)等のため広いダイニングルームが用いられた。各参加者はカレッジの学寮の個室に宿泊することができ、我々は前日の15日から宿泊した。左のカレッジの中庭の写真は学寮の個室から撮ったもの、中央左が会議室、右側がダイニングルームである。

  
         宿泊した学寮から中庭を望む                  参加者による展示品

 2.日時計会議
 16日(金)は、午前11時よりイギリス日時計学会々長のクリストファー・ダニエル氏の挨拶から始まり、参加者による講演・ランチ・ティータイム・科学史博物館見学、ディナーを挟んで講演が午後10時頃まで続いた。この日の午後9時から、後藤会長・徳田氏・小野氏の3名により"Sundials in Japan" と題する講演が行われた。写真右はオックスフォード科学史博物館(Museum of the History of Science)展示の美しい象牙製携帯型日時計。館内には天文家の方々には興味深い天文観測機器の展示も多かった。

  
               会議室風景                       象牙製携帯型日時計
                                               オックスフォード科学史博物館


 17日(土)は、参加者による講演。ランチ後はチャーチルの生家のブレンハイム城見学バスツアー。夜にはネクタイ着用を要する祝宴(Banquet)が催された。この日の午前11時から沖氏による "Sundials in Japan and their practical use as urban landscape"と題する講演が行われた。
 18日(日)は、午前中にイギリス日時計学会の年度総会、各講演が行われ、午後1時に終了した。左下の写真は小野氏、徳田氏、デヴィッド・クック氏、クリストファー・ダニエル氏(BSS Chairman)、後藤会長、フレッド・ソイヤー氏(北米日時計学会々長)、マーク・レノックス・ボイド卿(BSS顧問)、筆者。当日のランチの後はオックスフォードの日時計見学ウォーキングツアーの予定が組まれていたが、あいにくの悪天候と当日のロンドン着が余り遅くなっても差し支えがあると考え、日本人参加者はツアーには参加せずカレッジを後にした。 

  
             会議の主催者と                     参加者による展示品

 参加者による会議中のティータイムやバーオープンのときは、参加者相互の交流の場であり、 参加者による各種日時計の展示(上右)、日時計関連物の即売等が行われた。ロンドンの科学史関係を専門とする古書店が来ており、筆者も数点書籍を入した。今回の訪問で期待していたオックスフォードの日時計の数々を見ることができなかったのは残念だったが、いずれまた機会があると思う。

3.エジンバラ・ヨーク・ストーンヘンジなど
 会議に先立ち、我々はスコットランドの首都エジンバラを訪れた。日時計見学にはイギリス日時計学会々員のデビッド・ガビン氏にお世話になった。エジンバラでは一般的な日時計の他、17世紀の頃庭園装飾としてスコットランド固有の意匠とされている多面体日時計の数々を見ることができた。(→エジンバラの日時計)
 エジンバラの後、後藤会長と徳田氏は巨石遺跡を訪れるためイングランド北部の湖水地方へ向かい、小野氏・又木氏・筆者は中世の雰囲気を現在に伝えるヨークを訪れた。その後オックスフォードでの再会となった。ヨークではイギリス日時計学会々員のリチャード・クロスレイ氏にお世話になった。左下はヨーク・ミンスターの古い壁面に残るスクラッチ日時計、右下はヨーク市美術館に展示されているステンドグラス日時計である。写真では分かり難いが、図中の天使も石造の日時計を抱えている
  
         スクラッチ日時計                       ステンドグラス日時計
      ヨークミンスターの古い壁面                           ヨーク市美術館

 小野氏・又木氏・筆者はオックスフォードの後、ロンドンに立ち寄りすぐ帰国の途についたが、後藤会長・徳田氏は巨石遺跡として有名なストーンヘンジを訪れている。ストーンヘンジは現在中へ入ることは禁じられているが、イギリス日時計学会々員のデヴィッド・クック氏の計らいで中へ入ることができたとのこと、氏には謝意を表したい。

4.おわりに
 出発前はスペインのテロ事件があり、出入国の荷物検査や入国審査が特別に厳しくなるかも知れないと多少覚悟をしていたが、それほど変ったという印象は受けなかった。イギリス入国の際には入国目的についていつもより多く質問を受けた程度であった。
 今までロンドンに立ち寄るときは雨に降られることが多かったが、今回は最終日を除いて比較的天候に恵まれた。日時計見学には太陽の光が不可欠である。何はともあれ無事帰国することができた。


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