400棟工事し67%

 大阪府下ではこの一年間に、400棟余りの耐震工事が行われ、耐震化の伸び率は大阪府全体では昨年の4.1%から6.0%に達しました。全国の伸び率6.3%にはおよびませんでした。 調査対象となった2階建て以上で床面積200平方m以上の建物棟数は、大阪府全体の公立小・中学校で8,030棟あり、その内、耐震性能ありとされる昭和57年以降に建てられたものは、2,688棟、診断の結果耐震性が認められたものと耐震工事を完了したものの合計は、2693棟になり、耐震化の合計は5.381棟で、府下全体の平均耐震化率は昨年の全国平均と同じ67.0%となりました。全国平均は昨年の67.0%から73.3%と耐震化が進んだため、全国平均を6.3%下回りました。

 大阪府下の平均耐震化率の伸びは、07年1.3%、08年4.1%、09年6.0%と毎年上向き、衛星都市各市の取り組みが広がりを持ち始めたことを示しました。

今年度、耐震化工事完了も

 政令指定都市である大阪市の取り組みは引き続き高く、耐震化率は94.4%となりました。  大阪市は、防災拠点となる区役所等の公共施設の建替え工事を進めるとともに、第二次世界大戦後のベビーブーム時に建てられた中心部の学校改築を計画的に進めてきました。そのため、昭和57年以降の建物比率は、50%を超え、震災後に耐震化工事にも旺盛に取り組んだ結果、大阪府下各市を30%近くリードする形となっています。学校施設数の多さも考えると大阪府全体の耐震化を牽引してきたことが高く評価されます。

 大阪府下には、昭和56年以前の建物が占める比率が90%台の市が8市、80%台が8市、70%台が7市と、実に32市中23市が老朽化した学校施設を70%以上も抱えるという深刻な実態が浮き彫りになっています。

 そうした中で、昨年に引き続いて各市の取り組みの結果耐震化ランクが入れ替わりました。

 数年来旺盛な改修工事を行ってきた市を見ると、枚方市は,3年間で40%伸ばし、松原市は4年間で55%、大東市も46%、泉南市40%と急速な耐震化に取り組み、大阪府下でも来年には100%を達成する衛星都市が現れようとしています。

 今年度特筆されるのは、長く具体的耐震化の取り組みが出来ず一桁台の耐震化であった高石市が3カ年計画を掲げ、この1年間に21.8%を達成し、平成22年度中に100%達成を目標設定したことです。枚方市、松原市も平成22年度100%達成を目標にしています。

 10%を超える伸びがある市の一方で、反対に守口市の取り組みの遅れが目立つ形になっています。

 

田尻町100%

 大阪府下自治体で田尻町が耐震化率100%を達成しました。平成22年度中の耐震化率100%を目標にするのは、枚方市、松原市、高石市です。 23年度中の達成を掲げるのは門真市です。24年度中は、大東市、大阪狭山市。25年度中は、泉大津市、交野市、河南町。26年度中は、寝屋川市、泉南市となり、吹田市は27年度中となっています。

 保有する学校施設全体の目標とは別に、震度6強または震度7の巨大地震で倒壊または崩壊する危険が高いとされるIs値0.3以下の耐震指数の学校施設を優先的に耐震化する目標を掲げる自治体もあります。大阪狭山市、高石市、富田林市は、平成21年度中。枚方市は、平成22年度中。大阪市、交野市、阪南市、堺市は、平成23年度中としています。

 全国的に見れば、すでに100%を達成した自治体等の学校設置者数は、372となっています。全国で最も多い耐震補強が必要な学校施設棟数を抱える大阪府は、指導・通達等の行政は行うものの、他の都道府県のような独自の助成、技術者の派遣など具体に自治体が助かることは出来ていません。

 

サイトマップへご案内します