神戸の公立学校園の85%が被災

崩れた学校の安全神話

神戸市の学校施設被災の衝撃

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災は、学校施設にも大きな被害をもたらし、神戸市の報告(阪神・淡路大震災 被災学校園復旧・復興記録集ー神戸市教育委員会発行)では、347学校園のうち297校園、実に85.5%が何らかの被害を受けました。中規模程度以上の改修が必要な被害は、50校園84棟にのぼりました。 「どんなときにも学校は安全だ」と思われていた学校安全神話が崩れ去ったのです。

   中規模以上の被害
      84棟に及ぶ

1階部分が押しつぶされた神戸市立御影中学校
窓、出入り口が破壊され、もし昼間に地震があれば、大部分の生徒や教師が校舎内に 閉じこめられる事態になっていたと思われます。
 

 神戸市立学校園数及び被災校園数
 神戸市教育委員会平成6年調査

教室の被害状況


1階が破壊され
  脱出できない


 

多くの校舎で見られたコンクリート柱の破壊
1階全体が地震のエネルギーで押しつぶされるように 破壊され、柱だけでなく窓枠、出入り口、階段 が使えない状態です


  写真 上 神戸市立本山中学校

  写真 右 神戸市立飛松中学校

新しい壁式工法の校舎も破壊されました




壁式工法の開口面積の大きな比較的新しい校舎も直下型地震のエネルギーで破壊されました。

防火扉閉鎖は予想外


 火災時に延焼を防ぐ目的で設置された防火扉が地震の影響で閉鎖されるという予想外の被害が、745個所もありました。これは、出入り口や非常階段の被害と併せて考えると、児童、生徒達の避難経路が遮断されていました。



ライフラインの破壊

防火用水に指定されていた学校のプールが地震のために亀裂が入り、貴重な水が失われて消火活動が出来ないと言う事態がありました。
 水が出ないために避難所になった学校のトイレが使えないことになりました。
 電化製品も電気がないために全く使えない。  これらの教訓を復興する学校建設に生かすことになりました。

 被害の大きかった
   40年代建設校

 高度経済成長時代の昭和40年代に建設された学校の被害がとりわけ大きいことが明らかになっています。また、昭和39年までに建てられた学校は、被害がなかった地域の分も順次建て替えられることになりました。

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