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おりが小1のときから、もう7年。小学校で、読み聞かせのボランティアをしています。こんなに長く続けるつもりはありませんでした。ある育児サークルの関係で、声をかけられて、うちではずっと寝る時に本を読んであげるのがあたりまえだったので、それなら、と参加したのがきっかけです。大勢の子供たちが、ちゃんと聞いてくれるのか、不安もありましたが、初めて読んだときに大喝采を受け、それ以来やめられなくなりました。 今まで何十冊と読んできました。いちおう、厳選していった本ですので、それなりに喜んでもらっていますが、何冊かはこちらが予想していた以上に、激烈に子供たちが反応してくれました。そんな本を紹介します。 |
「はやくねてよ」あきやま ただし 作・絵 岩崎書店 |
小学校1年生の時から読み聞かせを始めたのですが、おりの時もなーの時も、スタートはこの絵本からでした。理由はいくつかあります。
短いこと。初めて読み聞かせをするときに、一番大事なのがこれです。こちらがちゃんと聞いてくれるのか、不安をもっているのと同じく、子供たちにも、突然目の前に立った見知らぬおばさんが、何をするんだろうという思いがあります。この壁を壊すには、短いお話で、子供たちが身構える前に心をつかんでしまうのがいちばんです。 この「はやくねてよ」は、シンプルな絵とお話なので、読み手の演出でどんどんふくらませることが可能です。好きなように歌に節をつけたり、主人公のパニックが増していくにつれ、読むテンポを速めたり、大きな声で読んだり。 最後まで読んで、「もう一度よんで。」とアンコールを受けました。子供たちがここまで言ってくれれば、読み聞かせは大成功です。 |
こどもたちの感想; な;「こうたろうくんが、最後にどなるとこがいい。」 |
「めっきらもっきら どおん どん」長谷川 摂子 作 ふりや なな 画 <こどものとも>傑作集85 福音館書店 |
これは文句なく名作です。絵に力がある。左から右にただ画面をおっていくだけではすまない構成。見開きページになったり、ぐるっと本を回して、縦にしてみたり。本は静かに読むものと言われている子供たちにとって、読む人が、あたふたと本を持ち替えながら読むのが、また楽しいようです。 不思議な呪文は、こどもたちを惹きつけます。3人の化け物がでてくると、こどもたちはドッとわきます。楽しい夢が消えたあと、最後のページを閉じたあとに「ちんぷく まんぷく・・・」と、こどもたちがつぶやくのを眺めるのは、とてもうれしい経験でした。 |
こどもたちの感想 な・おり;(声をそろえて)「おモチがおいしそー!」 |
「やまねこぼうや」かんざわ としこ 文 スズキ コージ 絵 童心社 |
この絵本は、まったくわたしの趣味で選んで、読みました(スズキ コージさんの絵が好きなんです)。かなりブラックなお話なので、少し心配もありました。こどもたちの反応はどんなものだろうか?怖がるだろうか、面白がるだろうか。結果は・・・ウケました。教室は爆笑の渦になりました。 どんどん拡がってゆくストーリーを、リズムのよい文章でまとめたおはなしも、とても魅力的です。読むとまるで詩の朗読をしているようです。ラストも、きれいなおはなしです。 |
こどもたちの感想 おり;「食べるシーンがいいな。なんでもおいしそうに食べるんだもん。」 |
絵が魅力的なこと、言葉に心地よいリズムがあること、繰り返しの安心感・面白さがあること、登場人物に共感できること。この辺が、幼年向けのよい絵本の条件に入るような気がします。 |
いきがかりで始めた、読み聞かせのボランティアですが、逆にこちらの方がいっぱい楽しませてもらっています。表に出るのはそんなに得意じゃなかったのに、そこら中に知り合いが出来て、道ですれ違う子供たちが挨拶をしてくれます。 もちろん、大変なこともありますが、大勢の子供たちと共有できた時間は、今ではわたしの宝物です。おりが中学生になり、なーも小学校の4年生ですから、あとどれくらい続けられるかわかりませんが、とても得難い経験になりました。 読み聞かせを始めたあと、いろいろ社会にでる機会もありましたが、この読み聞かせが専業主婦10年で殻のできかけた自分のリハビリにもなったような気がします。誘ってくれたおかあさんにも、一緒に読み聞かせをしているお母さんにも感謝を、そして、なにより、思いっきり喜んでくれた子供たちに、最大限の感謝を送りたいと思います。 |
*ちなみに、先日、初の試みで、読み聞かせのお母さんたちで集まって、飲み会をやりました。20人近くのお母さんが集まり、大盛況でした。みんな、人生を楽しんでいるな、というのが実感でした。 |
2003.8.3 ふー |
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