賢い郵便局の利用法

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    郵便貯金

     利子の計算のトリックで、郵便貯金に実質上の金利が異常に高い「金融商品」 があります。それは、郵便局の「ニュー定期 1 ヶ月物」を 1000 円1口で申し 込むこと、です(それだけです)。事実上、いつでもおろせる流動性の高い貯 金なのに、税金なしの実質 年利 1.2%という高い利率が実現します。

    ※ 中級編に改良がありますので、読んでみて下さい。

    郵便局の郵便貯金は国家が保証していますからその意味では、これ以上は ないぐらい、とても安全です。ただ、以下の情報は、あくまでも自己責任 で利用して下さい。例えば、この制度がいつまで続くかは、僕にはなんの 保証もできません。(あまりに当然ですが。。)

    1) 初級編

    利子の計算のトリックで、郵便貯金に実質上の金利が異常に高い「金融商品」 があることを知りました。それは、郵便局の「ニュー定期 1 ヶ月物」です。

    ○ 郵便局の「ニュー定期 1 ヶ月物」自動継続扱い。

    ○ 一口 1000 円の貯金を作る(100 万円なら 1000 円 を 1000 口)

     例えば、100 万円貯金する場合、 1000 円を 1000 口となります。
     もちろん 1000 枚の申込書を書く必要はありません。
     1000 円 × 1000 口という、一枚の申込書で申し込めます。

    ※ 満期日は、翌月の同じ日付です。

    このトリックとは、最小預け入れ単位の 1000 円につき 毎月 1 円の利 子が(端数の切り上げで)つく点です。つまり、月 0.1% = 年利率で 1.2% となるわけです。

    ※ 本来の利率は 0.3% なので、利子は毎月 0.25 円しかつかないはず
    なのに、「切上げ」で 1 円となってしまうのです。凄い。

    この利率は、短期のいつでもおろせる貯金としては圧倒的な有利さです。 (銀行預金の利子と比べてみて下さい)その上、なんと、端数処理(切 捨て)のため、実質上税金もかかりません。 1000 円に付き、まるまる 1 円が毎月手にはいるのです。

    ※ 実質上無税の 1.2% ですから、銀行の貯金などの 1.5% (-0.3% は税 金)に相当する高利率なわけです。ちなみに現在、銀行の定期預 金は 3 年ものでも 1% を切る、超低金利なのです。

    自動継続扱いにしておきましょう。自動継続なら、そのまま預け放し で 年に 1.2% の利子が得られます。この利率、 1 年までなら証券会 社の(長期)公社債投信も及びません。

    ※ 後述しますが 1 カ月に 1 度郵便局に行ける人は、「自動継続 にしない」という技もあります(中級編)

    毎月、利子を新総合口座に振り込むこともできます。また、証書は通帳式 と証書式が選べますが、解約時には名前を書いて判を押すだけの証書の方 が扱いが便利だと、僕は感じています。

    また、郵便貯金の home page
    http://www.yu-cho.mpt.go.jp/know/k4320.htm

    を使うと、以上の計算の正しさが公式に証明 (^^; されます。

    2) いつでも解約できるし、解約はむしろお得。

    なんと、満期日から 4 日以上たてば、中途解約してもその 4 日間に 1000 円につき 1 円の利子がつくのです。つまり、ますますお得となって しまう。例えば、月曜日が満期日なら、金曜日に解約すれば、その実質 4 日間に 0.1% の利子がつきます。

    ※ この解約も、さらに、おかしな話です。解約の金利は 0.1%/年 となっ ているのですが、いずれにせよ「切上げ」で 1000 円につき 1 円の 利子が付くところが、やはりポイントです。

    3) 注意すべき点。

    以下は、駄目な例です。以下の貯金では、上記の技(端数処理で儲ける) ができない、あるいは効果が小さくなってしまいます。

    × 郵便局の定額貯金
    × ニュー定期 3 ヶ月物,6 ヶ月物, 1 年物など
    × 1口を 2000 円以上にする

    郵便局員には、「貯金は一口 1000 円 」で預けることについて、良 く念を押して下さい。(申込書には口数を記入する欄もありますが)

    何も注意しないと、 1口が 100,000 円になってしまい、利子が上 記の方法の 1/5 ぐらいしかつかなくなってしまうことがあります。

    通帳式の場合、 ATM での預け入れもできるのですが、例えば 30 万 円預けると、自動的に 10 万円の 3 口となってしまうようです。預 け入れ金額を端数が出るよう -- 例えば x,xx1,000 円 -- にしてお くのは有効なので、そうしましょう。ただし、解約は ATM ではでき ません。

    ※ x,xxx,000 円 で、 xxxx が素数ならば完璧 (^^;;

    ※※ 実際には、ニュー定期一カ月ものの 1口は 1,000円 5,000円 10,000 円 ... のどれかとなっているので、 xxxx が 5 の倍 数でなければ OK です。

    しつこいですが (^^; 「 1 ヶ月定期、一口 1000 円」というのが、 唯一のコツですから、ここだけはしっかり確かめて下さい。渡され た証書、通帳にも、しっかりチェックを入れましょう。

    この点だけ、良く気をつけてください。

    4)中級編

    前述のように 1 ヶ月 預けて満期日を待ち、その日に自動継続され た定期貯金をさらに 4 日間預けた後で解約することは、基本的に は問題のない操作です。良く考えると、これは貯金を続ける場合で も有利なわけです。

    そこで、一ヶ月に一度ぐらいの割合で、暇を見て預け替えに行くこ とのできる人は、「自動継続にしない」というのをやってみましょ う。具体的には、 1ヶ月の満期時に現金で受け取ると、申込書に書 きます。この方法だと、 1 カ月の満期後は通常貯金の金利で預かっ てくれます。現在の金利は 0.25% ですから、2日間で 0.013698円 利子が付き、これまたやはり 1円に切り上げてくれます。

    ※ 1 円への切上げが起こるためには 0.01 円以上の利子がつく必要 があるんです (^^; ますます、変な規則ですよねぇ。

    もちろん、この満期で受けとった貯金を、そのまま全額同じ方法で預 け入れる(預け替えする)のです。1年間に11回以上預け替えができ ますから、無税の 2.2% が得られることになります。中途解約ではあ りませんから、これには郵便局側も何も言えません。

    郵便貯金法 45 条(= 定期解約は生活困難などの事情がある場合)の解 釈をたてに、郵便局員は「預け替え」を嫌がる場合があります。特に自動 継続になっていた場合「解約理由を尋ねたり」して、粘るそうです(もち ろん、生活困難を理由にすれば良いわけですが)ただ、常識的に言って預 け入れから 1 ヶ月 + 4 日の「預け替え」を拒否する理由は何もないはず で、この郵便貯金法の解釈は不可解です。。。まぁ、解約に利子をつけ、 それを切り上げるという規則がおかしいんですけどね。

    前述のように、税金なしの年率 2.2% は、税金こみの 2.75% に相当しま すので、この方法なら(長期)公社債投信もまったく及びません。 10 年物 の長期国債も、せいぜい 2.6% 程度です。すごいことです。

    ※ 自動継続で預け放し(初級編)でも十分に有利ですので、気にす ることはありません。まず、初級編だけでもやってみましょう。

    ***

    さて、ここからは、やや解釈が分かれる部分です。一応書いておきます が、実行する前に良く考えてみて下さい。

    5)最上級編

    さらに、上を狙う人には、規則上ギリギリの技があります。

    最初の満期日を待たずに、つまり、いきなり 4 日間(足かけ 5 日間) だけ預けて解約+預け入れし、この 4 日間で 1000 円につき 1 円の利 子を稼ぐのです。

    ※ 前にも書きましたが、規則上は「お客様様に契約を解除せざるをえな い、やむを得ない事情(生活困難など)があれば」解約が可能だそう です。

    例えば、「月 -> 金 -> 次週の水曜日」と契約/解約を繰り返すこと で、最大で2週間で3回の解約+預け入れが可能です。これを 1 年続 ければ複利で 7% 近くの貯金となります。

    ※ もっとも、月か金に祝日のある週は、2度の解約ができない。

    ただ、これはあまりに不自然な操作だし、このような例外規定を「活 用」する場合には、郵便局でトラブルにならないよう自己責任で良く 考えて下さい。常識的に考えて、この操作を同じ郵便局で何度も繰り 返すことはできないと思います。

    6)番外編(上級超絶編)

    ニュー定期一カ月ものは、総合通帳には組み込めないのでキャッシュ カードで借り入れることはできませんが、窓口で手続きをすればちゃ んとこれを担保にお金が借りられます。借り入れ限度額は、預け入 れ額の 90% で、 300 万円が上限です。借りる利息は + 0.5% (96.11 現在だと 0.3 + 0.5 = 0.8% )です。

    ※ 担保貯金 (= 総合口座にセットして、 ATM による自動貸し出し) とならないだけのことなのです。

    さて、 100 万円( 1000 円 * 1000 口)を預け、90 万円を借り出 すとします。つまり、実質的に 10 万円を預けるわけです。借り入 れの利子は 0.3 + 0.5% = 0.8% です。これを 5 日後に解約します。 預け入れ利子は 1000 円がもらえます。一方、借り入れ利子は、5 日間の日割で 900000 * 0.8 * 0.01 / 365 * 5 = 98.6 円 となり ます。

    つまり、 10 万円から 900 円あまりの利子が 5 日間で生まれるわ けです。この方法では、年利率で 60% (!) 以上にも達します。もっ とも、口座あたり 33.4 万円までしか、この利率で運用できないの が悩みです (^^;

    7) 番外編(初級超絶編)

    実は貸し付け金は、元利継続(利子を再投資)の場合のみ「2年間貸 し付け可能」だそうです。つまり一カ月後の満期日に清算されない のです。

    ※ 逆に元金継続だと、借金は満期日に清算されてしまうそうです。

    したがって、 3,334,000 円をニュー定期1カ月(1000 円一口)に 預け、ここからすぐに 3,000,000 円を借り出せば、実質 334,000 円の貯金から

    もらえる利子 3334 * 12 = 40,008 円
    借り入れ利子 3,000,000 * 0.8% = 24,000 円

    で、年間 16,000 円あまりの収入です。つまり年率約 4.8% の貯金 となるわけです。(1.2% - (0.8% * 0.9)) * 10 = 4.8% とも計算で きます。

    もっとも、この方法では 334,000 円しか運用できません (^^; 一 時的に手元に 300 万円ある方は、試してみてはいかがでしょう。 これは、(2 年にいっぺん手続きしなおす必要があるものの)ほぼ 預け放しで達成できるのでちょっとおいしいです。

    8) 番外編(中級超絶編)

    上記と同じことを 1 カ月 + 4 日 ごとに繰り返せば、 (2.0% - (0.8% * 0.9)) *10 = 12.8% の利率となります。ただ、預けてすぐ借りると いう操作はかなり不自然だし、手間もかなり面倒です (^^;

    ***

    97/01 の郵便貯金の残高推移を見ると、定期貯金は 60 億円ぐらいし か増えてないのに、「ニュー定期 1 カ月 1000 円一口」よりはるかに条 件の悪い (^^; 定額貯金が 600 億円も増えている。

    実際、僕の知合いでこの FAQ の内容を知らずに定額貯金に預けていた人 がいるんですが、おおまかに話したら、慌てて郵便局に解約に走ってまし た。まだまだ、この情報、広がっていないみたいです。

    小方@電総研

    参考:

    初級編は,「エスカルゴムック 54 レディース最新マネーBOOK お金(得)ガイド 日本実業出版社 ISBN4-534-60054-2, 定価950円(本体価格922円)」「週刊文春 97/5/1・8号」や 97.6 の「女性セブン」「週刊朝日」にも紹介されています。

    日本経済新聞 96/10/7 (月)の 月曜版にも、同じ情報が出ています。 TV 番組 では 97/03/25の「はなまるマーケット」(TBS系)でも(初級編だけ)紹介して いました。

    四コマ漫画雑誌「まんがライフ 97年1月号」にも初級編と最上級編のことを扱っ た漫画がありました。最上級編は,「週刊ポスト 96.2.15号」に記事がありま した。

    これらも参考にしてみて下さい。

    参考: 郵便局に配られている資料

    別記

    次の行為は、郵便貯金法の主旨を逸脱した行為であり、郵便貯金を 簡易で確実な貯蓄手段としてあまねく公平に利用させることの 郵便貯金法第1条にも相反する行為ですから、利用をお断りします。

    1. 利用をお断りする行為。

    1) 定期預金の期間内払戻しを行い、再度預入をする行為を継続反復する。
    2) 預入した定期預金から貸し付けを行い、再度預入する。
    3) 実在しない架空の団体名(複数の団体で規約を提出しているものも含む。)
    で、明らかに分散して預入する。
    4) 貸付限度額300万をオーバーし貸付を申込む。

    2. 定期郵便貯金の預入期間内の払戻しについての根拠法令等
    o 郵便貯金法第59条、及び同条が準用されている第45条です。
    o この法令によると、預入期間が経過した後でなければ、貯金を払戻す
    ことができません。
    ただし、預金者の申請があった場合において、預金者の生計困難等の
    ため特にその必要があると認めるときは、預入期間内でも貯金を
    払い渡すことができます。

    3. 従って、明らかに預入期間内の払戻しと預入を反復継続する行為は、
    制度の主旨を逸脱したものでありますので、今後このような反復継続を
    認めることはできません。

    97/08/81 ニュースグループ fj.living への投稿記事より引用

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