身体雑学21・1ー4

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■ イスラムの女性美

日本は開国以来、ほとんど西欧に追随してきた。
近代以後、西欧に圧され気味のイスラム文明は、日本人の視界には入らなかった。
イスラムの真価を知らずにきたことは、日本人にとって不幸だったかも知れない。
イスラム文明は、日本人が考えるよりはるかに強大なのである。

日本の伝統文化が衰退しつつあることを考えると、イスラムの強靭さは対照的だ。
中世では西欧を圧倒していただけに、自信と誇りが感じられる。
今日西欧文明に対抗できる(劣等感を持たない)唯一の文明かも知れない。

だが西欧文明に洗脳?された日本人の目には、奇妙に映ることが多いだろう。
例えば日本でもついこの間までは、ヘアヌードが許されていなかった。
それについて多くの文化人が、規制する当局をぼろくそにけなした。
世界の常識が分からない石頭な連中だと。(この世界とは欧米を意味する。)

ところがイスラム世界では、女性は陰毛どころか頭髪も隠さなければならない。
なぜか?。女性の髪は男を誘惑するという理由である。
(ただしイスラム文化圏の中にも、戒律に寛容な国や地域もある。)

かつてイランではパーレビ国王の政権下、大胆な近代化(西欧化)が進められた。
(米国の後押しを受けた政権なので、米国の意向が強い。)
日本人も憧れた米国文化を、富裕層など一部のイラン人は楽しんでいた。
ところが貧富の差の拡大や、富裕層の西欧かぶれに民衆の反発が高まっていく。

そしてホメイニ師指導の元、ついに現代史を揺るがすイラン革命が起きる。
国王一族は海外に逃亡、米国は大使館を占拠されてしまう。
そして西欧化から一転して、厳格なイスラム原理主義国家になる。

髪のモロ出しが駄目なくらいだから、肌の露出など論外。
写真はおろか、イラストのヌードや水着姿も駄目。

サッカーはイランでも人気が高く、ワールド杯米国大会がテレビ放送された。
国際映像では観客席も映る。
夏場なのでタンクトップや、ショートパンツなど肌モロ出しの女性も映る。
イランの放送ではその部分が、冬場の大会の映像に差し替えられていた。

ただしヌード写真が規制されるのは、イスラム文化圏だけに限らない。
中国やシンガポールなど儒教文化圏にも、厳しい国が多い。
むしろ日本が儒教文化圏の中では、突出していると言える。
(それでも東洋では西欧文明の影響が、強まりつつある。)

ただし欧米でも誰もがヌードやポルノに寛容な訳ではない。
宗教関係者はおおむね許されるべきではないと、全否定している。

女性の肌の露出が制限されるのは、イランに限らない。
ほぼイスラム世界共通だ。
湾岸戦争の時も、米軍の女性兵士のTシャツ姿が問題になった。
アラブ系の兵士から、無神経だと抗議の声が上がった。

当然女性の水着姿など絶対見ることはできない。
プールは風呂やトイレと一緒で、男女が別々になる。海水浴場は?。
仕切りが作られて、やはり別々になる。ただ家族専用の区域があるらしい。
夫婦や親子まで別々にするのは野暮だという配慮なのか。

某紙の記者は家族をつれて潜入したという。(カスピ海沿岸の海水浴場)
何とかイラン女性の水着姿が見たかった?。気持ちは分かる。
それだけ隠されるとよけい見たくなるし、想像も膨らむ。

結果は残念ながら見ることができなかった。
やはり他人の男たちの目がある所では、水着にはならないようだ。
では沖合いまで出て、女性区域に回り込んだらどうか。
そんな不埒なことを考えるのは、敬けんなムスリムではない証拠だ。

それでも魅力は表れる?

女性が髪や肌を隠すための、イスラム独特の衣装がある。
チャドル、ベール、ブルカ、アバヤなどと呼ばれるいくつかの種類がある。
隠すためのものではあるが、エレガントに見える衣装もある。

派手なボディコンギャルより優美かも知れない。
敬けんなイスラム女性の方が、男の目を引くということも十分ありうる。
なぜか、理由は明快だ。当サイトをよく読まれている人は、お分かりでは。
美と魅力の基本は表情美ときれいな姿勢である。

表情美は顔だけ出ていれば事足りる。
姿勢のよしあしは、武士や騎士の甲冑をつけた状態でも表れる。
上記の衣装をまとっても同じ、美しい姿勢は表れるのだ。
基本的な美は隠せない、隠しても片りんが表れるということだ。

女性の魅力となる部分を隠すのは、誘惑することが罪だからである。
だがら美を消すのとは違う。美を認めない文化などありえない。
幼児のうちから女は髪を隠すよう教育される。
しかし美意識はちゃんと発達するようだ。実際イスラム世界にも美女は多い。

パキスタンでブット女史が首相に就任した時、こう評された。
「世界で最も若く美しい指導者。」
女性の政治参加が認められていないイスラム世界では、初の女性元首だった。

しかしその歴史的事実より、彼女の美貌の方が人々の目を引いた?。
彼女は来日した時も頭にベールをかぶっていたが、それもエレガントだった。
ではなぜ彼女は首相になれたのか?。同国の元大統領の娘だったからだ。

父は大統領から失脚した後、処刑されてしまう。
フランスに亡命した彼女は、やがて反政府運動のシンボルとして帰国。
父のかたきでもある旧政権を倒して、首相に就任した。

自由を標榜する米国など主要な欧米諸国に誕生した女性元首はサッチャーのみ。
欧米が女性を抑圧していると考えるイスラムから、美貌の元首誕生は皮肉だった。